訪問リハビリの管理者に向いている人|必要なスキルと仕事内容

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「管理者をやってみないかと言われたけれど、自分に向いているのかわからない」「臨床は好きだけど、管理の仕事は何から覚えればいいの?」——訪問リハビリで経験を積むと、管理者やリーダーを任される場面が出てきます。臨床の力だけでは務まらない仕事なので、不安を感じる人も多いでしょう。
この記事では、訪問リハビリの管理者の仕事内容、向いている人の特徴、必要なスキルと知識を理学療法士の目線で整理します。運営基準で管理者に求められていることや、管理者を目指す人が学んでおきたい本7冊もあわせて紹介します。
- 訪問リハビリの管理者の主な仕事内容
- 運営基準で管理者・事業者に求められていること
- 訪問リハビリの管理者に向いている人の特徴5つ
- 管理者に必要なスキルと知識
- 管理者を目指す人におすすめの本7選
訪問リハビリの管理者の主な仕事内容
訪問リハビリの管理者は、自分も訪問しながら、事業所全体を回す役割を担うことが多い立場です。主な仕事は次のとおりです。
| 分野 | 主な仕事 |
|---|---|
| スタッフの管理 | 勤務表・訪問スケジュールの作成、欠勤時の調整、面談、新人教育 |
| 利用の受け付け・調整 | ケアマネジャーや医療機関からの依頼の受け付け、担当者の割り振り |
| サービスの質の管理 | 計画書・記録の確認、カンファレンス、苦情や事故への対応 |
| 制度・運営 | 加算の算定状況の確認、運営基準に沿った体制づくり、委員会や研修の運営 |
| 経営 | 利用者数・訪問件数の管理、営業、医師や他部門との調整 |

管理者って、訪問をしないで事務をする人だと思っていました。

事業所の規模によるけど、自分も訪問しながら管理をする人は多いよ。だから時間の使い方が大事なんだ。
運営基準で管理者・事業者に求められていること
訪問リハビリの運営基準(指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準)では、訪問リハビリの人員として常勤の医師1人以上と、PT・OT・STを1人以上置くことが定められています(第76条)。そのうえで、第83条により訪問介護などの規定が準用されます。
| 項目 | 基準で求められている主な内容 |
|---|---|
| 管理者の責務(第52条を準用) | 従業者の管理、利用申込みの調整、業務の実施状況の把握などを一元的に行う。従業者に基準を守らせるための指揮命令を行う |
| 勤務体制の確保(第30条) | 勤務の体制を定める。研修の機会を確保する。ハラスメントを防ぐための方針の明確化などの措置を講じる |
| 業務継続計画(第30条の2) | 感染症や災害のときにサービスを続けるための計画をつくり、研修と訓練を定期的に行う |
| 衛生管理(第31条) | 感染症対策の委員会をおおむね6月に1回以上開き、指針の整備や研修を行う |
| 虐待の防止(第37条の2) | 委員会の開催、指針の整備、研修の実施、担当者の配置 |
| 苦情処理・事故対応(第36条・第37条) | 苦情の記録、事故時の連絡・記録・賠償 |
また、訪問リハビリ事業者は自らサービスの質の評価を行い、常に改善を図らなければならないとされています(第79条)。管理者は、これらの体制を事業所の中で実際に動かす役割を担います。
訪問リハビリ事業所は病院・診療所・介護老人保健施設・介護医療院に置かれるため、管理者の決め方や兼務の扱いは、母体の医療機関・施設や自治体の運用によって異なることがあります。指定の手続きでは、所管の自治体の案内を確認しましょう。
訪問リハビリの管理者に向いている人の特徴5つ
管理者に向いている人には、次のような特徴があります。すべてがそろっている必要はなく、足りない部分は経験や学びで補えるものです。
1. 人との関係をつくるのが得意な人
訪問リハビリは、利用者・家族、ケアマネジャー、医師、ほかの事業所と連携して成り立つ仕事です。相手の立場を理解し、信頼関係をつくれる人は、依頼が集まりやすく、スタッフからも相談されやすくなります。
2. チームをまとめる力がある人
訪問リハビリのスタッフは、一人ひとりが別々に訪問しているため、顔を合わせる時間が限られます。事業所の方針をはっきり示し、一人ひとりが動きやすい環境をつくれる人が向いています。
3. 問題を整理して解決できる人
急な欠勤、苦情、利用者の状態の変化など、管理者のもとには毎日のように問題が集まります。感情で反応せず、事実を整理して対応を決められる人が向いています。
4. 計画を立てて動ける人
訪問スケジュール、委員会や研修の予定、加算の要件に合わせた書類の期限など、管理者は先を見て段取りを組む必要があります。
5. ストレスを抱えこまない人
臨床と管理を両立していると、負担が大きくなりがちです。一人で抱えこまず、相談や役割分担ができる人のほうが、長く管理者を続けられます。

私はリーダーシップに自信がないので、管理者には向いていないかもしれません。

先頭に立って引っぱるだけがリーダーではないよ。スタッフの話をよく聞いて、働きやすい環境を整えるタイプの管理者もたくさんいるんだ。
訪問リハビリの管理者に必要なスキルと知識
管理者に必要なスキルと知識を、身につけ方とあわせて整理します。
| スキル・知識 | 具体的な内容 | 身につけ方の例 |
|---|---|---|
| 業務管理 | スケジュールの調整、業務の割り振り、欠勤時の代替案 | 先輩管理者の段取りを見る、ツールを使う |
| リハビリの専門知識 | スタッフへの助言、リスク管理、計画書の確認 | 症例検討、研修への参加 |
| 介護保険制度 | 基本報酬・加算の要件、運営基準、改定の内容 | 厚生労働省の改定資料、制度の解説書 |
| コミュニケーション | 面談、ケアマネジャーや医師との調整、苦情対応 | 日々の面談の振り返り、接遇の研修 |
| 数字の管理 | 訪問件数・稼働率・利用者数の把握と目標設定 | 経営やマネジメントの本で基本を学ぶ |
| ITの活用 | 電子記録、スケジュール管理、オンライン会議 | 事業所のシステムを使いこなし、スタッフに教える |
特に、臨床家から管理者になったときに不足しやすいのが介護保険制度と数字の管理です。報酬改定のたびに加算の要件や基準が変わるため、一次情報である厚生労働省の資料を確認する習慣をつけておきましょう。
訪問リハビリの管理者を目指すためのステップ
いきなり管理者になるよりも、段階的に経験を積んでおくと安心です。
- 臨床で経験を積むさまざまな疾患・生活環境の利用者を担当し、訪問リハビリの基本を身につける
- 新人の指導や委員会を担当する同行訪問や感染症・虐待防止の委員会など、人をまとめる役割を経験する
- 制度と数字を学ぶ加算の要件や、事業所の訪問件数・稼働率を自分でも把握する
- 主任・リーダーとして管理を補佐するスケジュール調整や面談の一部を任せてもらう
- 管理者として事業所を運営する方針を決め、スタッフと一緒に質の評価と改善を続ける
管理者を目指すことは、キャリアアップの道のひとつです。ほかの選択肢もあわせて知りたい人はPT・OTのキャリアアップの記事も参考にしてください。
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訪問リハビリの管理者を目指す人におすすめの本7選
管理者を目指す人、管理者になったばかりの人に役立つ本を紹介します。
| 本 | 学べること |
|---|---|
| PT・OT・STのためのリハビリテーション管理学 | 法制度、職場の管理・教育、職業倫理、事業経営の基礎 |
| 最高の結果を出すKPIマネジメント | 目標を数字で管理する考え方 |
| リハビリテーション管理・運営実践ガイドブック | リハビリ部門の管理・運営の実務 |
| [新版] リハビリ部門管理者のための実践テキスト | リハビリ部門のマネジメントの手法 |
| 訪問リハビリテーション完全マニュアル 第二版 | 訪問リハビリの制度から実務まで |
| 僕は明日もお客さまに会いに行く。 | 相手に信頼される仕事の姿勢 |
| 訪問看護の社長業 | 在宅サービスの組織づくり・営業・経営 |
マネジメントの極意をつかむ! PT・OT・STのためのリハビリテーション管理学
PT・OT・STの養成課程で求められるようになった「管理学」の内容を、わかりやすくまとめた本です。法制度の理解、職場の管理・教育、職業倫理に加え、事業経営についても取り上げています。管理の基本を最初に学びたい人に向いています。
最高の結果を出すKPIマネジメント
目標を数字で管理する「KPIマネジメント」をわかりやすく解説したビジネス書です。訪問件数や稼働率など、事業所の目標を数字で考える力を身につけたい管理者に役立ちます。
リハビリテーション管理・運営実践ガイドブック
リハビリ部門の管理・運営を、実務の目線で解説した本です。人の管理や部門の運営について、管理者が押さえておきたい点を確認できます。
[新版] 医療機関・介護施設のリハビリ部門管理者のための実践テキスト
医療機関や介護施設の経営指導を行う著者が、リハビリ部門のマネジメントに必要な手法を7つのストーリーで解説した本です。リハビリ部門のマネジメントを学ぶ場がないと感じている人に向いています。
【同時改訂対応】訪問リハビリテーション完全マニュアル 第二版
訪問リハビリの制度から実務までをまとめた本です。管理者は制度の理解が欠かせないため、手元に置いて確認できる一冊があると便利です。報酬改定の後は、最新の厚生労働省の資料もあわせて確認しましょう。
僕は明日もお客さまに会いに行く。
営業の仕事を題材に、仕事と人として大切なことを物語で伝える本です。ケアマネジャーや医療機関との関係づくりは、訪問リハビリの管理者にとって営業の一面もあります。相手に信頼される姿勢を考えるきっかけになります。
訪問看護の社長業
訪問看護の事業者の創業者が、営業戦略、商圏の考え方、事業規模に合わせた組織のつくり方などをまとめた本です。訪問看護の本ですが、在宅サービスの組織づくりと経営という点で、訪問リハビリの管理者にも参考になります。
訪問リハビリの参考書を目的別に知りたい人は訪問リハビリのおすすめ参考書の記事も参考にしてください。
よくある質問
訪問リハビリの管理者になるのに資格は必要ですか?
管理者は何年目くらいからなれますか?
管理者になると訪問はしなくなりますか?
管理者になると給料は上がりますか?
管理者として最初に取り組むべきことは何ですか?
- 訪問リハビリの管理者は、スタッフの管理、利用の調整、サービスの質の管理、制度対応、経営を担う
- 運営基準では、管理者が従業者の管理や業務の把握を一元的に行うこと(第52条を準用)などが求められている
- 向いているのは、関係づくり・チームをまとめる・問題解決・計画性・ストレスを抱えこまない人
- 臨床家から管理者になると、介護保険制度と数字の管理が不足しやすい
- 新人指導や委員会の担当から段階的に経験を積むと、管理者の仕事に移りやすい

