理学療法士の年収は低い?統計で見る原因と収入を上げる方法

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「理学療法士は年収が低いと聞くけれど、実際はどうなの?」「同年代の友人と比べて、給料が少ない気がする」——理学療法士として働く中で、こうした不安を感じる人は少なくありません。ただ、「低い」と感じる理由を正しく知らないまま転職や副業に動くと、かえって遠回りになることもあります。

この記事では、厚生労働省の「令和7年賃金構造基本統計調査」をもとに、理学療法士の年収をほかの医療職と比べながら、年収が低いといわれる原因を整理します。そのうえで、将来に向けて収入を上げるための現実的な方法を、理学療法士の目線で解説します。

この記事でわかること
  • 公的統計からみる理学療法士の年収の目安
  • 看護師や薬剤師など、ほかの医療職との比較
  • 理学療法士の年収が低いといわれる4つの原因
  • 将来に向けて収入を上げる5つの方法
目次

理学療法士の年収は低い?公的統計でみる目安

賃金構造基本統計調査では、理学療法士は「理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,視能訓練士」としてまとめて集計されています。令和7年の調査(企業規模10人以上、男女計)では、次のとおりです。

項目数値
平均年齢36.2歳
きまって支給する現金給与額(月額)30万9,900円
年間賞与その他特別給与額71万7,200円
年収の試算(月額×12+賞与)約444万円

なお、国税庁の「令和6年分 民間給与実態統計調査」では、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は478万円でした。調査の方法や対象が違うため単純には比べられませんが、リハビリ職の平均は、世の中全体の平均と比べて同じかやや低い水準といえそうです。

年齢・職場の規模でみる理学療法士の年収

「年収が低い」と感じるかどうかは、年齢や働いている職場によっても変わります。同じ調査から、年齢別・企業規模別の年収を試算すると次のとおりです。

年齢企業規模計1,000人以上10〜99人
20〜24歳約338万円約340万円約342万円
30〜34歳約431万円約466万円約433万円
40〜44歳約482万円約511万円約463万円
50〜54歳約549万円約605万円約467万円

20代前半では職場の規模による差はほとんどありませんが、年齢が上がるにつれて、大きな組織と小さな組織の差が広がることがわかります。50〜54歳では、1,000人以上と10〜99人で140万円近い差になります。主な違いは賞与で、小規模な職場ほど賞与が少ない傾向があります。

つまり、若いうちは「どこで働いても大きく変わらない」ように見えても、長く働くほど職場選びの影響が大きくなるということです。将来の年収を考えるなら、昇給のしくみや賞与の実績を早めに確認しておきましょう。

ほかの医療職と年収を比べると?

同じ令和7年の賃金構造基本統計調査で、ほかの医療職と比べてみます(年収は月額×12+賞与で試算した概算)。

職種平均年齢年収の試算
薬剤師40.1歳約567万円
診療放射線技師41.1歳約557万円
看護師42.1歳約525万円
臨床検査技師40.2歳約482万円
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・視能訓練士36.2歳約444万円
介護職員(医療・福祉施設等)45.3歳約388万円

医療職の中では、リハビリ職の年収は低めです。ただし、リハビリ職は平均年齢が36.2歳と、ほかの職種より4〜6歳ほど若い点に注意が必要です。比較的新しい職種で若い人が多いことも、平均年収が低く出る理由の一つと考えられます。ちなみに同じ調査で、リハビリ職の40〜44歳は約482万円です。

新人PT
新人PT

平均年齢が若いから低く見える、という面もあるんですね。

ベテランPT
ベテランPT

そうなんだ。ただ、年齢をそろえても看護師などより低めなのは事実だから、原因をきちんと理解しておくことが大切だよ。

理学療法士の年収が低いといわれる4つの原因

1. 報酬が公定価格で決まる

病院や介護事業所のリハビリは、診療報酬や介護報酬で単価が決まっています。事業所が自由に料金を上げられないため、給料の原資が増えにくいしくみになっています。

2. 1人あたりの売上に上限がある

リハビリは理学療法士が1対1で行うことが多く、1日に提供できる時間や件数には限りがあります。どれだけ頑張っても売上が大きく伸びにくいため、給料にも上限ができやすくなります。

3. 有資格者が増えている

養成校の増加によって、理学療法士の数は年々増えています。地域や職場によっては採用で困らないため、給料を上げてまで人を集める必要が小さい場合もあります。

4. 役職のポストが少ない

リハビリ部門の管理職の数は限られているため、昇進の機会が少なく、役職に就けないと給料が伸びにくいという問題があります。勤続年数による昇給の幅も、職場によってはわずかです。

将来に向けて収入を上げる5つの方法

1. 給与水準の高い職場に転職する

同じ理学療法士でも、職場によって年収には差があります。訪問リハビリでは訪問件数に応じた手当を設けている事業所もあり、病院より年収が高くなる場合があります。訪問リハビリの年収についてはこちらの記事でも解説しています。転職を考えるときは、月給だけでなく賞与・手当・退職金まで含めて比べることが大切です。

2. 役職を目指せる職場を選ぶ

役職手当は、年収を上げる確実な方法の一つです。事業所の規模が拡大している職場や、管理職の世代交代が近い職場では、役職に就くチャンスが広がります。面接で、キャリアの道筋や評価のしくみを確認しておきましょう。

3. 専門性や資格で評価を高める

ケアマネジャーや呼吸療法認定士などの資格、特定の分野の専門性は、資格手当や役割の拡大につながることがあります。どの資格を選ぶかは理学療法士が取るべき資格の記事を参考にしてください。

4. 副業で収入源を増やす

休日の非常勤勤務や講師、情報発信など、理学療法士の知識を生かした副業もあります。ただし、公務員は法律で副業が制限され、民間の職場でも就業規則で禁止・許可制にしている場合があるため、事前の確認が欠かせません。副業についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。

5. NISAなどで資産形成を進める

給料を増やすだけでなく、お金を育てる視点も大切です。2024年から始まった新しいNISAは、つみたて投資枠が年間120万円、成長投資枠が年間240万円、生涯の非課税保有限度額が1,800万円とされています(金融庁)。投資には元本割れのリスクがあるため、生活費の確保を優先し、長期・分散を意識して取り組みましょう。

新人PT
新人PT

転職、資格、副業、投資……どれから始めればいいか迷います。

ベテランPT
ベテランPT

まずは今の職場で昇給や役職の見込みがあるか確認するのが先だね。そのうえで、すぐ始められる資産形成と、時間のかかる転職や資格を並行して考えるといいよ。

年収アップを考えるときの注意点

見落としやすいポイント
  • 平均と比べすぎない:統計の平均は年齢・地域・職場の規模で大きく変わる
  • 手取りで考える:年収が上がっても、税金や社会保険料で手取りの増え方は小さくなる
  • 働き方の負担:件数に応じた給与では、移動や体調不良による収入の変動もある
  • 長期的な視点:転職をくり返すと退職金が少なくなりやすい

年収は大切ですが、続けられる働き方であることも同じくらい大切です。体力や家庭の状況も含めて、自分に合った方法を選びましょう。

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理学療法士の年収でよくある質問

理学療法士の平均年収はいくらですか?
令和7年賃金構造基本統計調査の「理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,視能訓練士」(企業規模10人以上、男女計)では、月額と賞与から試算すると約444万円です。平均年齢は36.2歳です。
理学療法士で年収600万円以上は可能ですか?
同じ調査では、企業規模1,000人以上の45〜49歳で約601万円という試算になります。役職に就く、給与水準の高い職場を選ぶ、副業を組み合わせるなどの方法で目指せる水準です。
病院と介護施設ではどちらが年収が高いですか?
賃金構造基本統計調査では、病院・介護施設といった勤務先の種類別の理学療法士の年収は示されていません。同じ種類の職場でも法人によって差が大きいため、求人票や面接で、賞与の実績や昇給のしくみを個別に確認するのが確実です。
理学療法士の初任給はどのくらいですか?
同じ調査で、20〜24歳のリハビリ職の月額(きまって支給する現金給与額)は25万3,900円です。残業代などの手当を含む平均なので、基本給だけの初任給はこれより低くなるのが一般的です。求人票では基本給と手当を分けて確認しましょう。
理学療法士の給料は今後上がりますか?
リハビリ職の給料は診療報酬・介護報酬の改定の影響を受けるため、将来の見通しは確かではありません。制度の動向に左右されにくいように、自分でできるキャリアの選択や資産形成を進めておくことが大切です。
まとめ
  • 令和7年賃金構造基本統計調査では、リハビリ職の年収は約444万円(試算、平均年齢36.2歳)
  • 医療職の中では低めだが、平均年齢が若いことも影響している
  • 報酬が公定価格で決まり、1人あたりの売上に上限があることが主な原因
  • 収入を上げる方法は、転職・役職・専門性・副業・資産形成の5つ
  • 平均と比べすぎず、続けられる働き方とのバランスで判断する

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