終末期ケア専門士は意味ない？取得するメリットや合格のコツも紹介

終末期ケア専門士は、人生の最終段階にある方々を支えるための専門的な知識と技術を持つプロフェッショナルです。

しかし、「この資格を取得することに意味があるのか？」「本当に仕事に活かせるのか？」と疑問を持つ方もいるかもしれません。

本記事では、終末期ケア専門士の概要や受験資格、取得するメリット、そして合格のためのポイントについて詳しく解説します。

資格の意義を理解し、自身のキャリアにどのように役立てられるかを検討する材料として活用してください。

終末期ケア専門士とは？

終末期ケア専門士は、一般社団法人日本終末期ケア協会が認定する資格で、エビデンスに基づいた終末期ケアを実践できる専門家を育成することを目的としています。現代社会において、高齢化が進み、終末期医療の重要性が増している中で、より質の高いケアを提供するための知識とスキルを身につけた専門職が求められています。

この資格は、医療職や介護職をはじめとする多くの職種に開かれており、患者・利用者の最も近くで「支える人」として活躍できるスキルを学ぶことができます。終末期ケアに携わる方々にとって、専門的な知識を深める貴重な機会となるでしょう。

終末期ケア専門士の受験資格

終末期ケア専門士を受験するには、以下のいずれかの免許および実務経験年数を満たしている必要があります（実務経験は免許登録日以降のものが対象）。

受験資格（実務経験2年以上が必要）

• 医師
• 歯科医師
• 看護師
• 保健師
• 薬剤師
• 理学療法士
• 作業療法士
• 言語聴覚士
• 臨床工学技士
• 歯科衛生士
• 管理栄養士
• 介護支援専門員（ケアマネジャー）
• 社会福祉士
• 精神保健福祉士
• 臨床検査技師
• 公認心理師
• 救急救命士
• 放射線技師
• 介護福祉士
• 准看護師
• 臨床心理士

また、医療・福祉分野で終末期ケアに関わる業務を行っている方も受験資格を満たす場合があります。

詳細な受験資格については、公式サイトを確認することをおすすめします。

終末期ケア専門士の評判は？

終末期ケア専門士の資格は、医療・介護業界での評価が高い一方で、現場によっては資格の認知度に差があるという意見も見受けられます。特に、緩和ケア病棟やホスピス、高齢者施設では、専門的な知識を持つことが強みとなり、資格取得者が重宝される傾向があります。一方で、一般の病院や診療所では、資格の活用範囲が限定される場合があるため、事前に職場のニーズを確認することが重要です。

実際に資格を取得した人の声として、「学んだ知識が現場で非常に役立った」「家族や患者への対応の仕方が変わった」といったポジティブな意見がある一方で、「資格がなくても実務経験があれば対応できる」という意見もあります。そのため、資格取得を考える際には、自分がどのような現場で活かしたいのかを明確にすることが大切です。

また、キャリアアップの面では、資格を取得することで終末期ケアの専門性をアピールできるため、転職時の強みとして活用できる可能性が高まります。資格を取得することで、より専門性の高い職場への転職や、チーム医療の一員としての役割をより深く担う機会が増えるでしょう。

終末期ケア専門士の合格率

終末期ケア専門士の試験は、例年一定の合格率を維持しており、2024年第5回認定試験では、全国で3512名が合格しました。これにより、現在の終末期ケア専門士の資格保持者は全国で13060名となりました。

2024年度の試験の合格率は65.6%であり、過去の試験と同様に、比較的安定した水準となっています。この数値からも分かるように、適切な対策を行えば、十分に合格が狙える資格であることが分かります。合格を目指す方は、公式テキストの活用や、WEB講習会の受講などを通じて、効率的に学習を進めることが重要です。

終末期ケア専門士の3つのメリット

終末期ケア専門士を取得する3つのメリットを紹介します。

専門的な知識とスキルの習得

終末期ケア専門士の資格を取得することで、終末期ケアに関する専門的な知識や技術を体系的に学ぶことができます。終末期における患者さんやご家族の精神的・身体的なケアを行うための知識を深めることで、実際の現場で質の高いサポートを提供することが可能になります。

また、終末期ケアに必要なエビデンスに基づいたアプローチや、倫理的な視点からの判断力も養われるため、日常業務においてより専門的な対応が求められる場面での自信につながります。

キャリアアップの推進

終末期ケア専門士の資格は、キャリアアップにもつながります。特に、緩和ケア病棟やホスピス、高齢者施設、訪問看護などで働く医療・介護従事者にとっては、大きな強みとなります。

また、終末期ケアに悩む若手スタッフへの指導や相談業務を担う場面も増え、施設内での役割が広がることも期待できます。資格を取得することで、終末期医療・ケアのリーダーとしてのポジションを確立できるでしょう。

多職種との連携強化

終末期ケアは、多職種が連携して患者を支えることが不可欠です。資格を取得することで、医師や看護師、介護福祉士、薬剤師、理学療法士などの専門職とより円滑にコミュニケーションを取りながら、質の高いチームケアを実現することが可能になります。

多職種で連携しながら、患者さん一人ひとりに最適な終末期ケアを提供するためにも、資格を活用することが重要です。

終末期ケア専門士を受けることがおすすめの人

終末期ケア専門士を受けることがおすすめの人は下記のとおりです。

• 終末期ケアに関心があり、専門的な知識と技術を習得したいと考えている医療・介護従事者
• 終末期医療・ケアにおいてキャリアアップを目指したい方
• 多職種との連携を強化し、チームケアの質を高めたい方
• 患者さんやご家族の精神的ケアに対する理解を深めたい方

終末期ケア専門士に合格するためにおすすめの方法

終末期ケア専門士に合格するためにおすすめの方法は下記の2つがあります。

終末期ケア専門士 試験対策WEB講習会

『一般社団法人日本終末期ケア協会が開催している 終末期ケア専門士 試験対策WEB講習会』では、公式テキストを基に、試験に必要な知識を効率的に学ぶことができます。

動画講義を通じて、イラストや図表を用いたわかりやすい解説が提供されるため、独学が苦手な方や仕事との両立を考えている方にも最適です。時間や場所を選ばずに学習できるため、忙しい方でも無理なく試験対策ができます。

終末期ケア専門士【公式テキストの購入】

試験合格を目指す上で、公式テキストの購入は必須です。試験範囲を網羅し、重要ポイントを整理することで、効率よく学習を進められます。

また、実際の試験問題を想定した演習問題なども含まれているため、試験対策には欠かせない一冊となっています。

終末期ケア専門士の資格取得は、専門的な知識と技術の習得、キャリアアップ、多職種との連携強化など、多くのメリットがあります。終末期ケアに関心のある医療・介護従事者の方は、ぜひ資格取得を検討してみてください。