理学療法士・作業療法士はしんどい?場面別の理由と乗り越え方

「毎日移乗介助で腰が痛い」「単位のノルマに追われて余裕がない」「頑張っても給料が上がらない」——理学療法士・作業療法士として働いていると、「しんどい」と感じる瞬間は誰にでもあります。やりがいのある仕事だからこそ、しんどさを言い出しにくいという人も多いでしょう。
この記事では、しんどさを6つの場面に分けて整理し、場面ごとの乗り越え方を具体的に紹介します。職場や分野を変えるとしんどさがどう変わるか、我慢しすぎないための判断の目安もまとめました。
- 理学療法士・作業療法士がしんどいと感じる6つの場面
- 場面ごとの具体的な乗り越え方
- 職場・分野によるしんどさの違い
- 我慢しすぎないための判断の目安
※本記事にはプロモーション(広告)が含まれています。
理学療法士・作業療法士がしんどいと感じる6つの場面
| 場面 | しんどさの例 |
|---|---|
| ①体力 | 移乗介助や歩行介助で腰や肩に負担がかかる。立ちっぱなし、移動が多い |
| ②単位・件数 | 1日の目標に追われ、休憩や記録の時間がとれない |
| ③人間関係 | 先輩や上司との関係、多職種との意見の違い |
| ④患者さん・家族への対応 | 回復しない患者さんへの無力感、家族からの強い要求 |
| ⑤給料 | 経験を積んでも給料が大きく上がらない |
| ⑥勉強 | 勤務外の勉強会や研修、学会発表のプレッシャー |

全部当てはまる気がします……。

しんどさが重なると、何から手をつけていいかわからなくなるよね。まずは一番つらい場面を一つ選んで、そこから対策を考えてみよう。
場面ごとの乗り越え方
①体力のしんどさ
厚生労働省の「職場における腰痛予防対策指針」では、介護・看護作業で全介助が必要な人の抱え上げにはリフトなどを積極的に使い、原則として人力による抱え上げは行わないこととされています。やむを得ず人力で行う場合は、身長差の少ない2名以上で行うことが示されています。
- スライディングボードやリフトなど、福祉用具を積極的に使う
- 重い介助は二人で行う、または担当の偏りを調整してもらう
- 自分自身の体幹や下肢の筋力を保つ運動を習慣にする
②単位・件数のしんどさ
- 記録のテンプレート化や、訪問中・リハビリ直後のメモで記録時間を短縮する
- 目標が現実的でない場合は、実績のデータをもとに上司と相談する
- 休憩が取れない状態が続くなら、勤務の組み方そのものを見直してもらう
③人間関係のしんどさ
- 意見が違うときは、相手の立場や目的を確認してから話す
- 信頼できる同僚を一人つくり、気持ちを話せる場を職場の内外に持つ
- 人格を否定する言動などはハラスメントにあたる可能性があり、職場の相談窓口を利用する
④患者さん・家族への対応のしんどさ
- 機能の改善だけでなく、生活や気持ちの変化にも目を向け、小さな成果を記録する
- 難しい事例は一人で抱えず、カンファレンスで共有する
- 理不尽な要求は、職場として対応してもらう(2026年10月からカスタマーハラスメント対策が事業主の義務に)
⑤給料のしんどさ
令和7年賃金構造基本統計調査では、理学療法士・作業療法士など4職種の年収換算は平均約444万円で、年齢による伸びはゆるやかです。給与規程を確認して評価される役割を担う、処遇改善加算の配分を確認する、訪問分野など給与水準の高い職場を検討する、といった方法があります。給料への不満は放置すると、ほかのしんどさも大きく感じさせるため、早めに行動しましょう。
⑥勉強のしんどさ
- すべてを学ぼうとせず、今の担当に必要な分野から優先して学ぶ
- オンラインの研修や短時間の学習を活用する
- 勤務外の勉強会が実質的に義務になっている場合は、扱いを確認する
しんどさを軽くする毎日の習慣
| タイミング | 習慣の例 |
|---|---|
| 出勤前 | その日の予定と、最も気をつける患者さん・利用者さんを確認しておく |
| 勤務中 | リハビリの直後に記録の要点をメモする。重い介助の前は福祉用具や応援を確認する |
| 休憩時間 | 記録や電話をしない時間を5分でもつくる |
| 退勤時 | 明日に回すことを書き出してから帰る(頭の中に持ち帰らない) |
| 休日 | 仕事と関係のない予定を一つ入れる。勉強会は月の上限を決める |
しんどさは一度に解消できなくても、毎日の小さな習慣で積み重なりを防ぐことができます。
しんどさの先にあるやりがい
しんどさを感じる一方で、多くのリハビリ職が仕事を続けているのは、「自分でトイレに行けるようになった」「家に帰れた」といった変化に立ち会えるからです。しんどさを減らす工夫は、やりがいを感じる余裕を取り戻すためでもあります。しんどいときほど、これまでに関わった人の変化を思い出してみましょう。
職場・分野によるしんどさの違い
| 職場 | しんどくなりやすい点 | 楽になりやすい点 |
|---|---|---|
| 急性期病院 | 患者の入れ替わりが早く、記録とリスク管理の負担が大きい | 回復の変化が見えやすい |
| 回復期病院 | 単位数の目標、土日出勤 | 在宅復帰という明確な目標がある |
| 介護老人保健施設 | 兼務の多さ、少人数 | 単位のプレッシャーが比較的少ない |
| 訪問リハビリ | 移動、天候、一人での判断 | 人間関係のストレスが少なく、裁量がある |
| クリニック | 外来の人数が多く、休憩がとりにくい | 夜間の対応がなく、勤務時間が読みやすい |
しんどさの原因が職場の仕組みにある場合は、分野や職場を変えるだけで大きく楽になることがあります。
経験年数別に多いしんどさ
| 経験年数 | 多いしんどさ | 乗り越えるヒント |
|---|---|---|
| 1〜3年目 | 知識や技術への不安、評価がうまくできない、先輩との関係 | わからないことをその日のうちに聞く。完璧を目指さない |
| 4〜9年目 | 後輩指導と自分の担当の両立、給料の伸び悩み | 役割を整理し、評価される形で引き受ける |
| 10年目以降 | 管理業務の負担、体力の変化、キャリアの停滞感 | 業務の分担を見直し、働き方や分野の選択肢を広げる |

年数によって、しんどさの中身が変わるんですね。

そうなんだ。だから「前はこれで乗り越えられた」が通用しなくなることもある。そのときどきの自分に合った方法を探していこう。
我慢しすぎないための判断の目安
- しんどさが3か月以上続いている
- 休日に休んでも疲れが回復しない
- 眠れない、食欲がないなど体調に変化がある
- 職場に相談しても改善の見込みがない
- サービス残業やハラスメントなど、法律に関わる問題がある
当てはまる項目が多い場合は、我慢を続けるより、環境を変えることを優先しましょう。体調の変化が2週間以上続く場合は、医療機関や相談窓口に相談してください。

しんどいと言うのは、甘えだと思われそうで……。

甘えじゃないよ。しんどさを言葉にできる人のほうが、長くこの仕事を続けられるんだ。早めに相談して、自分を守る行動をとろう。それも専門職の大事な仕事だよ。
\ 訪問リハの求人を探すなら /
PT・OT・ST専門の転職支援サービス「レバウェルリハビリ」
- リハビリ職に特化した求人紹介サービス
- 訪問リハ・通所リハなど在宅領域の求人も探せる
- 希望条件を伝えて求人を提案してもらえる
\ まずは求人をチェック /
レバウェルリハビリの公式サイトを見る ▶※サービス内容・求人は時期により変わります。最新情報は公式サイトでご確認ください。
よくある質問
しんどいのは自分の力不足のせいでしょうか?
経験の浅いうちは技術の不足でしんどさを感じることもありますが、多くは業務量や職場の仕組みに原因があります。自分を責める前に、何がしんどいのかを書き出し、仕組みで解決できることがないか考えましょう。
しんどさを上司に相談するときのコツは?
「つらいです」だけでなく、「記録が毎日1時間残る」「休憩が週3日とれない」など、具体的な事実と数字で伝えると、改善策を一緒に考えてもらいやすくなります。
しんどくても続けたほうがいいですか?
一時的な忙しさなら、乗り越えることで成長につながることもあります。しかし、体調を崩すほどのしんどさが続く場合は、続けることより自分を守ることを優先しましょう。
腰痛がひどくなったら、どうすればいいですか?
我慢せずに医療機関を受診し、職場に伝えて介助の多い担当を調整してもらいましょう。業務が原因の腰痛は、条件を満たせば労災保険の対象になることもあります。
しんどさを家族に理解してもらえません。
リハビリ職の仕事は、外からは見えにくい負担が多い仕事です。「今日は何人を担当して、どんな介助があったか」など具体的に話すと、伝わりやすくなります。職場の同僚や同じ職種の友人など、事情をわかってくれる相手と話す機会も持ちましょう。
しんどさを減らすために転職するなら、どの分野がいいですか?
しんどさの原因によって変わります。人間関係がつらいなら一人で動く時間が長い訪問、単位のプレッシャーがつらいなら介護分野、体力面がつらいなら外来中心のクリニックなど、原因に合わせて選ぶのがおすすめです。
まとめ|理学療法士・作業療法士のしんどさは場面ごとに対策できる
理学療法士・作業療法士のしんどさは、体力、単位・件数、人間関係、患者さん・家族への対応、給料、勉強の6つの場面に分けると、対策が見えてきます。福祉用具の活用、記録の効率化、相談できる相手づくり、評価される役割の引き受けなど、できることから始めましょう。しんどさが長く続き、改善の見込みがない場合は、職場や分野を変えることも前向きな選択肢です。
- しんどさは体力・件数・人間関係・患者対応・給料・勉強の6場面
- 腰痛予防は福祉用具の活用と抱え上げを避けることが基本
- 難しい事例や理不尽な要求は一人で抱えず職場で対応する
- 職場や分野を変えるとしんどさが大きく変わることがある
- 3か月以上続く、体調が悪いなどの場合は環境を変えることを優先
※2026年10月時点で確認した情報です。制度は改定されるため、算定・運用の際は最新の通知・Q&Aと指定権者(都道府県・市町村)の案内をご確認ください。

