高齢者が脱ぎ履きしやすい靴|選び方とおすすめ介護シューズ

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「靴を履くのに時間がかかって、玄関でふらついてしまう」「かかとを踏んだまま歩いているのが心配」——年齢を重ねると、足腰の筋力や関節の動きの変化によって、靴の脱ぎ履きが負担になることがあります。履きにくい靴を無理に使い続けると、玄関での転倒や、歩くときのつまずきにつながりかねません。
この記事では、高齢者が脱ぎ履きしやすく、安全に歩ける靴の特徴と選び方を、理学療法士の目線で解説します。おすすめの介護シューズや室内履き、玄関での脱ぎ履きを楽にする工夫もあわせて紹介します。
- 高齢者にとって靴選びが大切な理由
- 脱ぎ履きしやすい靴の特徴
- サイズ・幅・重さなど、選び方のポイント
- 理学療法士がすすめる介護シューズ・室内履き
- 玄関での脱ぎ履きを楽にする工夫
高齢者にとって靴選びが大切な理由
東京消防庁の「救急搬送データからみる高齢者の事故」によると、令和2年から令和6年までの5年間で、日常生活の事故で救急搬送された高齢者のうち、「その他」「不明」を除くと「ころぶ」事故が8割以上を占めています。また、令和6年中の「ころぶ」事故は住宅などの居住場所で最も多く起きており、その9割以上が屋内でした。
転倒の原因はさまざまですが、足に合わない靴、かかとを踏んだ履き方、すり減った靴底は、つまずきや滑りの原因になります。脱ぎ履きのしやすさと歩きやすさの両方を考えて靴を選ぶことが、転倒予防の第一歩です。

脱ぎ履きしやすい靴って、ゆるめの靴を選べばいいんですか?

そこが落とし穴なんだ。ゆるい靴は脱ぎ履きは楽でも、歩くと靴の中で足がずれてつまずきやすくなる。「履くときは大きく開いて、履いたらしっかり固定できる」靴を選ぶのがポイントだよ。
高齢者が脱ぎ履きしやすい靴の特徴
| 特徴 | 理由 |
|---|---|
| 面ファスナー(マジックテープ)で留める | 靴ひもを結ばずに、甲のフィット感を調整できる |
| 履き口が大きく開く | 足を入れやすく、むくんだ足や装具をつけた足でも履きやすい |
| サイドにファスナーがある | 靴を大きく開けて、かがむ時間を短くできる |
| かかとにループやつまみがある | 指を引っかけて引き上げやすい |
| かかとがしっかりしている | 履いた後に足が安定し、ぐらつきにくい |
特に、足のむくみがある人は、時間帯によって足の大きさが変わります。面ファスナーでその日の足に合わせて締め具合を調整できる靴が便利です。
高齢者の靴の選び方のポイント
1. サイズと幅を合わせる
足の長さだけでなく、幅(ワイズ)も合っていることが大切です。外反母趾やむくみがある人は、2E〜4Eなどの幅広の靴が合うことがあります。つま先に1cm程度のゆとりがあり、甲とかかとが固定されるものを選びましょう。試し履きは、足がむくみやすい夕方がおすすめです。
2. つま先が少し上がっている靴を選ぶ
高齢になると、歩くときにつま先が上がりにくくなることがあります。つま先が少し反り上がった形の靴は、段差や敷物でのつまずきを減らすのに役立ちます。
3. 軽さと靴底を確認する
重い靴は足が上がりにくく、疲れの原因になります。一方で、靴底が薄すぎたり柔らかすぎたりすると、足元が不安定になります。軽くて、靴底が滑りにくい素材のものを選びましょう。
4. 使う場所に合わせる
外出用、室内用、入院・施設用では、求められる機能が違います。室内でスリッパを使う場合は、かかとのあるタイプのほうが脱げにくく安全です。
足の状態・悩み別の靴の選び方
高齢者の足の悩みは人それぞれです。悩みに合わせて、優先したい機能を整理しておくと選びやすくなります。
| 足の状態・悩み | 優先したい機能 |
|---|---|
| むくみやすい | 面ファスナーで締め具合を調整できる、幅広、ストレッチ素材 |
| 外反母趾・指の変形がある | つま先にゆとりがある、やわらかい素材、つま先なしタイプ |
| すり足でつまずきやすい | つま先が反り上がっている、軽い |
| 片麻痺がある | 履き口が大きく開く、片手で留められる面ファスナー |
| 装具を使っている | 装具ごと入る幅と深さ、かかとまで大きく開く構造 |
| かがむのがつらい | かかとのループ、サイドファスナー、長い靴べらとの併用 |
どの悩みにも共通するのは、実際に履いて、立って、歩いてみて確かめることです。通信販売で購入する場合は、サイズ交換ができるかを事前に確認しておくと安心です。
片麻痺がある人は、麻痺のある側の足から履き、麻痺のない側から脱ぐのが基本です。椅子に座って、麻痺のある足を組むようにして持ち上げると履きやすくなる場合があります。体の状態によって方法は変わるため、訪問リハビリなどで実際の動作を確認してもらいましょう。
理学療法士がすすめる脱ぎ履きしやすい靴
1. 快歩主義 介護シューズ L011
軽量で、転倒予防を意識して作られた介護シューズです。面ファスナーで甲を固定でき、幅にもゆとりがあります。外出用の1足目として選びやすい定番の介護シューズです。
2. FitVille 幅広 介護シューズ
2E〜6Eの幅広設計で、むくみやすい足や、装具をつけた足でも履きやすい介護シューズです。普通の靴がきつくて履けない人の選択肢になります。
3. 竹虎 転倒予防シューズ(つま先なし・つま先つき)
軽く、着脱しやすい転倒予防シューズです。つま先のないタイプは、指の変形やむくみで靴が当たりやすい人に、つま先つきのタイプは足先を保護したい人に向いています。
4. あゆみ かかとつきスリッパ
入院や施設、自宅の室内で使いやすい、かかとつきのスリッパです。左右同じ形で、手洗いもできます。かかとのないスリッパは脱げやすく転倒の原因になりやすいため、室内履きにはかかとつきのものがおすすめです。
5. エルダー 婦人 介護靴 ファスナー
サイドのファスナーで大きく開き、脱ぎ履きしやすい婦人用の靴です。ストレッチ素材で足あたりがやわらかく、外反母趾などで靴が当たりやすい女性に向いています。
玄関での脱ぎ履きを楽にする工夫
靴そのものだけでなく、玄関の環境を整えることで、脱ぎ履きはぐっと楽になります。
- 玄関に椅子や腰掛け台を置き、座って脱ぎ履きする
- 上がりかまちの近くに手すりを付ける
- 柄の長い靴べらを使い、かがむ動作を減らす
- 玄関マットは滑り止め付きのものにするか、使わない
- 足元を照らす照明を付けて、段差を見えやすくする
手すりの設置や段差の解消は、要介護・要支援の認定を受けている人であれば、介護保険の住宅改修の対象になる場合があります。工事の前に申請が必要なので、ケアマネジャーに相談しましょう。
靴の正しい履き方と交換の目安
- 座って履く立ったまま片足で履くとふらつきやすいため、椅子に座って履く
- かかとを合わせるつま先を軽く上げ、かかとを靴のかかと部分にしっかり合わせる
- 甲を固定する面ファスナーやファスナーをしっかり留め、靴の中で足が動かないようにする
- 立ち上がって確認する手すりなどにつかまって立ち、きつすぎないか、かかとが浮かないかを確認する
靴底がすり減って滑りやすくなった、かかとがつぶれた、面ファスナーがつきにくくなった、といった変化があれば交換のサインです。見た目がきれいでも、安全性が落ちていることがあるので、定期的に確認しましょう。

室内では素足やスリッパの人が多いですよね。

素足は滑りやすく、かかとのないスリッパは脱げやすいんだ。転倒が心配な人は、かかとつきの室内履きを提案してみよう。
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高齢者の靴でよくある質問
介護シューズと普通の靴の違いは何ですか?
装具をつけていても履ける靴はありますか?
左右で足の大きさが違う場合はどうすればいいですか?
介護シューズは介護保険で購入できますか?
雨の日に履く靴の注意点は?
靴を選ぶときに家族が気をつけることは?
- 高齢者の日常生活事故は「ころぶ」が8割以上(東京消防庁)。靴選びは転倒予防の第一歩
- 脱ぎ履きしやすさと、履いた後にしっかり固定できることの両方が大切
- サイズと幅、つま先の形、軽さ、靴底の滑りにくさを確認する
- 室内履きは、かかとつきのものを選ぶ
- 玄関に椅子や手すりを置くなど、環境の工夫もあわせて行う

