理学療法士は体力勝負?必要な体力と長く続ける工夫

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「理学療法士は体力勝負って本当?」「体力に自信がないけれど続けられるだろうか」——リハビリの仕事は、移乗介助や歩行訓練など体を使う場面が多く、体力面の不安を感じる人は少なくありません。

結論からいうと、理学療法士は体力が必要な場面はあるものの、介助の技術と道具、職場選びで負担は大きく変わる仕事です。この記事では、体力を使う場面、職場別の違い、国の腰痛予防のルール、長く続けるための工夫を解説します。

この記事でわかること
  • 理学療法士が体力勝負と言われる理由
  • 職場別の体力的な負担の違い
  • 腰痛予防対策指針が示すルール
  • 体力の負担を減らす工夫
  • 体力に自信がない人の職場選び

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目次

理学療法士が体力勝負と言われる理由

理学療法士が「体力勝負」と言われるのは、次のような場面が1日に何度もあるためです。

場面体への負担
移乗介助ベッドと車いすの間の移乗で、腰に大きな負担がかかる
歩行訓練患者さんの横で支えながら歩き、転倒に備えて構え続ける
立ち仕事1日の大半を立って過ごし、中腰の姿勢も多い
連続した担当担当患者が続き、休む間が取りにくい日がある

特に負担が大きいのは、中腰や前かがみで人を支える動作です。筋力だけでなく、同じ姿勢を続けることによる疲れも積み重なります。

新人PT
新人PT

やっぱり、筋力がないと理学療法士は難しいですか?

ベテランPT
ベテランPT

筋力より大切なのは、体の使い方と道具の活用だよ。小柄な人でも、技術で負担を減らして長く働いているPTはたくさんいるからね。

職場別に見る理学療法士の体力的な負担

体力的な負担は、職場によって大きく違います。

職場体力を使う場面負担の傾向
急性期病院ベッドサイドでの離床、全身状態が不安定な人の介助介助量が多く、緊張も続く
回復期病院1日に何人もの歩行訓練・動作訓練担当数が多く、持久力が必要
介護施設全介助が必要な人の移乗、集団体操介助量の多い利用者が多い
訪問リハビリ狭い住環境での介助、訪問先への移動移動の負担、季節の暑さ寒さ
クリニック(外来)徒手療法や運動指導介助は少ないが、手や指を使う

訪問リハビリでは、病院のような広いスペースや設備がない中で介助することがあります。一方で、1件ごとに移動があるため、同じ姿勢が続きにくいという面もあります。訪問の合間の移動時間が、体を休めたり気持ちを切り替えたりする時間になると感じる人もいます。夏場は車内や訪問先が暑くなりやすいため、水分や塩分の補給を意識しましょう。

POINT

同じ「病院」でも、病棟の構造や担当患者の重症度、リハ職の人数で負担は変わります。見学のときは、1日の担当数と介助量の多い患者の割合を聞いてみましょう。

腰痛予防対策指針が示す介護・看護作業のルール

理学療法士の体力の悩みで多いのが腰痛です。厚生労働省の「職場における腰痛予防対策指針」では、介護・看護作業について、事業者が取り組むべき対策が示されています。

項目指針の内容
抱上げ全介助が必要な人にはリフト等を積極的に使い、原則として人力による抱上げは行わせない
福祉用具座位保持ができる人にはスライディングボード等、立位保持ができる人にはスタンディングマシーン等の使用も検討する
健康診断介護・看護作業に常時従事する人に、配置の際とその後6か月以内ごとに1回、医師による腰痛の健康診断を行う
腰痛予防体操筋疲労の回復や柔軟性を高める体操を、作業前・作業中・作業後などに行えるよう配慮する
休憩適宜休憩をとり、その間に姿勢を変える

リハビリの場面では、患者さんの能力を引き出すために介助量を調整することも大切です。ただし、「人の力で抱え上げるのが当たり前」ではないことは知っておきましょう。

新人PT
新人PT

リフトを使うのは、リハビリとしては手抜きにならないですか?

ベテランPT
ベテランPT

そんなことはないよ。移乗は道具で安全に行い、リハビリの時間は能力を伸ばす練習に使う、という考え方だね。患者さんにとっても安全で負担が少ない方法なんだ。

理学療法士が体力の負担を減らす工夫

  1. 体の使い方を見直す介助する人に近づき、足を開いて重心を低くし、腰をひねらずに体全体で動きます。
  2. 道具を活用するスライディングボードやスライディングシート、リフトなど、使える道具は積極的に使います。
  3. 一人で抱え込まない体格差が大きい人や介助量の多い人は、複数人で対応します。
  4. 体操と休憩を習慣にする担当の合間にストレッチや姿勢を変える時間を入れます。
  5. 自分の体を整える体幹の筋力トレーニングや睡眠、食事など、生活習慣も見直します。
注意

腰や肩の痛みを我慢して介助を続けると、悪化して長く休むことになることがあります。痛みが出たら早めに上司に伝え、受診や業務の調整を相談しましょう。

体力を消耗しにくい1日の過ごし方

同じ仕事量でも、1日の組み立て方で疲れ方は変わります。疲れを「ためない」工夫を、時間帯ごとに取り入れてみましょう。

時間帯工夫
始業前軽いストレッチで腰や股関節を動かしてから業務に入る
午前介助量の多い患者さんの担当が続かないよう、可能ならスケジュールを調整する
昼休み食事と水分をしっかりとり、短時間でも座って体を休める
午後疲れが出やすい時間帯。移乗は特に道具や複数人での対応を意識する
終業後入浴やストレッチで筋肉の緊張をほぐし、睡眠時間を確保する

担当スケジュールを自分で組める職場では、重い介助と軽い介助を交互に入れるだけでも負担を分散できます。記録業務を合間に入れて、立ち仕事が続かないようにするのも一つの方法です。

また、水分不足や睡眠不足は集中力の低下につながり、介助中の事故のもとにもなります。体力づくりと同じくらい、休み方も大切にしましょう。休日は仕事のことを考えすぎず、体と心をしっかり回復させる時間にしてください。

体力に自信がない理学療法士の職場選び

体力に自信がない場合は、次の点を確認して職場を選ぶと安心です。

  • リフトやスライディングボードなどの福祉用具がそろっているか
  • 介助量の多い人に複数人で対応する体制があるか
  • 1日の担当数や訪問件数が無理のない設定か
  • 休憩がしっかりとれる勤務になっているか
  • 腰痛の健康診断や体調に応じた業務調整があるか

クリニックの外来や、介助量が比較的少ない利用者が多い通所サービスなど、体力の負担が少なめの職場もあります。訪問リハビリは移動がありますが、件数を調整しやすい事業所もあります。

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理学療法士を目指す人へ|体力はどのくらい必要?

これから理学療法士を目指す人の中には、「スポーツをしていないと難しいのでは」と心配する人もいるでしょう。実際には、特別な体力や運動経験がなくても理学療法士として働くことはできます。

養成校では、介助の方法や体の使い方を学びます。臨床実習や就職後も、先輩から指導を受けながら身につけていくものです。体格に合った介助の方法は人によって違うため、自分に合うやり方を探していく意識も大切です。日ごろから体を動かす習慣をつけておくと、仕事に慣れるまでの疲れを感じにくくなります。

新人PT
新人PT

体力がつくまでは、どのくらいかかりますか?

ベテランPT
ベテランPT

人によるけれど、最初の数か月は疲れやすいね。仕事のリズムに慣れてくると、体も楽になっていくよ。

よくある質問

女性の理学療法士でも体力的に続けられますか?

続けられます。介助の技術や道具の活用、チームでの対応によって、体格や筋力の差による負担は減らせます。長く働いている女性PTも多くいます。

理学療法士は年齢を重ねると体力的にきつくなりますか?

介助量の多い現場では負担を感じやすくなることもあります。経験を積むと体の使い方が上達するほか、教育や管理の役割、外来や訪問など、働き方を変えて続ける人もいます。

腰痛があっても理学療法士として働けますか?

症状によりますが、医師に相談しながら働いている人もいます。介助量の少ない職場を選ぶ、福祉用具を活用するなどの工夫で負担を減らせます。

訪問リハビリは体力的にきついですか?

訪問先への移動や住環境に合わせた介助があり、季節によっては暑さ寒さの負担もあります。一方で、1件ごとに体を休めるタイミングがあり、件数を調整できる事業所もあります。

体力をつけるために、どんなトレーニングがおすすめですか?

腹筋や背筋などの体幹トレーニング、スクワットなどの下肢の筋力トレーニングは、介助の安定につながります。あわせて、ウォーキングなどで持久力を保つと、1日の疲れを感じにくくなります。無理のない範囲で続けることが大切です。

職場にリフトがない場合はどうすればいいですか?

まずは複数人での介助や、スライディングボードなど導入しやすい道具の活用を相談してみましょう。腰痛の予防は職場全体の課題でもあるため、チームで話し合うことで導入が進むこともあります。

この記事のまとめ
  • 理学療法士は移乗介助や歩行訓練などで体力を使う場面が多い
  • 負担の大きさは職場や担当患者によって大きく変わる
  • 腰痛予防対策指針では、全介助の人への人力による抱上げは原則行わせないとされている
  • 体の使い方、福祉用具、チーム対応、休憩で負担は減らせる
  • 体力に自信がない人は、設備や体制を確認して職場を選ぶ
引用・出典(公的機関)

※2026年10月時点で確認した情報です。制度は改定されるため、算定・運用の際は最新の通知・Q&Aと指定権者(都道府県・市町村)の案内をご確認ください。

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