将来安定?理学療法士の公務員のメリットとデメリットを紹介!

理学療法士として働く際、「公務員」としての道を選ぶか、それとも「民間」でキャリアを築くかは、多くの人が悩むポイントです。
公務員理学療法士は、病院やリハビリテーションセンター、介護施設、特別支援学校、地方自治体などで働くことが多く、安定した雇用環境が魅力とされています。
しかし、公務員ならではの制約やデメリットも存在します。
本記事では、理学療法士が公務員になるメリット・デメリットを詳しく解説し、どのようなキャリアを選択するのが最適なのかを考えていきます。
将来の安定を求めるなら公務員、より高収入や自由を求めるなら別の道を選ぶべきなのか、判断材料としてぜひ参考にしてください。
理学療法士の公務員のメリット
理学療法士が公務員になるメリットは下記のようなものがあります。
福利厚生や退職金が充実している
公務員の大きな魅力の一つが、福利厚生の充実度です。健康保険や厚生年金だけでなく、住宅手当や扶養手当、通勤手当など、多くの手当が支給されることが一般的です。また、長期にわたる雇用を前提としているため、定年まで安定して働ける環境が整っています。特に、退職金の制度は民間企業と比べて手厚いケースが多く、公務員として定年まで勤め上げれば、老後の生活も安心できる点は大きなメリットです。さらに、公務員の共済組合制度を利用することで、医療費の補助やローンの低金利制度を利用できることもあります。これらの点を考えると、公務員理学療法士は安定した生活を送りやすい職業と言えるでしょう。
収入が安定しており昇給も一定額ある
公務員の理学療法士は、給与体系が国家公務員や地方公務員の給与規定に基づいて決まるため、収入が非常に安定しています。景気の影響を受けにくく、不況の際に給与が減る心配が少ないのが特徴です。さらに、毎年一定額の昇給があり、年齢や経験を積むごとに確実に給与が増えていく点も魅力です。民間企業では、業績によって昇給がない場合や、ボーナスが大きく変動することもありますが、公務員の給与は一定のルールに従って支給されるため、計画的に生活設計を立てやすくなります。特に、長く勤めることで安定した収入を得たいと考える人にとっては、大きなメリットとなるでしょう。
休みが多く家庭との両立ができる
公務員は、年間の休日日数がしっかりと確保されており、育児や家族との時間を大切にしたい人にとって魅力的な働き方です。民間の病院やリハビリ施設では、シフト勤務が多く、休日が不規則になりがちですが、公務員は基本的に土日祝日が休みであることが多く、年末年始や夏季休暇も確保されているケースがほとんどです。また、有給休暇の取得率も高く、産休・育休の制度も整っているため、ライフイベントに応じた働き方がしやすいのも特徴です。特に、子育て中の理学療法士にとっては、仕事と家庭のバランスを取りながら働き続けられる環境が整っていることは大きなメリットと言えるでしょう。
研修体制や教育などが整っているところが多い
公務員の理学療法士は、研修制度や教育体制が整っている職場が多いのも魅力です。特に、自治体が運営する病院や施設では、職員のスキルアップのための研修が定期的に実施され、最新のリハビリ技術や知識を学ぶ機会が豊富にあります。また、資格取得支援制度がある自治体も多く、働きながら専門資格の取得を目指すことも可能です。さらに、研修への参加が昇給や昇進に反映されるケースもあり、キャリアアップを図りやすい環境が整っています。こうした教育制度の充実は、理学療法士としてのスキル向上だけでなく、将来のキャリア形成にも大きく影響を与えるポイントとなるでしょう。
理学療法士の公務員のデメリット
一方で公務員の理学療法士のデメリットは下記のようなものがあります。
副業ができない
公務員には「副業禁止規定」があり、基本的に本業以外の仕事をすることが許されていません。これは、公務員が国民の税金によって給与を受け取る立場であるため、公務以外の活動によって利益を得ることが公平性を損なうとされるためです。そのため、民間の理学療法士のように休日や空いた時間を利用して別の施設で働いたり、個人でリハビリに関するサービスを提供したりすることはできません。
さらに、近年ではインターネットを活用した収入源、例えばYouTubeでの情報発信やブログ運営、オンライン講座の販売なども広がっていますが、これらも公務員の副業規制に抵触する可能性があります。例えば、「リハビリに関する情報を発信して広告収入を得る」「セミナーを開催して講演料を受け取る」などの行為も、事前に許可を取らなければ違反とみなされるケースがあります。そのため、将来的に独立を考えている人や、自分の知識や経験を活かして副収入を得たいと考えている人にとっては、大きなデメリットとなるでしょう。
ただし、一定の条件を満たせば「資産運用」や「不動産収入」は許可される場合もあります。例えば、株式投資や投資信託、賃貸経営などが挙げられますが、これも厳格なルールがあるため、自由に収入を増やせるわけではありません。理学療法士としてのスキルを活かして副収入を得ることができない点は、公務員ならではの大きな制約といえます。
年収1000万円などの大幅な年収UPを望めない
公務員の給与は安定しているものの、昇給幅が限られているため、大幅な年収アップを期待するのは難しいのが現実です。公務員の給与は基本的に「給与表」に基づいて決まっており、年齢や勤続年数に応じて少しずつ上昇する仕組みになっています。そのため、民間のように「成果を出せば一気に昇給する」ということはなく、年功序列的な昇給が基本となります。
例えば、理学療法士として公務員の道を選んだ場合、初任給は民間とあまり変わらないことが多いですが、その後の昇給ペースが緩やかです。民間の病院やリハビリ施設では、役職に就いたり、経営側に回ることで大幅な年収アップを実現できる可能性がありますが、公務員の場合、管理職になっても給与の上昇幅は一定の範囲に限られます。特に、年収1000万円以上を目指す場合、公務員として働き続けるだけではほぼ不可能といえます。
また、ボーナスも安定しているとはいえ、民間のように「業績が良かったから大幅に増額」といったケースはありません。逆に、国や自治体の財政状況が悪化するとボーナスが減額される可能性もあります。こうした点を踏まえると、「高収入を目指す」という観点では公務員の理学療法士は不向きといえるでしょう。
色々と厳しく、柔軟な対応が無い場合がある
公務員の仕事は「公平性」と「ルール遵守」が求められるため、業務の柔軟性が低いことがデメリットの一つとして挙げられます。理学療法士として働く場合も、民間の施設であれば患者一人ひとりの状況に応じて柔軟に対応できることが多いですが、公務員の施設では細かいルールや規則に縛られることが少なくありません。
例えば、新しいリハビリ技術や治療法を導入しようとする際、民間の病院やクリニックであれば比較的スピーディーに導入できるのに対し、公務員の施設では上層部の承認を得るために多くの書類手続きが必要になり、時間がかかることがあります。また、自治体の運営する病院やリハビリ施設では、行政の方針に従わなければならないため、現場の意見が反映されにくいこともあります。
さらに、労働環境や働き方の柔軟性も低い傾向にあります。例えば、勤務時間の変更や時短勤務の調整、テレワークの導入なども、民間と比べるとハードルが高いことが多いです。このように、公務員の理学療法士は「安定はしているが、自由度が低い」という特徴があり、柔軟な働き方を求める人には向いていないかもしれません。
年功序列、縦割り組織文化がある
公務員の組織は、基本的に年功序列の文化が強く、縦割りの構造になっていることが多いです。これは、公務員の給与体系や昇進システムが「勤続年数」を重視する仕組みになっているためです。若手のうちはどれだけ努力しても大きな昇給は見込めず、昇進のスピードも決まったルートに従うことが一般的です。
例えば、民間の病院やリハビリ施設では、実績を積めば30代でも管理職になれるケースがありますが、公務員の世界では昇進の順番が決まっていることが多く、どれだけ優秀でも若いうちに重要なポストに就くのは難しい場合があります。また、自治体や行政機関が運営する病院では、医師や看護師との上下関係が明確に分かれており、理学療法士の意見が通りにくいこともあります。
また、縦割りの組織文化が強いため、他の職種との連携がスムーズにいかないこともあります。例えば、新しいリハビリプログラムを導入しようとしても、医師や行政の判断が優先され、理学療法士の意見が反映されにくいことがあります。こうした環境は、自由な発想や新しい取り組みをしたいと考える人にとっては、大きなストレスになる可能性があります。
安定を目指すなら公務員!勝ち組を目指すなら別の道に
公務員の理学療法士は、安定した給与や充実した福利厚生、確実な昇給などのメリットがあり、長く働くことを前提とするなら魅力的な選択肢です。
一方で、副業禁止や昇給の限界、組織の硬直性などのデメリットもあるため、自由な働き方や高収入を目指す人には向いていません。
「安定した環境でじっくり働きたいのか」「より高収入や自由なキャリアを追求したいのか」――この選択によって、理学療法士のキャリアの方向性は大きく変わります。
公務員の理学療法士として働くことを考えている人は、自分の価値観やライフプランをよく考え、最適な選択をすることが重要です。