公務員理学療法士の退職金はいくら?平均額と計算の仕組み

「公務員の理学療法士は退職金が多いって本当?」「途中で辞めたらどのくらい減るの?」——公務員を選ぶ理由として、退職金の安定性を挙げる人は多くいます。一方で、具体的な金額や計算の仕組みまで知っている人は多くありません。
この記事では、総務省の調査による地方公務員の定年退職者の退職手当の平均額と、退職手当の計算の仕組みを解説します。自己都合退職との違い、定年引上げの影響、税金の考え方、民間との比べ方もまとめました。
- 地方公務員の退職手当の平均額(総務省の調査)
- 退職手当の計算の仕組み(基本額と調整額)
- 自己都合退職と定年退職の違い
- 定年引上げと60歳以降の働き方の影響
- 退職金にかかる税金と、民間との比べ方
※本記事にはプロモーション(広告)が含まれています。
公務員理学療法士の退職金の平均額
公務員の理学療法士の多くは、自治体が運営する病院や施設、市町村の部署で働く地方公務員です。総務省の「令和7年地方公務員給与の実態」では、令和6年度中に退職した地方公務員の退職手当(1人あたり平均)は次のとおりです。
| 区分 | 全職員 | 一般職員 |
|---|---|---|
| 25年以上勤続後の定年退職 | 約2,204万円 | 約2,142万円 |
| 11年以上25年未満勤続後の定年退職 | 約1,063万円 | 約1,095万円 |
※全地方公共団体の平均。職種別(理学療法士だけ)の数字は公表されていません。万円未満は四捨五入。
長く勤めて定年を迎えた場合、退職手当は2,000万円を超える水準が平均です。ただし、勤続年数や最終の給料、退職の理由によって大きく変わります。

2,000万円以上ももらえるんですね。

長く勤めて定年まで働いた場合の平均だね。勤続年数が短かったり、自己都合で辞めたりすると、ずっと少なくなる。仕組みを知っておくことが大事だよ。
公務員の退職金(退職手当)の計算の仕組み
地方公務員の退職手当は、各自治体の条例で定められています。多くの自治体は、国家公務員退職手当法に準じた仕組みをとっています。
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 基本額 | 退職日の給料月額 × 退職の理由と勤続年数に応じた支給率 |
| 調整額 | 在職中の職位(役職の区分)などに応じて加算される額 |
| 退職手当 | 基本額 + 調整額 |
つまり、勤続年数が長いほど、退職時の給料が高いほど、役職が高いほど退職手当は多くなります。同じ自治体でも、どの給料表が適用されるか、どこまで昇格したかで金額に差が出ます。
自己都合退職と定年退職の違い
支給率は、退職の理由によって異なります。一般に、自己都合退職は定年退職より支給率が低く設定されており、特に勤続年数が短いうちは大きな差があります。
| 退職の理由 | 支給率の傾向 |
|---|---|
| 定年退職・勧奨退職など | 高い |
| 自己都合退職 | 低い(勤続年数が短いほど差が大きい) |
| 懲戒免職など | 支給されない、または制限される |
民間への転職などで途中退職する場合、定年まで勤めた場合と比べて退職手当は大きく減ります。転職を考えるときは、所属する自治体の条例で支給率を確認し、試算しておきましょう。
定年引上げと60歳以降の働き方
地方公務員の定年は、令和5年度から2年ごとに1歳ずつ引き上げられ、最終的に65歳になります。60歳を超えた職員の給料は、原則として60歳時点の7割程度に設定されます。
- 60歳以降も働き続けると、勤続年数が延びる
- 60歳以降に定年前に退職した場合でも、定年退職と同じ扱いで退職手当を計算する仕組みがある
- 給料が下がっても、退職手当の計算で不利にならないよう配慮されている
具体的な取り扱いは自治体の条例によるため、所属の人事担当に確認しましょう。再任用制度との違いも、あわせて確認しておくと安心です。
退職金にかかる税金
退職金は「退職所得」として、ほかの所得と分けて課税されます。退職所得控除額は勤続年数に応じて決まり、控除後の金額の2分の1が課税の対象です(勤続5年以下の役員等などは例外あり)。
| 勤続年数 | 退職所得控除額 |
|---|---|
| 20年以下 | 40万円 × 勤続年数(80万円に満たない場合は80万円) |
| 20年超 | 800万円 + 70万円 ×(勤続年数 − 20年) |
たとえば勤続38年なら、控除額は800万円+70万円×18年=2,060万円です。退職手当が2,142万円なら、課税対象は(2,142万円−2,060万円)×1/2=41万円となり、税負担は大きくありません(概算)。「退職所得の受給に関する申告書」を提出していれば、源泉徴収で課税が完了します。
退職金とあわせて知っておきたい年金の仕組み
公務員の老後の収入は、退職手当だけではありません。
| 制度 | 内容 |
|---|---|
| 厚生年金 | 平成27年10月から、公務員も会社員と同じ厚生年金に加入(被用者年金の一元化) |
| 年金払い退職給付 | 一元化にあわせて設けられた、公務員独自の積立方式の上乗せ給付 |
| 退職手当 | 退職時に一時金として支給 |
民間と比べるときは、退職金だけでなく、企業年金や確定拠出年金など上乗せの制度も含めて比べると、より正確に判断できます。
途中で転職を考えるときの試算の手順
- 条例を確認する所属する自治体の退職手当条例で、自己都合退職の支給率を確認します。
- 今辞めた場合の額を出す現在の給料月額×自己都合の支給率で、おおよその基本額を計算します。
- 定年まで勤めた場合と比べる定年時の給料と支給率の見込みで計算し、差額を把握します。
- 転職先の条件と比べる転職先の年収の上乗せ分と退職金制度で、差額を取り戻せるかを試算します。

若いうちに転職すると、退職金の差はどのくらいになりますか?

勤続年数が短いうちは、そもそも退職手当の額が小さいから、差もそれほど大きくないことが多いんだ。逆に勤続20年を超えてからの転職は、差が大きくなりやすい。タイミングも大事な判断材料だね。
民間の理学療法士との退職金の比べ方
| 比較項目 | 公務員 | 民間 |
|---|---|---|
| 制度の有無 | 条例で定められている | 法人による。制度がない職場もある |
| 計算方法 | 給料月額×支給率+調整額 | 基本給連動、ポイント制、確定拠出年金など様々 |
| 安定性 | 高い | 法人の経営状況に左右される |
| 途中退職 | 自己都合は支給率が下がる | 勤続年数の条件や減額の規定がある |
民間の求人では、「退職金制度あり」と書かれていても、勤続3年以上などの条件や計算方法が職場ごとに違います。比べるときは、同じ勤続年数で受け取れる金額を試算しましょう。
退職金を受け取る前後の注意点
- 「退職所得の受給に関する申告書」を提出したか確認する(未提出だと一律の税率で源泉徴収される)
- 住宅ローンの繰上げ返済など、大きな使いみちは家計全体の計画を立ててから決める
- 金融機関から勧められる商品は、すぐに決めずに内容とリスクを確認する
- 再任用や再就職を予定している場合は、収入の見通しとあわせて使い方を考える
- 健康保険の切り替え(任意継続・国民健康保険・家族の扶養)を確認する
退職金は、多くの人にとって人生で最も大きな一時金です。受け取ってから慌てないよう、数年前から準備しておきましょう。家族とも共有しておくと安心です。
\ 訪問リハの求人を探すなら /
PT・OT・ST専門の転職支援サービス「レバウェルリハビリ」
- リハビリ職に特化した求人紹介サービス
- 訪問リハ・通所リハなど在宅領域の求人も探せる
- 希望条件を伝えて求人を提案してもらえる
\ まずは求人をチェック /
レバウェルリハビリの公式サイトを見る ▶※サービス内容・求人は時期により変わります。最新情報は公式サイトでご確認ください。
よくある質問
公立病院の理学療法士なら、必ず公務員の退職手当ですか?
自治体が直接運営する病院なら地方公務員ですが、一般地方独立行政法人が運営する病院の職員は公務員ではなく、法人の規程による退職金になります。病院の運営主体を確認しましょう。
民間での勤務期間は、公務員の勤続年数に通算されますか?
原則として、民間での勤務期間は退職手当の勤続期間に通算されません。ほかの自治体や国からの異動など、一定の場合に通算される仕組みがあります。
会計年度任用職員にも退職手当はありますか?
常勤の職員と同じ勤務時間で一定期間勤務した場合など、条件を満たすと支給されることがあります。勤務の形態や自治体の条例によって異なるため、任用時に確認しましょう。
退職手当はいつ支払われますか?
条例で支払いの時期が定められており、一般的には退職後おおむね1か月以内に支払われます。正確な時期は所属の人事担当に確認しましょう。
退職手当は給料の何か月分くらいですか?
支給率は勤続年数と退職の理由によって変わります。国家公務員の場合、長く勤めて定年退職すると支給率は給料月額の40数か月分の水準になりますが、自己都合で勤続年数が短い場合は数か月分にとどまります。地方公務員も多くは国に準じていますが、正確には所属の自治体の条例で確認しましょう。
まとめ|公務員理学療法士の退職金は勤続年数と退職の理由で大きく変わる
総務省の調査では、25年以上勤続して定年退職した地方公務員の退職手当は、一般職員で平均約2,142万円です。退職手当は「給料月額×支給率+調整額」で計算され、勤続年数、退職時の給料、役職、退職の理由で大きく変わります。自己都合の途中退職では大きく減るため、転職を考えるときは条例の支給率で試算し、民間の退職金制度とも同じ条件で比べましょう。
- 25年以上勤続の定年退職は一般職員で平均約2,142万円(総務省調査)
- 退職手当=給料月額×支給率+調整額。条例で定められる
- 自己都合退職は支給率が低く、勤続が短いほど差が大きい
- 定年は65歳へ段階的に引上げ。退職手当で不利にならない配慮がある
- 退職所得控除があり、長く勤めた場合の税負担は小さい
- 総務省「令和7年地方公務員給与の実態」第9表の1(退職者数及び退職手当額)
- e-Gov法令検索「国家公務員退職手当法」
- 国税庁「No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)」
- e-Gov法令検索「地方公務員法」
※2026年10月時点で確認した情報です。制度は改定されるため、算定・運用の際は最新の通知・Q&Aと指定権者(都道府県・市町村)の案内をご確認ください。

