理学療法士・作業療法士の仕事は辛い?データで見る実態と続ける工夫

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「理学療法士・作業療法士の仕事は辛いって聞くけど、実際はどうなの?」——これから目指す人も、すでに働いている人も気になる疑問です。ネットでは「給料が安い」「体力的にきつい」といった声が目立ちますが、印象だけで判断すると実態を見誤ることがあります。

この記事では、公的な統計と資料をもとに、辛さの実態を検証します。そのうえで、辛さを感じやすい人の傾向と、長く続けている人の工夫、この仕事ならではのやりがいを整理しました。場面別のしんどさと乗り越え方は関連記事で詳しく解説しています。

この記事でわかること
  • データで見る理学療法士・作業療法士の働き方の実態
  • 「辛い」と言われる理由の本当のところ
  • 辛さを感じやすい人の傾向
  • 長く続けている人に共通する工夫
  • 辛さの中にあるやりがい

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目次

データで見る理学療法士・作業療法士の働き方

令和7年賃金構造基本統計調査(企業規模10人以上)で、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・視能訓練士(一般労働者、4職種の合算)の働き方を見ると、次のとおりです。

項目数値
平均年齢36.2歳
平均勤続年数8.4年
所定内実労働時間(月)157時間
超過実労働時間(月)5時間
きまって支給する現金給与額(月)30万9,900円
年間賞与その他特別給与額71万7,200円
年収換算(月給×12+賞与)約444万円

統計上の残業は月平均5時間と少なめです。ただし、これは記録された残業の平均であり、記録されない勤務外の記録や勉強会は含まれていない可能性がある点に注意が必要です。

年齢別に見る給与と勤続年数

年齢勤続年数超過実労働時間(月)年収換算
20〜24歳1.4年4時間約338万円
25〜29歳3.7年5時間約398万円
30〜34歳7.1年5時間約432万円
35〜39歳9.5年4時間約457万円
40〜44歳12.2年5時間約482万円
45〜49歳14.3年6時間約520万円

※令和7年賃金構造基本統計調査(4職種の合算)から算出した概算。

残業はどの年代でも月4〜6時間と大きな差はなく、辛さの中身は年代によって「量」より「質」が変わると考えられます。若手は技術への不安、中堅は役割の増加と給料の伸び悩み、ベテランは体力や管理業務が、辛さの中心になりやすい傾向があります。

理学療法士・作業療法士の仕事が辛いと言われる理由の実態

よく言われる理由実態
給料が安い年収換算は平均約444万円。若いうちは一定の水準だが、年齢による伸びはゆるやか(30〜34歳約432万円→40〜44歳約482万円)
残業が多い統計上は月平均5時間。ただし記録や勉強会が勤務外で行われる職場もあり、差が大きい
体力的にきつい移乗・歩行介助による腰痛のリスクがある。国の指針では全介助の人の抱え上げはリフト等を使い、原則として人力では行わないとされている
精神的にきつい患者さん・家族の感情に向き合う感情労働の側面がある。回復が見えにくい場面での無力感も
勉強が終わらない医療・介護の制度や技術が変わり続けるため、学び続ける必要がある
新人PT
新人PT

給料は「安い」というより「伸びにくい」んですね。

ベテランPT
ベテランPT

そのとおり。だから若いうちは不満を感じにくくても、30代・40代で「このままでいいのか」と悩む人が増えるんだ。早めにキャリアを考えておくことが大切だよ。

辛さを感じやすい人の傾向

  • 完璧主義:すべての患者さんで結果を出そうとして、自分を追い込みやすい
  • 一人で抱え込む:相談せずに判断や悩みを抱え、負担が大きくなる
  • 理想と現実の差が大きい:「もっと時間をかけたい」という思いと、単位や件数の制約の間で葛藤する
  • 職場とのミスマッチ:急性期が合う人、生活期が合う人など、適性と職場が合っていない
  • 仕事以外の逃げ場がない:休日も勉強や仕事のことで頭がいっぱいになる

これらは能力の問題ではなく、考え方の癖や環境との相性によるものです。気づくことが、辛さを軽くする第一歩になります。当てはまる項目があっても、自分を責める必要はありません。考え方や環境は少しずつ変えていけます。

長く続けている理学療法士・作業療法士に共通する工夫

  1. 自分に合う分野を見つける急性期・回復期・生活期・訪問など、いくつかの職場を経験して、自分が力を発揮できる分野を見つけています。
  2. 体を守る技術を持つ福祉用具の活用、ボディメカニクス、自分自身の運動習慣で、腰痛などを予防しています。
  3. 相談できる仲間がいる職場の内外に、悩みを話せる同僚や先輩を持っています。
  4. 小さな成果を大切にする大きな回復だけでなく、生活や表情の小さな変化に目を向けています。
  5. キャリアを計画する役職、専門性、働き方の変化など、数年先を見すえて行動しています。

辛さを減らす職場選びのポイント

  • 記録の時間が勤務時間内に確保されているか
  • リフトやスライディングボードなどの福祉用具がそろっているか
  • 新人教育や相談の仕組みがあるか
  • 単位・件数の目標が現実的か、実績を聞いて確認する
  • 有給休暇の取得の実績と、休む人をチームで補う仕組みがあるか

辛さの多くは職場の仕組みで左右されます。見学や面接で具体的に確認することが、入職後の後悔を防ぎます。遠慮せずに質問しましょう。

辛さの中にあるやりがい

場面やりがいの例
回復に立ち会う歩けなかった人が歩けるようになる、家に帰れる
生活を支える「自分でトイレに行けるようになった」「料理ができた」という喜び
家族を支える介護の負担が減り、家族の表情が明るくなる
専門性を発揮する評価と工夫で、ほかの職種では気づかない課題を解決する
人を育てる後輩や学生の成長に関わる
新人PT
新人PT

辛いことも多いけど、やっぱりこの仕事が好きです。

ベテランPT
ベテランPT

その気持ちが一番の支えになるよ。辛さを減らす工夫をしながら、やりがいを感じられる余裕を守っていこう。好きな気持ちを大切にね。

辛いと感じたときに最初にやる3つのこと

  1. 辛さを書き出す「何が・いつから・どのくらい」辛いのかを書き出します。原因がはっきりすると、対策を選べます。
  2. 一人に話す同僚、先輩、家族など、一人でいいので話を聞いてもらいます。話すことで気持ちが整理されます。
  3. 一つだけ変える記録の方法、休憩の取り方、担当の調整の相談など、変えられることを一つだけ選んで実行します。

辛さが限界に近いときのサイン

  • 眠れない、食欲がない状態が2週間以上続いている
  • 出勤前に体調が悪くなる
  • 患者さん・利用者さんに対していら立ちを抑えられない
  • 何をしても楽しいと感じられない
注意

こうしたサインがある場合は、我慢を続けず、医療機関や相談窓口に相談しましょう。厚生労働省の「こころの耳」では、働く人向けの相談窓口やセルフチェックを利用できます。

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よくある質問

理学療法士・作業療法士はやめとけと言われるのはなぜ?

年収の伸びがゆるやかなこと、体力や感情の負担があることなどが理由として挙げられます。ただし、統計上の残業は少なく、職場や分野によって働きやすさは大きく変わります。辛さの多くは、職場選びとキャリアの計画で軽くできます。

これから目指す人は、何を知っておくべきですか?

やりがいと同時に、年収の伸びのゆるやかさや、体力・感情の負担があることを知っておきましょう。そのうえで、どの分野で働きたいか、将来どんなキャリアを描くかを考えておくと、入職後のギャップが小さくなります。

辛いときに転職するのは逃げでしょうか?

逃げではありません。自分に合う環境を選ぶことは、長くこの仕事を続けるための前向きな選択です。ただし、辛さの原因を整理せずに転職すると同じ悩みを繰り返すことがあるため、原因を言葉にしてから動きましょう。

作業療法士と理学療法士で辛さに違いはありますか?

統計では4職種がまとめて集計されているため、職種別の公的なデータはありません。現場では、理学療法士は移乗や歩行介助など体の負担、作業療法士は専門性が周囲に伝わりにくいことへのもどかしさを挙げる人が多い傾向があります。

辛さを減らすために、まず職場に何を求めればいいですか?

記録の時間の確保、重い介助での福祉用具や応援の体制、相談できる面談の機会の3つは、多くの職場で比較的取り組みやすい改善です。具体的な事実を添えて提案すると、受け入れられやすくなります。

まとめ|理学療法士・作業療法士の辛さは実態を知れば対策できる

令和7年賃金構造基本統計調査では、理学療法士・作業療法士など4職種の残業は月平均5時間、年収換算は平均約444万円です。「辛い」と言われる理由の実態は、年収の伸びのゆるやかさ、介助による体の負担、感情労働、学び続ける必要性などにあります。自分に合う分野を見つけ、体を守る技術と相談できる仲間を持ち、キャリアを計画することで、辛さを軽くしながら長く続けることができます。

この記事のまとめ
  • 統計上の残業は月平均5時間、年収換算は約444万円
  • 給料は「安い」より「伸びにくい」のが実態
  • 体の負担は福祉用具の活用と抱え上げを避けることで減らせる
  • 完璧主義や抱え込み、職場とのミスマッチが辛さを大きくする
  • 自分に合う分野、仲間、キャリアの計画が長く続けるカギ
引用・出典(公的機関)

※2026年10月時点で確認した情報です。制度は改定されるため、算定・運用の際は最新の通知・Q&Aと指定権者(都道府県・市町村)の案内をご確認ください。

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