脳卒中のリハビリのおすすめ本5選|専門職向け・家族向けを紹介

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「脳卒中の利用者さんを担当することになったけれど、動作分析や自主トレーニングの指導に自信がない」「退院後の家族から、家でできるリハビリの本を聞かれた」——訪問リハビリや生活期のリハビリでは、脳卒中の利用者さんに関わる機会がとても多くあります。
脳卒中のリハビリの本は、「専門職が臨床力を高める本」と「患者さん・家族が自宅で取り組む本」に分けて選ぶのがポイントです。この記事では、脳卒中のリハビリでおすすめの本5冊を、出版社・発売年・ページ数・内容の特徴とあわせて紹介します。訪問リハビリでの自主トレーニング指導に本を生かす方法や、家族にすすめるときの注意点もまとめました。
- 脳卒中のリハビリの本を選ぶときの考え方(専門職向け・家族向け)
- おすすめ5冊の出版社・発売年・ページ数の比較
- 動作分析・症例・自主トレーニングなど、各書籍の特徴
- 訪問リハビリで本を自主トレーニング指導に生かす方法
- 患者さん・家族に本をすすめるときの注意点
脳卒中のリハビリの本は「誰が読むか」で選ぶ
脳卒中のリハビリの本には、セラピストが評価や治療の考え方を深めるための専門書と、患者さんや家族が自宅で取り組むための一般向けの本があります。同じ「脳卒中のリハビリ」でも、読者によって必要な情報がまったく違うため、まずは誰が読むのかをはっきりさせましょう。
| 読む人 | 求める内容 | この記事で紹介する本 |
|---|---|---|
| PT・OT・ST(専門職) | 動作分析・臨床推論、脳画像と症状の照らし合わせ、自主トレーニングの指導方法 | 脳卒中の動作分析/症例で学ぶ脳卒中のリハ戦略/脳卒中の機能回復 |
| 患者さん・家族 | 自宅でできる手や腕の訓練、介助者目線のわかりやすい図解 | 腕が上がる 指が動く 脳卒中によるマヒのためのリハビリテーション・ハンドブック/やさしい図解「川平法」 |

生活期の利用者さんが多いので、どの本が訪問リハに合うのか迷います。

訪問リハなら「動作を見立てる力」と「自主トレを続けてもらう工夫」の両方が大切だね。専門書で見立ての力をつけて、家族向けの本は自主トレ指導の参考にする、という使い分けがおすすめだよ。
脳卒中のリハビリのおすすめ本5冊の比較一覧
出版社・発売日・ページ数は、2026年10月時点でAmazonの商品ページに掲載されている情報です。
| 書名 | 出版社 | 発売 | ページ数 | 主な読者 |
|---|---|---|---|---|
| 脳卒中の機能回復(動画で学ぶ自主トレーニング) | 医学書院 | 2023年 | 312 | 専門職(家族も参考に) |
| 脳卒中の動作分析:臨床推論から治療アプローチまで | 医学書院 | 2018年 | 255 | 専門職 |
| 症例で学ぶ脳卒中のリハ戦略[Web動画付] | 医学書院 | 2018年 | 224 | 専門職 |
| 腕が上がる 指が動く 脳卒中によるマヒのためのリハビリテーション・ハンドブック | 講談社 | 2024年 | 100 | 患者さん・家族 |
| やさしい図解「川平法」:家庭でできる脳卒中片マヒのリハビリ | 小学館 | 2012年 | 100 | 患者さん・家族 |
【専門職向け】脳卒中のリハビリの臨床力を高める本
脳卒中の動作分析:臨床推論から治療アプローチまで(医学書院)
脳卒中の動作分析に苦手意識をもつ療法士に向けた本です。寝返り・起き上がり、立ち上がり・着座、上肢のリーチ、手、歩行の各動作について、動作の理解と動作どうしの関係を、解剖学・運動学と神経学の両面からエビデンスを軸に解説しています。実際の症例に対する臨床推論と介入のアイデアも示されており、付録には「ハンドリングの10ポイント」などもあります。
訪問リハビリでは、限られた時間と生活の場の中で動作を見立てる必要があります。「なぜこの動作でつまずくのか」を説明できる力をつけたい人におすすめです。
症例で学ぶ脳卒中のリハ戦略[Web動画付](医学書院)
千里リハビリテーション病院で行われた脳卒中のリハビリを、脳画像と実際の臨床の写真・動画を交えて振り返る実践書です。患者さんの脳画像から障害像を想定し、実際の臨床像とすり合わせて、効果的なリハビリを組み立てる流れを、症例を追体験するように学べます。
重度の意識障害、半側空間無視、易怒性、装具の判断、発症から1年以上たった重度片麻痺など、さまざまな症例が取り上げられています。回復期の症例が中心ですが、生活期の利用者さんの経過を理解するうえでも役立ちます。
脳卒中の機能回復(動画で学ぶ自主トレーニング)(医学書院)
著者が運営する施設が制作した30時間に及ぶYouTube動画と連携し、療法士が患者さんに合わせた自主トレーニングを提供・説明・指導するための手引き書です。脳卒中の基礎知識、FMA・Brs・Mini-BESTest・MASなどの評価、上肢・下肢・体幹・嚥下の自主トレーニング、家族もできる自主トレーニング、生活のアイデアまで収録されています。
訪問のない日にも続けられる自主トレーニングを、動画で見せながら指導できるのが大きな特徴です。今回紹介する5冊の中では講談社の本に次いで新しく(2023年)、訪問リハビリとの相性がよい1冊です。
専門書は、担当している利用者さんの動作や症状と照らし合わせながら読むと、理解が深まります。「この利用者さんなら、どの章が当てはまるか」を考えながら読み進めましょう。
【患者さん・家族向け】自宅で取り組める脳卒中のリハビリの本
腕が上がる 指が動く 脳卒中によるマヒのためのリハビリテーション・ハンドブック(講談社)
講談社の「健康ライブラリー」シリーズの1冊で、脳卒中の後遺症である上肢(腕や手)のマヒに向けた本です。入院中は日常生活の訓練が中心になり、退院後にマヒ側の手を使う機会が減ってしまう人が多いという問題意識から、自宅で取り組む訓練法を紹介しています。
肩まわりの運動から始め、支える力、腕と手のなめらかな動き、日常生活でのチャレンジへと段階的に進める構成で、回復を促す治療法についての章もあります。イラストが多く、患者さんや家族が読みやすい1冊です。
やさしい図解「川平法」:家庭でできる脳卒中片マヒのリハビリ(小学館)
鹿児島大学の川平和美教授が提唱した促通反復療法「川平法」を、腕と手を中心に、介助者の目線から図解した本です。肩・腕・手を中心に20種類のトレーニングを紹介し、日常生活の動作を目標に組み合わせたプログラムも掲載されています。
家族が介助しながら取り組む形の本のため、訪問リハビリのセラピストが家族に介助のしかたを伝えるときの参考にもなります。
患者さんや家族向けの本でも、痛みが強いとき、関節に負担がかかる動かし方、体調が悪いときの実施は避ける必要があります。自宅で取り組む前に、担当のセラピストや主治医に、内容や回数が今の状態に合っているかを確認してもらいましょう。
訪問リハビリで本を自主トレーニング指導に生かす方法
訪問リハビリは週1〜2回のことが多く、訪問のない日にどれだけ体を動かせるかが、生活機能の維持・向上に大きく影響します。本や動画は、訪問のない日の自主トレーニングを支える道具として活用できます。
- 評価に合わせて運動を選ぶ本に載っている運動の中から、利用者さんのマヒの程度や生活の目標に合うものを選びます。全部を渡すのではなく、2〜3種類に絞るのがコツです。
- 訪問中に一緒にやってみる実際にやってもらい、姿勢・回数・痛みの有無を確認します。家族が介助する場合は、家族にも練習してもらいます。
- 紙や動画で手順を残す本のページを示したり、手順を紙にまとめたりして、訪問のない日も迷わず取り組めるようにします。
- 次の訪問で振り返るできた日数や困ったことを聞き取り、内容や量を調整します。続けられないときは、生活の流れの中に組み込む工夫を一緒に考えます。

自主トレの紙を渡しても、続かない利用者さんが多いんです。

「何のためにやるのか」が伝わっていないと続かないことが多いね。「お箸で食事をするため」「一人でトイレに行くため」など、本人の目標と運動を結びつけて伝えると、続けてもらいやすくなるよ。
家族に本をすすめるときに伝えたいこと
- 本の運動をすべてやる必要はなく、セラピストが選んだものから始めること
- 痛みや疲れが出たら中止し、次の訪問で相談すること
- 「頑張らせすぎない」こと。本人の意欲や体調を優先すること
- 介助のしかたに不安があるときは、訪問のときに一緒に練習すること
よくある質問
脳卒中のリハビリの本は、まず何から読めばよいですか?
専門職なら、動作の見立ての土台になる「脳卒中の動作分析」から読むのがおすすめです。自主トレーニングの指導に力を入れたい場合は、動画と連携した「脳卒中の機能回復」が役立ちます。
患者さんや家族向けの本を、専門職が読む意味はありますか?
あります。一般向けの本は、専門用語を使わずに運動や介助を説明しているため、利用者さんや家族への伝え方の参考になります。自主トレーニングの紙をつくるときにも役立ちます。
川平法の本を読めば、家族だけで同じ訓練ができますか?
本は介助者の目線で図解されていますが、利用者さんの状態によって合う・合わないがあります。自宅で取り組む前に、担当のセラピストや主治医に確認し、やり方を一緒に練習してから始めましょう。
発症から時間がたった利用者さんにも役立ちますか?
紹介した本には、発症から1年以上たった症例や、退院後の自宅での訓練を扱った内容も含まれています。回復の見通しは一人ひとり違うため、評価にもとづいて目標を立て、無理のない範囲で取り組むことが大切です。
まとめ|脳卒中のリハビリの本は目的と読者に合わせて選ぼう
脳卒中のリハビリの本は、専門職が臨床力を高める本と、患者さん・家族が自宅で取り組む本に分けて選ぶのがポイントです。専門書で動作を見立てる力をつけ、一般向けの本や動画は自主トレーニング指導や家族への説明に生かしましょう。自宅で取り組むときは、担当のセラピストや主治医に内容を確認してもらうことも忘れないでください。
- 脳卒中のリハビリの本は「専門職向け」と「患者さん・家族向け」に分けて選ぶ
- 動作分析の本で、動作を見立てる力の土台をつくる
- 症例と脳画像の本で、障害像の理解を深める
- 動画と連携した本は、訪問のない日の自主トレーニング指導に役立つ
- 家族向けの本は、取り組む前にセラピストや主治医に確認してもらう

