【おすすめ】転倒予防グッズ|家の中の危険をPTが解説

高齢者の転倒予防グッズは、「暗さ」「段差」「滑りやすさ」「転んだときの衝撃」の4つの危険に合わせて選ぶのが効果的です。夜間の足元を照らすセンサーライト、小さな段差をなくすスロープ、浴室の滑り止めマット、転んだときに股関節を守るヒッププロテクターなどは、手軽に取り入れられる対策です。
消費者庁の資料によると、2021年に「転倒・転落・墜落」で亡くなった65歳以上の人は9,509人で、交通事故で亡くなった高齢者(2,150人)の4倍以上でした。転倒は家庭など身近な場所で多く起きています。この記事では、理学療法士の視点から、家の中の転倒の危険と、その対策に役立つおすすめのグッズ、グッズ以外の対策を紹介します。
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- 高齢者の転倒の実態と、家の中で起こりやすい場所
- 転倒の4つの危険(暗さ・段差・滑り・衝撃)と対策
- 危険別のおすすめ転倒予防グッズ
- 介護保険の住宅改修・福祉用具でできる対策
- グッズだけに頼らない転倒予防のポイント
高齢者の転倒は家の中で起きている
高齢者の転倒は、外出先よりも住み慣れた家の中で多く起きています。慣れている場所だからこそ油断しやすく、筋力やバランス、視力の低下が重なると、わずかな段差や暗がりでつまずいてしまいます。
| 場所 | 起こりやすい転倒 |
|---|---|
| 寝室 | 夜間にトイレに起きたとき、暗くて足元が見えずにつまずく。ベッドからの立ち上がりでふらつく |
| 廊下 | 暗い廊下で、敷居やマットの端につまずく |
| 居間 | カーペットのめくれ、電気のコード、床に置いた物につまずく |
| 浴室・脱衣所 | 濡れた床で滑る。浴槽をまたぐときにバランスを崩す |
| 玄関 | 上がりかまちの段差を踏み外す。靴の脱ぎ履きでふらつく |
転倒は骨折につながりやすく、特に大腿骨の付け根の骨折は、寝たきりの原因にもなります。「転ばない環境」と「転んでもけがをしにくい工夫」の両方が大切です。

家の中が一番危ないって、意外です。

訪問リハビリで家に伺うと、「ここは危ないな」という場所がたくさん見つかるよ。本人は慣れているから気づきにくい。家族やリハビリ職が一緒に見直すのが大事なんだ。
転倒予防グッズで対策したい4つの危険
| 危険 | 対策の考え方 | 役立つグッズ |
|---|---|---|
| 暗さ | 夜間に足元が見えるようにする | センサーライト、足元灯 |
| 段差 | 小さな段差をなくす、段差を目立たせる | 段差スロープ、段差プレート、目立つ色のテープ |
| 滑りやすさ | 床や浴室を滑りにくくする | 浴室の滑り止めマット、滑りにくい靴下・室内履き |
| 転んだときの衝撃 | 転んでもけがをしにくくする | ヒッププロテクター |
危険別のおすすめ転倒予防グッズ
ここでは、Amazonでレビュー件数が多く、評価の高いグッズを危険別に紹介します。
暗さ対策:センサーライト
人の動きを感知して自動で点灯するセンサーライトは、夜間のトイレまでの動線に置くと効果的です。寝室のベッドの足元、廊下、トイレの入口などに置きましょう。電池式なら配線がいらず、コードにつまずく心配もありません。
段差対策:段差スロープ・段差プレート
部屋の出入り口の敷居など、数センチの小さな段差は、すり足気味に歩く高齢者がつまずきやすい場所です。段差スロープを置いて、なだらかにすると、つまずきにくくなり、歩行器や車いすも通りやすくなります。段差の高さに合うサイズを選びましょう。
滑り対策:浴室の滑り止めマット
浴室は、家の中で特に滑りやすい場所です。浴槽の中や洗い場に、吸盤で固定する滑り止めマットを敷くと、立ち上がりや移動のときに足が滑りにくくなります。カビが生えないよう、こまめに乾かしましょう。
衝撃対策:ヒッププロテクター
ヒッププロテクターは、股関節の外側にパッドが入った下着型の保護具です。転んだときの衝撃をやわらげ、大腿骨の付け根の骨折のリスクを減らすことを目的にしています。Amazonではスポーツ用のものが多く出てくるため、高齢者向けに作られたものを選びましょう。毎日着けることで効果が期待できるため、着脱のしやすさも大切です。
小さな置き敷きマットやラグは、端がめくれてかえってつまずきの原因になることがあります。滑り止めマットは浴室など必要な場所に限り、廊下や居間では、マットを減らすか、ずれない・めくれないものにしましょう。
場所別|家の中の転倒予防チェックリスト
グッズを買う前に、家の中を一度見直してみましょう。次のチェックリストで当てはまるものが多い場所から、対策を始めるのがおすすめです。
| 場所 | チェックすること |
|---|---|
| 寝室 | 夜中に起きたとき、明かりのスイッチに手が届くか。ベッドの高さは立ち上がりやすいか。ベッドの周りに物が置かれていないか |
| 廊下・階段 | 夜間に足元が見えるか。敷居などの段差がないか。階段に手すりがあり、段の端が見やすいか |
| 居間 | カーペットの端がめくれていないか。電気のコードが通り道を横切っていないか。いすや机が動きやすくないか |
| トイレ | 立ち座りのときにつかまる場所があるか。床が濡れていないか |
| 浴室・脱衣所 | 床や浴槽の中が滑りにくいか。浴槽をまたぐときにつかまる場所があるか。脱衣所に座って着替えられるいすがあるか |
| 玄関 | 上がりかまちの段差に手すりや台があるか。座って靴をはけるいすがあるか |
本人は慣れているため、危険に気づかないことがよくあります。家族が実際に夜の暗さの中で同じ道を歩いてみると、見落としていた危険が見つかりやすくなります。気づいたことはメモに残し、ケアマネジャーやリハビリ職にも共有しておきましょう。
介護保険でできる転倒予防の対策
要支援・要介護の認定を受けている人は、介護保険の住宅改修や福祉用具も活用できます。
| 制度 | 主な対象 | ポイント |
|---|---|---|
| 住宅改修 | 手すりの取り付け、段差の解消、滑りにくい床材への変更、引き戸への取り替えなど | 原則として生涯20万円までの工事費が対象。工事の前に市町村への申請が必要 |
| 福祉用具貸与(レンタル) | 工事のいらない置き型の手すり、歩行器、歩行補助つえなど | 介護度によって対象外の種目もある。ケアマネジャーに相談 |
| 特定福祉用具販売 | 入浴補助用具、ポータブルトイレなど | 年度10万円まで。指定事業者からの購入のみ |
センサーライトや段差スロープ、滑り止めマットなどの小物は、介護保険の対象外で自費購入が基本です。大がかりな対策が必要な場合は、ケアマネジャーやリハビリ職に家の中を見てもらい、住宅改修と組み合わせて考えるのがおすすめです。
グッズだけに頼らない転倒予防のポイント
- 体を動かす:筋力やバランスの低下は転倒の大きな原因。日ごろから足腰を動かす習慣をつける
- 足に合った靴・室内履き:かかとのない室内履きや、大きすぎる靴は転倒の原因になる
- 床に物を置かない:新聞、衣類、電気のコードなどは、通り道から片付ける
- 薬の影響を確認する:睡眠薬や血圧の薬などで、ふらつきが出ることがある。気になるときは主治医や薬剤師に相談する
- 夜間のトイレ対策:寝る前の水分のとり方を見直す、ベッドの近くにポータブルトイレを置くなども検討する
- 視力・聴力の確認:見えにくさや聞こえにくさも、転倒のリスクを高める

グッズを置くだけじゃなくて、生活全体を見直すことが大事なんですね。

その通り。転倒の原因は一つじゃないからね。環境、体、薬、生活習慣をまとめて見直すと、転倒のリスクはぐっと下がるよ。
訪問リハビリでの転倒予防【実践編】
訪問リハビリでは、実際の家の中を歩いてもらいながら、転倒のリスクを評価し、対策を一緒に考えます。
- 生活の動線を確認する寝室からトイレ、居間、浴室、玄関まで、毎日の動きを一緒にたどり、危ない場所を見つけます。
- 体の機能を評価する筋力、バランス、歩き方を評価し、転倒しやすい場面を予測します。
- 環境の調整を提案するグッズの設置、家具の配置換え、手すりの位置などを提案し、必要に応じてケアマネジャーと住宅改修を検討します。
- 運動と動作の練習を行うバランス練習や、立ち上がり・方向転換の安全な方法を練習します。
- 転んだときの対応を決める一人で起き上がる方法や、助けを呼ぶ方法を本人・家族と確認しておきます。
よくある質問
転倒予防グッズは何から買えばいいですか?
まずは、夜間のトイレまでの動線を照らすセンサーライトがおすすめです。手軽に設置でき、夜間の転倒の予防に役立ちます。そのうえで、家の中の段差や滑りやすい場所に合わせて追加しましょう。
ヒッププロテクターは本当に効果がありますか?
転んだときの股関節への衝撃をやわらげることが目的です。効果を得るには、毎日正しく着けることが前提になります。着け心地が悪いと続かないため、サイズと着脱のしやすさを確認しましょう。
手すりは自分で取り付けてもいいですか?
壁に固定する手すりは、下地の確認や取り付け位置が重要です。介護保険の住宅改修を使う場合は事前申請が必要なため、まずケアマネジャーに相談しましょう。
一度転んでから、歩くのが怖くなってしまいました。
転倒への恐怖から動かなくなると、筋力が落ちて、さらに転びやすくなる悪循環に陥ります。リハビリ職と一緒に、安全な環境で少しずつ歩く練習をして、自信を取り戻していきましょう。
- 65歳以上の転倒・転落・墜落による死亡は交通事故の4倍以上。転倒は家の中で多く起きている
- 転倒予防グッズは「暗さ・段差・滑り・衝撃」の4つの危険に合わせて選ぶ
- センサーライト、段差スロープ、浴室の滑り止めマット、ヒッププロテクターが手軽な対策
- 置き敷きマットはかえってつまずきの原因になることがある
- 住宅改修・福祉用具、運動、薬の見直しと組み合わせて、生活全体で転倒を防ぐ
※2026年10月時点で確認した情報です。制度は改定されるため、算定・運用の際は最新の通知・Q&Aと指定権者(都道府県・市町村)の案内をご確認ください。

