理学療法士はやめとけ?言われる5つの理由と向いている人

「理学療法士はやめとけ」と言われる主な理由は、給料の伸びが小さいこと、養成数が増えて将来の需給が厳しくなること、体力・人間関係の負担があることです。どれも根拠のない噂ではなく、統計や国の資料で一定の裏付けがあります。
一方で、理学療法士は国家資格で、病院・介護・在宅・スポーツなど働く場所の選択肢が広い仕事です。この記事では、現役の目線から「やめとけ」と言われる5つの理由をデータで確かめ、向いている人・向いていない人、後悔しないための選び方を解説します。これから目指す学生・社会人だけでなく、続けるか迷っている現役の人にも向けた内容です。
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- 「理学療法士はやめとけ」と言われる5つの理由
- 賃金統計で見る理学療法士の給料の実態
- 国の需給推計から見た将来性
- 理学療法士に向いている人・向いていない人
- やめとけと言われても後悔しないための選び方
結論:理学療法士はやめとけ、は半分正しく半分まちがい
結論から言うと、「理学療法士はやめとけ」は「何も考えずに就職すると、給料と将来性で後悔しやすい」という意味では正しいです。病院に就職して同じ働き方を続けるだけでは、年収が大きく伸びにくいのは事実です。
ただし、働く分野・職場・役割を自分で選べる人にとっては、まちがいです。訪問リハのように需要が伸びている分野、管理職や専門性を活かせるポジション、副業や教育など、理学療法士の資格を土台に収入とやりがいを両立している人もいます。

先輩、学生のころ「理学療法士はやめとけ」って何度も言われました…。

言われるのには理由があるよ。でも、それは「この仕事に未来がない」じゃなくて「何も考えずに選ぶと苦労する」という意味で受け取るといい。データを見ながら一つずつ確かめてみよう。
理学療法士はやめとけと言われる5つの理由
1. 給料が上がりにくい
理学療法士の収入は、病院や介護施設が受け取る診療報酬・介護報酬が元になっています。報酬の単価は国が決めるため、1人のセラピストがどれだけ頑張っても、売上を大きく増やすのは難しいしくみです。そのため、年齢や経験年数が上がっても給料の伸びは緩やかになりがちです。
2. 養成数が増えて、将来は供給過多になる見込み
厚生労働省の需給分科会の資料では、理学療法士・作業療法士の供給数はすでに需要数を上回り、2040年ごろには供給数が需要数の約1.5倍になるという推計(案)が示されています。資格を持っていれば安泰、という時代ではなくなりつつあります。
3. 体力的にきつい
移乗や歩行の介助、立ちっぱなしの訓練、訪問リハなら移動の負担もあります。腰を痛めるセラピストも少なくありません。
4. 人間関係・患者対応のストレス
リハビリ室は同じメンバーで長時間働くことが多く、先輩・同僚との関係で悩む人がいます。患者や家族との関わりでも、思うように回復しない、気持ちが通じないといった場面があります。
5. 勉強を続ける負担が大きい
卒業後も、勉強会や研修、学会、資格の更新など、学び続けることが求められます。自費で研修に参加する人も多く、時間とお金の負担を感じやすい仕事です。
データで見る理学療法士の給料の実態
国の賃金構造基本統計調査(令和7年)では、「理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、視能訓練士」をまとめた職種の平均(企業規模10人以上、男女計)は次のとおりです。年収は「きまって支給する現金給与額×12か月+年間賞与」で試算しています。
| 年齢 | 月の給与(きまって支給) | 年間賞与 | 年収の試算 |
|---|---|---|---|
| 20〜24歳 | 25.4万円 | 32.8万円 | 約338万円 |
| 25〜29歳 | 28.0万円 | 62.2万円 | 約398万円 |
| 30〜34歳 | 29.8万円 | 73.7万円 | 約432万円 |
| 35〜39歳 | 31.7万円 | 76.8万円 | 約457万円 |
| 40〜44歳 | 33.3万円 | 82.3万円 | 約482万円 |
| 45〜49歳 | 35.5万円 | 94.3万円 | 約520万円 |
| 50〜54歳 | 37.8万円 | 95.6万円 | 約549万円 |
| 全体(平均36.2歳) | 31.0万円 | 71.7万円 | 約444万円 |
※月の給与・賞与は千円単位を四捨五入。リハ職4職種の合算で、理学療法士だけの数値ではありません。
20代前半から50代前半までで年収は約1.6倍に増えますが、30代で450万円前後、40代前半で500万円に届かないのが平均像です。家族を養う、住宅ローンを組むといったライフプランを考えると、「やめとけ」と言われる理由はここにあります。

平均だと40代でも500万円いかないんですね…。

平均はね。ただ、同じ資格でも職場や役割で差が出るよ。訪問リハは歩合やインセンティブがある事業所もあるし、管理職になれば手当がつく。どこで、どう働くかを選ぶことが大事なんだ。
それでも理学療法士を選ぶメリット
- 国家資格で全国どこでも働ける:結婚・転居・介護などで住む場所が変わっても仕事を見つけやすい
- 働く分野が広い:急性期・回復期・介護施設・訪問リハ・スポーツ・行政・教育・企業など選択肢が多い
- ブランクがあっても復職しやすい:育児や介護で離れても、資格があれば戻る道がある
- 人の生活を直接支えられる:「歩けるようになった」「家に帰れた」という変化に立ち会えるやりがいがある
- 高齢化で在宅の需要は続く:訪問リハなど、地域で暮らす高齢者を支える仕事は今後も必要とされる
理学療法士に向いている人・向いていない人
| 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|
| 人の体や動きに興味があり、学び続けるのが苦にならない | 勉強は資格を取るまでで終わりにしたい |
| 相手のペースに合わせて、根気よく関われる | すぐに目に見える結果が出ないとつらい |
| 体を動かすことが好き、体力に自信がある | 腰痛などで介助動作が難しい |
| チームで働くことに抵抗がない | 一人で完結する仕事がしたい |
| 働き方やキャリアを自分で考えて選べる | 安定した昇給だけを期待している |
やめとけと言われても後悔しないための選び方
- 最初の数年で基礎を固める新人のうちは、教育体制がある職場で評価と治療の基礎を身につけます。基礎があると、その後の選択肢が広がります。
- 伸びる分野を意識する訪問リハなど在宅の分野は、高齢化とともに需要が続く分野です。病院だけでなく地域での働き方も視野に入れます。
- 専門性と役割を持つ認定理学療法士などの資格、管理者やリーダーの経験、教育・研究など、「あなたに任せたい」と言われる強みをつくります。
- 給料の仕組みを確認して職場を選ぶ基本給・賞与・手当・インセンティブの仕組みは職場ごとに違います。転職の際は、年収だけでなく昇給の条件も確認しましょう。
「やめとけ」と言われる理由の多くは、働き方を選ばずに続けた場合のリスクです。分野・職場・役割を自分で選ぶ意識を持てば、後悔は減らせます。
訪問リハという選択肢
病院勤務で給料や働き方に限界を感じた理学療法士が、訪問リハに転職するケースは少なくありません。訪問リハは、利用者の自宅で生活に直結したリハビリを行う仕事で、1件ごとの訪問が事業所の売上に直結するため、給料に反映されやすい事業所もあります。
一方で、1人で判断する場面が多い、移動の負担がある、天候に左右されるなどの大変さもあります。転職する前に、同行訪問や見学で実際の働き方を確かめておくと安心です。

訪問リハに興味はあるけど、経験が浅いと不安です。

新人教育や同行訪問の期間をしっかり設けている事業所もあるよ。求人を見るときは、教育体制と給料の仕組みを必ず確認しよう。転職サービスを使うと、こうした条件を事前に聞いてもらえるから便利だよ。
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よくある質問
理学療法士は将来なくなる仕事ですか?
なくなるとは考えにくいですが、国の推計では2040年ごろに供給が需要を大きく上回る見込みです。資格があるだけでは選ばれにくくなるため、専門性や働く分野を意識したキャリアづくりが大切になります。
理学療法士で年収500万円以上は可能ですか?
可能です。統計では40代後半の平均が約520万円です。管理職になる、給料の仕組みが成果に連動する訪問リハで働く、副業をするなどの方法で、より早い年代で到達している人もいます。
理学療法士と作業療法士、どちらがいいですか?
給料の統計は同じ職種区分にまとめられていて、大きな差は見えません。体の動きを中心に支えたいなら理学療法士、生活の動作や心の面、仕事・趣味の再開まで支えたいなら作業療法士が向いています。
現役ですが、やめたいと感じています。どうすればいいですか?
まず、「仕事そのもの」がつらいのか、「今の職場」がつらいのかを分けて考えましょう。職場の問題なら、分野や事業所を変えるだけで解決することがあります。資格を活かした別の働き方も含めて、選択肢を比べてから決めるのがおすすめです。
- 「理学療法士はやめとけ」の主な理由は、給料の伸び・将来の需給・体力と人間関係
- リハ職の平均年収は約444万円(令和7年賃金構造基本統計調査、4職種合算)
- 国の推計では2040年ごろに供給が需要の約1.5倍になる見込み
- 一方で、国家資格で全国どこでも働け、分野の選択肢が広い
- 分野・職場・役割を自分で選ぶ意識があれば、後悔は減らせる
- e-Stat「令和7年賃金構造基本統計調査 職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(第5表)」
- 厚生労働省 医療従事者の需給に関する検討会 理学療法士・作業療法士需給分科会 資料
※2026年10月時点で確認した情報です。制度は改定されるため、算定・運用の際は最新の通知・Q&Aと指定権者(都道府県・市町村)の案内をご確認ください。

