訪問リハビリの適切な研修の修了等とは?どんなものが該当するのか?

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「訪問リハビリの適切な研修の修了等って何のこと?」「どんな研修が該当するの?」——運営指導(実地指導)を意識して調べはじめると、必ず突き当たるテーマです。この記事では、訪問リハビリにおける「適切な研修の修了等」の意味と、何が該当するのか、運営指導での対策までを、厚生労働省のQ&Aをもとに分かりやすく整理します。

この記事でわかること
  • 訪問リハビリの「適切な研修の修了等」とは何か
  • どんな研修が「適切な研修」に該当するのか
  • 令和9年3月末まで延長された猶予措置の中身
  • 運営指導に向けた確認・記載のポイント
目次

訪問リハビリの「適切な研修の修了等」とは

そもそも訪問リハビリテーションは、原則として事業所の医師がリハビリテーション計画の作成に係る診療を行うこととされています。

しかし現場では、医師の診療がそのまま行えないケースが少なくありません。

事業所の医師の診療が難しい例

・寝たきりで、身体機能的に受診に行くのが大変
・受診の手段や付き添う人がいない
・病院まで遠く、受診そのものが負担
・事業所の医師が訪問できない
・リハビリの診療だけのために受診するのが現実的でない

こうした場合に、事業所の医師の診療がなくても訪問リハビリを提供できる仕組みが用意されています。それが「計画診療未実施減算」を適用したうえでの提供です。具体的には、次の条件をすべて満たす必要があります。

事業所の医師の診療なしで提供する条件

① 計画診療未実施減算(1回につき−50単位)を算定する
② 利用者が、事業所とは別の医療機関の医師による計画的な医学的管理を受けており、事業所の医師がその医師から利用者の情報提供を受けている
その計画的な医学的管理を行う医師が「適切な研修の修了等」をしている
④ 情報提供を受けた事業所の医師が、その情報を踏まえてリハビリテーション計画を作成する

つまり「適切な研修の修了等」とは、事業所外の医師が訪問リハビリの計画に関わるために満たすべき研修要件のことを指します。

新人PT新人PT
事業所の医師が診られないときの「抜け道」のような仕組みなんですね。
ベテランPTベテランPT
抜け道というより、受診が難しい方にリハビリを届けるための仕組みです。ただし減算が伴うので、要件を正しく押さえておくことが大切ですよ。

「適切な研修」には何が該当するのか

では、具体的にどんな研修が「適切な研修の修了等」に該当するのでしょうか。厚生労働省のQ&Aでは、日本医師会の「日医かかりつけ医機能研修制度」の応用研修の単位取得が含まれると示されています。

ポイントは、応用研修のすべての単位を取得している必要はないという点です。事業所の医師に情報提供を行う日が属する月から前36か月の間に、合計6単位以上を取得していること(または所定の期限までに取得を予定していること)が要件とされています。さらに、その6単位の中に、生活期リハビリテーションや地域リハビリテーションなど、リハビリに関連する所定のプログラムの単位を1単位以上含んでいる必要があります。

ここに注意

「適切な研修の修了等」の具体的な対象プログラムや単位の取り扱いは、厚生労働省のQ&Aに詳しく示されています。最新の通知・Q&Aを必ず確認し、最新の内容にもとづいて判断してください。

令和9年3月末までの猶予措置(特例)

この「適切な研修の修了等」をしている医師は、まだ十分に多いとは言えません。要件を厳格に求めると、リハビリを受けられない利用者(いわゆるリハビリ難民)が増えてしまう懸念があります。

そこで、当初は令和6年3月31日までとされていた猶予措置(適用猶予措置期間)が3年間延長され、令和9年3月31日までとされました。この期間中は、次の基準をいずれも満たせば、計画診療未実施減算を適用したうえで訪問リハビリを提供できます。

猶予措置期間中の基準

・前述の条件②および④に適合していること
・条件③の「研修の修了等の有無」を確認し、訪問リハビリテーション計画書に記載していること

つまり猶予期間中であっても、「研修要件を満たしているかどうかを確認し、計画書に記載する」という事務手続きは省略できません。確認を怠ると、運営指導で指摘の対象になり得ます。

研修の修了等を確認する方法

事業所の医師が、情報提供元の医師について「適切な研修の修了等」の有無を確認する方法には、次のようなものがあります。

  1. 医師に直接確認する情報提供を行う医師本人に、研修の修了状況を確認します。
  2. 公表情報を確認する医師会などのホームページで公表されている情報を確認します。
  3. 計画書に記載する確認した結果(研修の修了等の有無)を、訪問リハビリテーション計画書の所定の項目にチェック・記載します。

情報提供元の医師の側からも、事業所の医師に対して「適切な研修の修了等をしている」旨を伝えることが望ましいとされています。

運営指導に向けた対策のポイント

運営指導(実地指導)では、計画診療未実施減算を算定している場合、その要件を満たしているかが確認されます。次の点を整えておきましょう。

確認項目対策
研修要件の確認情報提供元の医師の研修修了等を確認した記録を残す
計画書への記載研修の修了等の有無を計画書の所定項目に必ず記載する
情報提供の記録別の医療機関の医師からの情報提供の内容・日付を保管する
減算の算定計画診療未実施減算が正しく算定されているか確認する

これらは「書類が揃っていればよい」というものではなく、確認のプロセスが実際に行われているかが問われます。研修要件の確認をいつ・どの方法で行ったのかが分かるよう、確認日や確認方法もあわせて記録に残しておくと、運営指導の際に説明しやすくなります。日々の事務作業のなかに、確認と記載の手順を組み込んでおくことが、結果的にもっとも確実な対策になります。

よくある質問

「適切な研修の修了等」をしている医師はどう探せばよいですか?
情報提供元の医師本人に直接確認するほか、医師会などが公表している情報を確認する方法があります。確認した結果は、訪問リハビリテーション計画書に記載しておく必要があります。
猶予措置期間が終わったらどうなりますか?
令和9年3月末で猶予措置期間が終了すると、原則どおり、情報提供元の医師が「適切な研修の修了等」の要件を満たしていることが必要になります。期間終了を見据えて、早めに体制を整えておくことが望まれます。
計画診療未実施減算は1回いくら減算されますか?
計画診療未実施減算は、訪問リハビリテーション費から1回につき50単位を減算します。事業所の医師の診療がない形で提供する場合に適用されます。
まとめ
  • 訪問リハビリは原則、事業所の医師が計画に係る診療を行う。
  • 事業所外の医師の情報提供で提供する場合は、計画診療未実施減算(1回−50単位)を算定する。
  • 「適切な研修の修了等」とは、事業所外の医師に求められる研修要件で、日医かかりつけ医機能研修制度の応用研修の単位取得が該当する。
  • 猶予措置期間は3年間延長され、令和9年3月31日まで。期間中も研修要件の確認と計画書への記載は必要。
  • 運営指導に備え、研修確認の記録・計画書記載・情報提供の記録を整えておく。

※本記事は令和6年度(2024年度)以降の制度をもとに、厚生労働省のQ&Aを参考に作成しています。要件や猶予措置の内容は改定・通知により変わる場合があるため、最新の介護報酬通知・Q&Aや保険者の取り扱いを必ずご確認ください。

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