訪問看護で働くメリット・デメリット|看護師とリハ職の視点で解説

「病院とは違う働き方をしてみたい」「訪問看護って実際どうなの?」——在宅医療の広がりとともに、訪問看護で働く看護師やリハ職は増えています。一方で、オンコールや一人で判断する負担など、病院とは違う大変さがあるのも事実です。
この記事では、訪問看護で働くメリット・デメリットを、看護師と理学療法士などリハ職の両方の視点で解説します。ステーションの現状、リハ職の位置づけ、向いている人、転職前に確認したいポイントもまとめました。
- 訪問看護ステーションの現状
- 訪問看護で働くメリット(看護師・リハ職)
- 訪問看護で働くデメリット(看護師・リハ職)
- 訪問看護が向いている人
- 転職前に確認したいポイント
※本記事にはプロモーション(広告)が含まれています。
訪問看護ステーションの現状
厚生労働省の審議会資料によると、訪問看護ステーションの数は近年増え続けています。法人の種類別では、営利法人が運営するステーションが最も多く、特に増加が著しいとされています。
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 人員基準 | 看護職員は常勤換算で2.5以上。理学療法士・作業療法士・言語聴覚士は実情に応じた適当数 |
| 管理者 | 原則として保健師または看護師 |
| 24時間対応 | 緊急時訪問看護加算(Ⅰ)を算定するステーションは約5割(事業所ベース) |
| リハ職の位置づけ | 看護業務の一環としてのリハビリとして、看護職員の代わりに訪問する |
ステーションの数が増えるほど、働く環境の差も大きくなります。規模や体制をよく見て選ぶことが大切です。見学で実際の雰囲気を確かめるのもおすすめです。
訪問看護の仕事内容
| 職種 | 主な仕事内容 |
|---|---|
| 看護師 | 病状の観察、医療処置(点滴・褥瘡の処置・カテーテル管理など)、服薬の管理、療養上の相談、看取りの支援、家族への指導 |
| 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士 | 看護業務の一環としてのリハビリ(基本動作や生活動作の練習、環境調整、嚥下の支援など)、家族への介助指導 |
| 共通 | 訪問看護計画書・報告書の作成(看護職員とリハ職が連携)、主治医・ケアマネジャーへの報告、記録 |
訪問看護で働くメリット
看護師にとってのメリット
- 一人ひとりの利用者とじっくり向き合える
- 生活の場での看護を通じて、本人と家族の暮らしを支えられる
- 夜勤がないステーションも多く、日勤中心で働ける(オンコールは別)
- 病院より裁量が大きく、判断力やアセスメント力が身につく
- 看取りや在宅医療など、地域医療の最前線に関われる
リハ職にとってのメリット
- 生活の場で、実際の動作や環境に合わせたリハビリができる
- 看護師と同じチームで、医療的な視点を学べる
- 病院より給与水準が高めの求人が多い
- 令和8年度の期中改定で、訪問看護にも処遇改善加算(1.8%)が新設された

リハ職でも、看護師さんと一緒に働けるのは心強いですね。

医療的な判断が必要な利用者さんも多いから、看護師さんとすぐ相談できるのは訪問看護ならではの強みだね。リハ職にとっても学びが多い職場だよ。
訪問看護で働くデメリット
看護師にとってのデメリット
- オンコール(夜間・休日の電話対応や緊急訪問)の負担がある
- 訪問先では一人で判断する場面が多く、プレッシャーを感じやすい
- 移動や天候の影響を受ける
- 記録や書類、医師・ケアマネジャーとの連絡が多い
リハ職にとってのデメリット
- リハビリは看護業務の一環という位置づけで、看護職員との連携が前提になる
- 令和6年度改定で、リハ職の訪問回数が看護職員を上回る場合などに減算が設けられた
- 事業所の方針によって、リハ職の訪問件数や雇用が影響を受けやすい
- リハ職が少数で、同職種に相談しにくいことがある
リハ職の訪問が中心のステーションでは、報酬の減算や運営方針の変更の影響を受けやすいことがあります。看護職員とリハ職の人数のバランスや、緊急時訪問看護加算などの体制を確認しましょう。
訪問看護の1日の流れ(例)
| 時間 | 看護師 | リハ職 |
|---|---|---|
| 8:30 | 朝のミーティング、オンコール中の対応の申し送り | 朝のミーティング、当日の予定確認 |
| 9:00〜12:00 | 訪問2〜3件(処置、病状観察) | 訪問2〜3件(動作練習、環境調整) |
| 13:00〜16:00 | 訪問2件、主治医への報告 | 訪問2〜3件、看護師との情報共有 |
| 16:00〜17:30 | 記録、翌日の準備、オンコールの引き継ぎ | 記録、計画書・報告書の作成 |
※架空の例です。訪問件数や時間はステーションによって異なります。
訪問看護で働く人のよくある悩みと対処
| 悩み | 対処のヒント |
|---|---|
| 一人で判断するのが不安 | 迷ったら事業所に電話で相談できる体制を確認する。判断の基準を事業所で共有しておく |
| オンコールで休んだ気がしない | オンコールの回数と手当、緊急訪問の実績を確認し、負担が偏らない体制か見る |
| 利用者・家族との関係が難しい | 一人で抱えず事業所で共有する。理不尽な要求は事業所として対応する |
| リハ職として相談相手がいない | 法人内や地域のリハ職とつながる。看護師との情報共有の場を活用する |
訪問看護が向いている人
| 向いている人 | 向いていない可能性がある人 |
|---|---|
| 一人ひとりとじっくり関わりたい | 常にチームで判断したい |
| 自分で考えて動くことが好き | 決まった手順どおりに進めたい |
| 生活全体を見る視点を持ちたい | 専門的な処置や技術を極めたい |
| 利用者・家族とのコミュニケーションが好き | 移動や天候の影響が大きな負担になる |
転職前に確認したいポイント
- 看護職員とリハ職の人数、常勤・非常勤の割合
- オンコールの頻度、手当、緊急訪問の実績
- 1日の訪問件数の目安と、件数による給与の変動
- 同行訪問などの教育体制と、困ったときの相談体制
- 移動手段(車・自転車)と、事故時の補償
- 処遇改善加算の算定と、配分の方法
- 記録の方法(タブレットで訪問先から入力できるか)
- 研修や学会参加への支援の有無
病院・訪問リハビリとの働き方の比較
| 項目 | 病院 | 訪問看護ステーション | 訪問リハビリ事業所 |
|---|---|---|---|
| 運営主体 | 医療法人など | 営利法人・医療法人など多様 | 病院・診療所・老健・介護医療院 |
| リハ職の位置づけ | 理学療法など | 看護業務の一環としてのリハビリ | 訪問リハビリテーション |
| 指示 | 主治医 | 主治医の訪問看護指示書 | 事業所の医師 |
| 夜間の対応 | 夜勤(看護師) | オンコール(主に看護師) | 原則なし |
訪問看護で長く働くためのコツ
- 判断に迷ったら早めに相談する一人で抱え込まず、事業所の管理者や同僚にすぐ連絡できる関係をつくります。
- 看護師とリハ職で情報を共有するカンファレンスや記録で、状態の変化と目標を共有し、役割を分けます。
- オンコールの負担を見える化する回数や対応の内容を記録し、負担が偏っていれば体制の見直しを提案します。
- 移動の安全を守る余裕のあるスケジュールを組み、天候の悪い日は無理をしない判断をします。
- 学びの機会を持つ在宅医療や地域の研修に参加し、知識を更新し続けます。同じ悩みを持つ仲間ともつながれます。

長く続けるには、仕組みと自分の工夫の両方が必要なんですね。

そうだね。良いステーションを選ぶことと、自分なりの働き方を見つけることの両方が大切なんだ。焦らずにね。
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よくある質問
訪問看護のリハ職にもオンコールはありますか?
一般的には看護師が担当しますが、ステーションによっては体制が異なることもあります。求人や面接で確認しましょう。
未経験でも訪問看護で働けますか?
働けますが、一人で判断する場面が多いため、病院などで基礎を身につけてからのほうが安心です。未経験者を受け入れる場合は、同行訪問の期間や教育の体制を確認しましょう。
訪問看護の給与は病院より高いですか?
看護師もリハ職も、病院より高めの求人が多い傾向があります。ただし、件数による手当やオンコール手当の比重が大きい場合もあるため、基本給と手当の内訳、賞与の実績を確認しましょう。
訪問看護ステーションは小規模なところが多いですか?
看護職員が常勤換算2.5人程度の小規模なステーションも多くあります。小規模なステーションは一人あたりの負担やオンコールの頻度が大きくなりやすいため、人員の数と体制を確認しましょう。
子育て中でも訪問看護で働けますか?
日勤のみ・オンコールなしの雇用形態や、短時間勤務を用意しているステーションもあります。訪問の時間帯が利用者の都合で決まる面もあるため、勤務時間の柔軟さと、急な休みへの対応を確認しましょう。
まとめ|訪問看護は生活の場で関われる一方、体制の見きわめが大切
訪問看護は、一人ひとりの生活の場で関われること、裁量が大きく判断力が身につくこと、給与水準が高めであることなどがメリットです。一方で、オンコールや一人で判断する負担、移動の負担があり、リハ職にとっては看護業務の一環としての位置づけや減算の仕組みも理解しておく必要があります。ステーションの数が増え環境の差も広がっているため、人員や体制を確認して選びましょう。
- 訪問看護ステーションは増加中。営利法人の増加が著しい
- メリットは生活の場での関わり、裁量、給与水準の高さ
- デメリットはオンコール、一人での判断、移動の負担
- リハ職は看護業務の一環。訪問回数が看護を上回るなどで減算あり
- 人員のバランス、オンコール、教育体制、処遇改善の配分を確認する
- 厚生労働省 社会保障審議会介護給付費分科会(第259回)資料3「訪問看護」
- 羽曳野市「理学療法士等による訪問看護関係(老企第36号 第2の4(4)等)」参考資料
- 厚生労働省 社会保障審議会介護給付費分科会(第253回)資料1「令和8年度介護報酬改定について」
※2026年10月時点で確認した情報です。制度は改定されるため、算定・運用の際は最新の通知・Q&Aと指定権者(都道府県・市町村)の案内をご確認ください。

