【おすすめ】入浴補助用具の選び方|シャワーチェア・浴槽台

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入浴補助用具は、「浴室のどの動作が危ないか」で選ぶのが基本です。洗い場で立ったままが不安ならシャワーチェア、浴槽をまたぐのが怖いなら浴槽用手すりやバスボード、浴槽から立ち上がれないなら浴槽台というように、動作ごとに合う用具が違います。

また、入浴補助用具は介護保険の「特定福祉用具販売」で購入費の支給を受けられることがありますが、通信販売で買うと対象外になるなど、知らないと損をするルールもあります。この記事では、理学療法士の視点から、入浴補助用具の種類・動作別の選び方・介護保険の使い方・購入前のチェックポイントを解説します。

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この記事でわかること
  • 入浴補助用具の種類と、それぞれ役立つ動作
  • 浴室の動作別の入浴補助用具の選び方
  • 介護保険で購入する場合のルール(年10万円・指定事業者)
  • 購入前に確認したい浴室のサイズや注意点
  • タイプ別のおすすめの入浴補助用具
目次

入浴補助用具とは?介護保険の対象になる7種類

入浴補助用具とは、入浴の動作を安全にし、本人ができることを増やしたり、介助者の負担を減らしたりするための用具です。介護保険の特定福祉用具販売では、入浴補助用具として次の7つが対象になっています。

用具役立つ動作
入浴用いす(シャワーチェア)洗い場で座って体や髪を洗う
浴槽用手すり浴槽をまたぐ、浴槽内で立ち座りする
浴槽内いす(浴槽台)浴槽内で座る、浴槽から立ち上がる、浴槽への出入りの段差を小さくする
入浴台(バスボード)浴槽のふちに渡して座り、座ったまま浴槽に出入りする
浴室内すのこ脱衣所と洗い場の段差を小さくする
浴槽内すのこ深い浴槽の底を上げて、出入りしやすくする
入浴用介助ベルト介助者が体を支えやすくする
新人PT
新人PT

こんなに種類があるんですね。全部そろえた方がいいんですか?

ベテランPT
ベテランPT

全部は必要ないよ。大事なのは、本人がどの動作で困っているかを見極めること。たとえば洗い場は大丈夫でも、浴槽のまたぎだけが危ない人もいる。必要なものだけを選ぶのが、使いやすさにも費用にもいいんだ。

浴室の動作別|おすすめの入浴補助用具と選び方

洗い場で立っているのが不安→シャワーチェア

洗い場で立ったまま、または低い風呂いすに座って体を洗うのが不安な人には、座面が高めのシャワーチェアが向いています。座面が高いと立ち座りが楽になります。背もたれやひじかけがあると、座ったときに安定しますが、そのぶん場所を取ります。

  • 座面の高さを調整できるか(膝の高さ程度が立ち上がりやすい目安)
  • 背もたれ・ひじかけが必要か(座位が不安定な人は必要)
  • 座面が回転するか、折りたためるか
  • 脚に滑り止めのゴムがついているか

浴槽をまたぐのが怖い→浴槽用手すり・バスボード

浴槽をまたぐときは、片足立ちになるため、転倒のリスクが高い動作です。浴槽のふちにはさんで固定する浴槽用手すりがあると、つかまりながらまたげます。片足立ちが難しい人は、浴槽のふちに渡すバスボードに座って、座ったまま足を一本ずつ入れる方法が安全です。

注意

通販では、壁や浴槽に吸盤で貼りつける手すりも多く売られています。吸盤式は、体重をかけると外れるおそれがあるため、またぐときや立ち上がるときの支えとして使うのはおすすめできません。体重を預ける手すりは、浴槽のふちに挟んで固定するタイプか、住宅改修で壁に固定するタイプを選びましょう。

浴槽から立ち上がれない→浴槽台

浴槽の底から立ち上がるのは、膝や股関節に大きな負担がかかります。浴槽内に置く浴槽台に座ると、立ち上がる距離が短くなり、楽に立てるようになります。浴槽をまたぐときの踏み台としても使えます。

脱衣所と洗い場の段差がある→浴室内すのこ

古い住宅では、脱衣所と洗い場の間に段差があることがよくあります。浴室内すのこを敷くと、洗い場の床が上がり、段差を小さくできます。ただし、排水口の掃除がしにくくなる、重くて動かしにくいなどの点も考えておきましょう。

注意

浴室は濡れて滑りやすく、裸で体を支えるものがない、温度差で血圧が変動しやすいなど、家の中で特に事故が起こりやすい場所です。用具を使っても不安が残る場合は、訪問介護やデイサービスの入浴、通所リハビリでの入浴なども検討しましょう。

入浴補助用具を介護保険で購入するときのルール

要支援・要介護の認定を受けている人は、入浴補助用具を介護保険の「特定福祉用具販売」で購入できます。購入費の7〜9割(負担割合に応じて)が支給されますが、次のルールがあります。

ルール内容
支給の上限同一年度(4月〜翌年3月)で10万円までの購入費が対象
購入先都道府県の指定を受けた特定福祉用具販売事業者から購入した場合のみ。通信販売・インターネット販売は対象外
支払い方法いったん全額を支払い、後で保険給付分が戻る「償還払い」が基本(市町村によっては受領委任払いも)
必要な書類申請書、領収書、用具のパンフレットなど(市町村による)
専門職の関与福祉用具専門相談員が、心身の状況や環境を踏まえて選定・説明し、販売計画を作成する

つまり、ネット通販で買った入浴補助用具は、介護保険の購入費支給の対象になりません。介護保険を使う予定なら、まずケアマネジャーに相談し、指定事業者を通して選びましょう。介護保険の認定を受けていない人や、すぐに必要な人、予備を買い足したい人は、通販で自費購入するのも一つの方法です。

手すりの取り付けは住宅改修で

壁に固定する手すりや、浴室の段差解消の工事は、福祉用具ではなく住宅改修の対象です。住宅改修は、原則として生涯20万円までの工事費が対象で、工事の前に市町村への申請が必要です。

新人PT
新人PT

ネットで買ってから「介護保険が使えたのに」と気づく人もいそうですね。

ベテランPT
ベテランPT

実際によくある話なんだ。だから訪問リハビリでは、用具が必要になりそうなときは、早めにケアマネジャーと福祉用具専門相談員につなぐようにしている。リハ職は「どんな動作に何が必要か」を伝える役割だね。

購入前に確認したいチェックポイント

  1. 浴室と浴槽のサイズを測る洗い場の広さ、浴槽の幅・深さ、浴槽のふちの厚さを測ります。浴槽用手すりやバスボードは、ふちの形や厚さによって取り付けられないことがあります。
  2. 実際の動作を確認する服を着た状態で、浴室での動き(またぐ、座る、立ち上がる)を一度やってみて、どこが不安かを確かめます。
  3. 介助者の動きも考える家族が介助する場合は、介助者が立つ場所があるか、シャワーチェアを置いても動けるかを確認します。
  4. 掃除と収納を考える毎日使うものなので、掃除のしやすさや、使わないときの置き場所も考えておきます。

訪問リハビリでの入浴動作の支援【実践編】

訪問リハビリでは、実際の浴室で入浴の動作を評価し、用具の選定や動作の練習を行うことができます。訪問リハビリが入浴介助そのものを行うわけではありませんが、安全に入浴するための環境づくりと動作の練習は大切な役割です。

  • 動作の評価:浴槽のまたぎ、立ち座り、洗体の姿勢など、どこにリスクがあるかを見極める
  • 用具の提案:必要な用具と、その高さ・位置をケアマネジャーや福祉用具専門相談員に伝える
  • 練習:服を着たまま、用具を使った出入りの手順を練習する
  • 介助方法の指導:家族やヘルパーに、介助の位置や声かけの方法を伝える

訪問リハビリと入浴介助の関係は、関連記事「訪問リハビリで入浴介助は可能?不可能?」で詳しく解説しています。

入浴の前後に気をつけたいこと

用具をそろえても、入浴の前後の過ごし方によって事故のリスクは変わります。次の点も家族と共有しておきましょう。

  • 脱衣所と浴室を暖めておく:寒い季節は、急な温度変化で血圧が大きく変動しやすい
  • 食後すぐや飲酒後の入浴を避ける:血圧が下がりやすく、ふらつきの原因になる
  • 湯温はぬるめ、つかる時間は短めに:長湯はのぼせや脱水のもとになる
  • 家族に声をかけてから入る:一人暮らしの場合は、入浴の時間を決めて家族と連絡を取り合う
  • 入浴前後に水分をとる:入浴中は汗で水分が失われる
  • 体調が悪い日は無理をしない:熱がある、めまいがする日は入浴をやめ、清拭や足浴に切り替える

よくある質問

シャワーチェアは普通の風呂いすと何が違いますか?

シャワーチェアは座面が高く、高さを調整できるものが多いため、立ち座りが楽になります。背もたれやひじかけつきのタイプは、座った姿勢が安定しやすくなります。

介護保険でシャワーチェアを買うと、いくらかかりますか?

指定事業者から購入した場合、購入費の1〜3割(負担割合による)が自己負担になります。たとえば2万円のシャワーチェアで1割負担なら、自己負担は2,000円です(償還払いの場合は、いったん全額を支払います)。

入浴補助用具はレンタルできますか?

入浴補助用具は、肌に直接触れて衛生面からレンタルになじまないため、介護保険では購入の対象になっています。

同じ年度に、壊れたシャワーチェアを買い替えられますか?

原則として同じ種目の用具は、同じ年度に1回までとされていますが、破損や心身の状況の大きな変化など特別な事情がある場合は認められることがあります。市町村に相談してください。

まとめ
  • 入浴補助用具は「浴室のどの動作が危ないか」で選ぶ
  • 洗い場はシャワーチェア、またぎは浴槽用手すり・バスボード、立ち上がりは浴槽台
  • 介護保険で購入できるのは年度10万円まで、指定事業者からの購入のみ(通販は対象外)
  • 壁の手すりや段差解消の工事は住宅改修の対象
  • 浴室のサイズと実際の動作を確認し、リハビリ職やケアマネジャーに相談してから選ぶ
引用・出典(公的機関)

※2026年10月時点で確認した情報です。制度は改定されるため、算定・運用の際は最新の通知・Q&Aと指定権者(都道府県・市町村)の案内をご確認ください。

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