高齢者のウォーキンググッズ5選|理学療法士が選び方を解説

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「健康のために歩きたいけれど、転ぶのが怖い」「少し歩くと膝や足の裏が痛くなる」——高齢の方からこうした相談を受けることは少なくありません。ウォーキングは特別な道具がなくても始められる運動ですが、靴や持ち物が合っていないと、痛みや転倒の原因になることがあります。
この記事では、高齢者が安全に、長く歩き続けるためのウォーキンググッズを、理学療法士の目線で選び方とあわせて紹介します。厚生労働省のガイドが示す歩く量の目安や、歩くときの注意点も解説するので、ご本人だけでなく、家族やリハビリ職の方も参考にしてください。
- 高齢者にウォーキングがすすめられる理由と、歩く量の目安
- 理学療法士がすすめるウォーキンググッズ5選と選び方
- 転倒を防ぐための歩き方と注意点
- 無理なく続けるためのコツ
高齢者にウォーキングがすすめられる理由
ウォーキングは、下肢の筋力や心肺機能の維持に役立ち、自分のペースで調整しやすい運動です。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、高齢者の推奨事項として次のような目安が示されています。
| 項目 | 高齢者の推奨事項(ガイド2023) |
|---|---|
| 身体活動の量 | 歩行またはそれと同等以上の身体活動を1日40分以上(1日約6,000歩以上) |
| 運動の内容 | 筋力トレーニングを週2〜3日、有酸素運動・筋力トレーニング・バランス運動・柔軟運動などを組み合わせた多要素な運動を週3日以上 |
| 座りっぱなし | 座りっぱなしの時間が長くなりすぎないように注意する |
ただし、ガイドでも個人差に応じて強度や量を調整することが前提とされています。いきなり6,000歩を目指す必要はなく、今より少しでも多く体を動かすことから始めましょう。

6,000歩って、普段あまり歩かない人には大変そうですね。

そうだね。最初は家の周りを10分歩くだけでも十分だよ。続けられる量から始めて、少しずつ延ばしていくのがコツなんだ。
高齢者向けウォーキンググッズの選び方
| グッズ | 選ぶポイント | 期待できること |
|---|---|---|
| シューズ | 足に合うサイズと幅、滑りにくい靴底、脱ぎ履きのしやすさ | つまずき・足の痛みの予防 |
| ポール(2本杖) | 長さを調整できる、先ゴムが滑りにくい | 歩行の安定、姿勢の保持 |
| リュック | 軽い、両手が空く、肩ベルトが太め | 荷物を持つことによるバランスの崩れを防ぐ |
| インソール | 靴のサイズに合う、クッション性 | 足裏への衝撃をやわらげる |
| 反射材 | 上半身に付けられる、目立つ色 | 夕方・夜の交通事故の予防 |
グッズを選ぶときは、「歩くときの困りごと」から逆算するのがポイントです。ふらつきが心配ならポール、足の痛みならシューズやインソール、というように、困りごとに合うものから取り入れましょう。
理学療法士がすすめるウォーキンググッズ5選
1. 幅広で履きやすいシューズ
ウォーキングで最も大切なのが靴です。高齢になると足のむくみや外反母趾などで、普通の靴が合わなくなることがあります。幅にゆとりがあり、面ファスナーで甲をしっかり固定できる靴を選ぶと、靴の中で足がずれにくく、つまずきの予防にもつながります。かかとを踏んだまま歩く、サイズが大きすぎる靴を履く、といった状態は転倒の原因になるため注意しましょう。
2. 歩行を安定させる2本杖(ウォーキングポール)
左右の手でポールをつく2本杖は、支える点が増えるため歩行が安定しやすく、背すじを伸ばした姿勢を保ちやすくなります。長さを身長に合わせて調整できるものを選び、先ゴムがすり減っていないか定期的に確認しましょう。杖を日常的に使っている人や、ふらつきが強い人は、使う前にリハビリ職に相談するのがおすすめです。
3. 両手が空く軽量リュック
飲み物やタオル、スマートフォンを持ち歩くときは、手提げ袋よりリュックがおすすめです。片手に荷物を持つと体が左右に傾き、バランスを崩しやすくなります。軽くて、背負ったときに体にフィットするものを選びましょう。
4. 衝撃をやわらげるインソール
足の裏の痛みや、長く歩いたときの疲れが気になる人は、クッション性やアーチサポートのあるインソールを試してみる方法があります。インソールを入れると靴の中が窮屈になることがあるため、入れた状態で靴がきつくないか必ず確認しましょう。痛みが続く場合は、医療機関で相談してください。
5. 夕方・夜に目立つ反射ベスト
夏場の暑さを避けて朝夕に歩く人も多いですが、夕方以降は車や自転車から歩行者が見えにくくなります。反射材が付いたベストを上から羽織るだけで、暗い時間帯でも目立ちやすくなります。

全部そろえないといけないんでしょうか?

そんなことはないよ。まずは足に合う靴から。そのうえで、ふらつきがあればポール、夜に歩くなら反射材、というように必要なものを足していけばいいんだ。
転倒を防ぐウォーキングの注意点
- 持病がある人は主治医に相談:心臓病や高血圧、膝や腰の痛みがある人は、運動の量を医師と相談する
- 体調の悪い日は休む:発熱、強い疲れ、睡眠不足の日は無理をしない
- 暑さ・寒さ対策:夏は涼しい時間帯に歩いてこまめに水分をとり、冬は急な寒さに注意する
- コースを選ぶ:段差や坂の少ない道、休めるベンチがある道を選ぶ
- 連絡手段を持つ:スマートフォンや連絡先のメモを持ち、家族に行き先を伝えておく
歩くときは、いつもより少し大きめの歩幅で、かかとから着地することを意識すると、つまずきにくくなります。ただし、無理に歩幅を広げると疲れやすくなるため、話しながら歩ける程度のペースを目安にしましょう。
歩く前後にできる簡単な準備運動
歩き始める前に体を軽く動かしておくと、関節が動きやすくなり、つまずきの予防にもつながります。椅子に座ったままでもできる運動から始めましょう。
- 足首を上下に動かす、回す(左右10回ずつ)
- 椅子に座って片足ずつ膝を伸ばす(左右10回ずつ)
- 椅子の背などにつかまり、かかとを上げ下げする(10回)
- 肩を大きく回し、背すじを伸ばす
歩いた後は、ふくらはぎや太ももをゆっくり伸ばし、水分をとって休みましょう。翌日に強い痛みや疲れが残る場合は、歩く量が多すぎたサインです。次回は時間や距離を減らして調整してください。
家族が見守るときのポイント
高齢の家族がウォーキングを始めるときは、最初の数回だけでも一緒に歩いてみると安心です。歩くペース、休憩の取り方、信号や段差での様子を見ておくと、注意が必要な場面がわかります。
また、靴のかかとのすり減りや、ポールの先ゴムの劣化は本人が気づきにくいポイントです。道具の状態を家族が時々確認してあげることも、転倒予防に役立ちます。
ウォーキングを無理なく続けるコツ
- 短い時間から始める最初は1回10分程度から始め、慣れたら少しずつ時間を延ばす
- 生活の中に組み込む買い物や散歩、ゴミ出しなど、日常の用事を歩く機会にする
- 記録をつける歩数計やスマートフォンで歩数を記録すると、変化が見えて続けやすい
- 仲間と歩く家族や友人、地域のウォーキングの会などに参加すると、楽しく続けられる
- 筋トレやバランス運動も組み合わせる椅子からの立ち上がりやかかと上げなど、自宅でできる運動もあわせて行う
訪問リハビリでは、利用者さんが実際に歩くコースを一緒に確認できます。段差や休憩できる場所、靴の状態まで確認したうえで、自主練習としてのウォーキングを提案すると、安全に続けてもらいやすくなります。
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高齢者のウォーキンググッズでよくある質問
杖とウォーキングポールはどう違いますか?
ウォーキングシューズは何を基準に選べばいいですか?
膝が痛くてもウォーキングしていいですか?
雨の日はどうすればいいですか?
- 厚生労働省のガイド2023では、高齢者は1日40分以上(約6,000歩以上)の身体活動が目安。ただし無理のない量から始める
- グッズは「歩くときの困りごと」から選ぶ。まずは足に合う靴から
- ふらつきにはポール、足の痛みにはインソール、夜道には反射材が役立つ
- 持病がある人は主治医に相談し、体調や天候に合わせて無理をしない
- 筋力トレーニングやバランス運動も組み合わせると、転倒予防につながる

