心臓リハビリテーション指導士とは?受験資格・メリット・難易度

当ページのリンクには広告が含まれています。

※本記事にはプロモーション(広告)が含まれています。

心臓リハビリテーション指導士(心リハ指導士)は、日本心臓リハビリテーション学会が認定する資格です。医師・看護師・理学療法士・作業療法士など多くの職種が受験でき、心疾患の患者に運動療法や生活指導を行うチームの一員としての知識を証明できます。

ただし、受験には学会員歴2年以上、心リハの実地経験1年以上、自験例10症例の報告書が必要で、準備に時間がかかります。この記事では、2026年度(第27回)の募集要項をもとにした受験資格・費用・試験の流れと、PT・OTが取るメリット、在宅での活かし方を解説します。

この記事でわかること
  • 心臓リハビリテーション指導士とはどんな資格か
  • 受験資格・申請書類・費用・試験日程(第27回)
  • 難易度と合格に向けた準備
  • PT・OTが取るメリットと、訪問リハでの活かし方
  • 取るべき人・見送ってよい人
  • 心臓リハビリテーションを学ぶおすすめの本
目次

心臓リハビリテーション指導士とは?

心臓リハビリテーション指導士は、心臓リハビリテーションに関わる職種の知識と技術を高め、その水準をそろえることを目的に、日本心臓リハビリテーション学会が認定している資格です。運動処方、運動中の病態生理、食事療法、心理面の支援など、包括的な心リハの知識が問われます。

資格は5年ごとの更新制です。さらに上位の資格として、医師向けの「心臓リハビリテーション認定医」、医師以外の職種向けの「心臓リハビリテーション上級指導士」があり、指導士資格を1回以上更新していることなどが受験の条件になっています。

新人PT
新人PT

心リハ指導士って、病院の心リハ室で働く人だけの資格ですか?

ベテランPT
ベテランPT

主な活躍の場は病院の心リハだけど、退院したあとの心不全の人は在宅にもたくさんいる。再入院を防ぐには、在宅での運動と生活の管理が大事だから、訪問リハでも知識は活かせるよ。

心臓リハビリテーション指導士の受験資格

第27回(2026年度)の募集要項では、次の条件をすべて満たす必要があります。

条件内容
職種医師、看護師、理学療法士、臨床検査技師、管理栄養士、薬剤師、臨床工学技士、臨床心理士、健康運動指導士、作業療法士、公認心理師のいずれか
学会員歴申し込み時の直近2年以上、継続して日本心臓リハビリテーション学会の会員であること(休会期間は数えない)
実地経験心臓リハビリテーション指導の実地経験1年以上、または学会の研修制度で受験資格認定証の交付を受けていること
推薦所属長(部門長)の推薦状(実地経験の証明を兼ねる。自薦は不可)
自験例自験例報告書10症例(所定様式にパソコンで入力)
注意

第27回を受けるには、2024年4月までに学会に入会している必要がありました。受験を考えているなら、まず入会して会員歴を積み始めることが第一歩です。言語聴覚士は職種の一覧に含まれていないため、受験の可否は学会に確認してください。

心リハの実地経験がない人のために、学会には研修制度があります。研修を受けて受験資格認定証の交付を受ければ、実地経験の代わりになります。

申請から合格までの流れと費用(第27回)

  1. 書類を郵送で申請する出願期間は2026年4月8日〜4月28日(必着)。表紙チェックリスト、申込書、推薦状、免許証の写し、自験例報告書、顔写真を送ります。
  2. 書類選考を受ける結果は6月中旬ごろに連絡されます。不備があると受験できず、自験例も審査されます。
  3. 受講料・審査料を払う書類選考を通過した人に請求が届きます。期日までに振り込まないと受験できません。
  4. 講習会を受ける2026年7月5日にオンラインで開催。第1部(運動生理学・運動処方・安全管理など)と第2部(病態生理・栄養学・臨床心理学)があります。
  5. 試験を受ける2026年7月20日、幕張メッセで現地のみ。マークシートの多肢選択式です。
費用金額
受講料 第1部+第2部10,000円(第1部のみ6,000円、第2部のみ4,000円)
審査料15,000円
そのほか学会の年会費、テキスト「心臓リハビリテーション必携」代、試験会場までの交通費

指定の運動処方講習会を受けて受講証明書の原本を提出すると、講習会の第1部が免除されます。また、不合格だった人は翌年の受験に限り、講習会なしで受験できます。

心臓リハビリテーション指導士の難易度

学会の公式サイトや募集要項では、合格率は公表されていません(2026年10月時点で確認できた範囲)。そのため、難易度は合格率ではなく、準備の大変さで考えるのが現実的です。

  • 受験までの準備が長い:学会員歴2年と実地経験1年が必要で、思い立ってすぐには受けられない
  • 自験例10症例の作成が大変:運動耐容能、運動処方、患者指導・教育の記載が不十分だと受験できない。他人の報告の使い回しは不正として扱われる
  • 出題範囲が広い:テキストとガイドラインが中心だが、病態、検査所見、薬物療法、時々のトピックスからも出題される

募集要項でも、テキストや直前の講習会だけではカバーされない問題も出ると注意されています。日本循環器学会などのガイドラインも読み込んでおきましょう。

新人PT
新人PT

自験例10症例って、心リハ室にいないと集めるのが難しそうです。

ベテランPT
ベテランPT

そうだね。だから、心リハを行っている施設で経験を積むか、学会の研修制度を使うのが基本だよ。自験例は、運動処方と患者教育をどう考えたかを自分の言葉で書くことが大事なんだ。

合格に向けた準備と勉強のしかた

募集要項では、運動中の病態生理・運動処方・食事療法は必ず出題されるとされています。また、心疾患の病態、検査所見の読み方、薬物療法も出題される可能性があります。リハ職は運動の分野が得意な一方、栄養や薬、検査の分野が手薄になりがちです。

時期の目安やること
受験の2年以上前学会に入会する。心リハの実地経験を積む(または研修制度を調べる)
受験の前年自験例にする症例を選び、運動耐容能・運動処方・患者教育の記録を残しておく
受験年の春まで自験例報告書10症例を仕上げ、認定医・上級指導士などの指導者に確認してもらう
書類選考〜試験テキストとガイドラインを読み込み、栄養・薬・検査など苦手分野を重点的に勉強する

自験例は、同じ施設・同じ症例でも、自分の視点で問題点を挙げて心リハを実施したことが書かれていれば認められます。逆に、ほかの人の報告をまねたことが明らかな場合は受験資格が与えられません。日ごろから自分の考えを記録に残しておくことが、一番の近道です。

PT・OTが心臓リハビリテーション指導士を取るメリット

  • 運動処方の根拠が持てる:心肺運動負荷試験の結果や心拍数から、安全な運動の強さを決められる
  • リスク管理の幅が広がる:心電図・血圧・自覚症状の変化から、運動を止めるべきサインに気づける
  • 多職種で話す共通言語ができる:医師・看護師・管理栄養士などと同じ枠組みで患者を考えられる
  • キャリアの選択肢が増える:循環器病院、心リハ施設、心不全の在宅支援など、専門性を活かせる職場を目指しやすい

一方で、資格手当は職場しだいで、筆者が確認した範囲では資格そのものが報酬の算定要件になっているわけではありません。「取れば給料が上がる」資格ではないことは理解しておきましょう。

訪問リハで心リハ指導士の知識を活かす

心不全は再入院をくり返しやすい病気です。退院後の生活で運動と体調管理を続けられるかが大切で、訪問リハはその場面に直接関われます。

在宅での場面活かせる知識
退院直後の心不全の利用者主治医の指示に沿った運動の強さの設定、自覚症状(ボルグスケール)の使い方
体重・むくみの増加心不全の悪化サインとして家族・看護師と共有し、早めに受診につなげる
入浴・階段・外出の練習動作の負担を考えた休憩の入れ方、息切れを減らす動き方
服薬・食事の管理塩分・水分制限の目的を理解し、管理栄養士や看護師と連携する

運動を中止する基準は、医師の指示と事業所のルールで決めておきます。リハビリ中の中止基準の考え方は、関連記事の「アンダーソン(土肥)の基準」でも解説しています。

取るべき人・見送ってよい人

取るべき人見送ってよい人
心リハを行う病院・クリニックで働いている心疾患の患者を担当する機会がほとんどない
心不全の利用者が多い訪問リハ・通所リハで働いている学会員歴や自験例を準備する時間がとれない
循環器領域でキャリアを積みたい収入アップが一番の目的

よくある質問

作業療法士も心臓リハビリテーション指導士を受験できますか?

受験できます。第27回の募集要項では、作業療法士も出願資格の職種に含まれています。

心リハの経験がないと受験できませんか?

実地経験1年以上が原則ですが、学会の研修制度を利用して受験資格認定証の交付を受ければ受験できます。研修の内容は学会のホームページで確認してください。

試験はオンラインで受けられますか?

第27回は、講習会はオンライン、試験は幕張メッセでの現地受験のみです。

健康運動指導士でも受験できますか?

受験できます。健康運動指導士は出願資格の職種に含まれています。ほかの条件(学会員歴2年以上、実地経験1年以上または研修制度の認定証、自験例10症例)も同じように必要です。

資格の有効期間は?

5年間です。更新には学会が定める単位の取得などが必要です。上級指導士を目指す場合は、指導士資格を1回以上更新していることが条件になります。

まとめ
  • 心臓リハビリテーション指導士は、包括的な心リハの知識を証明する学会認定資格
  • 受験には学会員歴2年以上・実地経験1年以上・自験例10症例が必要
  • 第27回は受講料10,000円+審査料15,000円、試験は7月に現地で実施
  • 合格率は公表されておらず、準備に年単位の時間がかかることが一番のハードル
  • 心不全の利用者が多い訪問リハでは、運動処方とリスク管理に直結する

心臓リハビリテーションを学ぶおすすめの本2選

試験の中心となる公式テキスト「心臓リハビリテーション必携」は、学会事務局などで販売されています。ここでは、それと合わせてリハ職の目線で心リハの評価と運動療法を学べる本を選びました。

① 改訂第2版 循環器リハビリテーションの理論と技術

循環器疾患の理学療法を、理論的な背景から評価・治療技術まで学べる本です。

おすすめの理由
  • 運動中の呼吸・循環の応答をどう評価し、運動処方を組み立てるかを理論から解説している
  • 退院後の疾患管理や日常生活の指導など、再発予防に向けた教育の内容も含む
  • 改訂第2版で、心エコーやPCIなどの循環器医療の進歩、禁煙指導や術後ケアの項目が加わった

② ビジュアル実践リハ 呼吸・心臓リハビリテーション 改訂第2版

カラー写真で、呼吸・循環の障害に対するリハの根拠と手技を確認できる本です。

おすすめの理由
  • 根拠がわかる「知識の整理」編と、手技が身につく「リハプログラム」編の2部構成
  • 心臓だけでなく呼吸のリハも学べるため、心不全とCOPDをあわせ持つ利用者にも役立つ
  • 写真が多く、実際の手技をイメージしやすい

採用・管理・運営指導など学びたい人向け

\リハウルフのおすすめのnoteはこちら/

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次