人事考課の例文【リハビリ職】PT・OT・ST別の評価コメント

「部下の評価コメントに何を書けばいいかわからない」「自己評価欄が毎回同じような文章になってしまう」——人事考課の時期になると、リハビリ職の主任や中堅スタッフから、こうした悩みをよく聞きます。
この記事では、リハビリ職の人事考課で使える評価コメントの例文を、評価する側・自己評価の両方で紹介します。項目別、経験段階別、PT・OT・ST別の例文に加えて、伝わる書き方のコツと避けたい表現もまとめました。個人目標の立て方は別の記事で詳しく解説しています。
- 伝わる評価コメントの書き方
- 評価項目別の例文(良い評価・改善を促す評価)
- 新人・中堅・主任の段階別の例文
- PT・OT・ST別の例文
- 自己評価の例文と避けたい表現
- 評価コメントづくりに役立つおすすめの本
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人事考課の評価コメントを書く基本
伝わる評価コメントは、「事実」→「評価」→「今後の期待」の順で書くのが基本です。
| 要素 | 書く内容 | 例 |
|---|---|---|
| 事実 | いつ、何をしたか | 「今期、転倒リスクの高い患者の評価表を作成し」 |
| 評価 | その行動の良かった点・結果 | 「病棟との情報共有がスムーズになった」 |
| 今後の期待 | 次の期に期待すること | 「来期は他部署への展開を期待する」 |
「頑張っていた」「積極的だった」などの言葉だけでは、本人も何が評価されたのかわかりません。具体的な場面や数字を入れることで、納得感のあるコメントになります。日ごろから気づいたことをメモしておくと、評価の時期に慌てずに書けます。

評価コメントって、ついほめ言葉だけで終わってしまいます。

ほめることも大事だけど、次に何を期待しているかまで書くと、本人の成長につながるよ。
リハビリ職の人事考課の例文|評価項目別
臨床スキル・専門性
| 良い評価 | 改善を促す評価 |
|---|---|
| 脳血管疾患の患者に対し、評価結果をもとに目標を段階的に設定し、3か月で屋内歩行の自立につなげた。根拠をもった介入ができている。 | 評価は丁寧に行えているが、結果をプログラムに反映するまでに時間がかかる。先輩と症例を振り返る機会を増やし、介入の組み立てを強化してほしい。 |
患者・利用者対応
| 良い評価 | 改善を促す評価 |
|---|---|
| 意欲の低い利用者に対し、趣味の園芸を目標に取り入れ、継続的な参加につなげた。本人の思いを引き出す関わりができている。 | 説明に専門用語が多く、家族が理解しにくい場面があった。生活の言葉に置きかえた説明を意識してほしい。 |
チーム・多職種連携
| 良い評価 | 改善を促す評価 |
|---|---|
| 介護職員向けに移乗介助の勉強会を2回開催し、介助方法の統一に貢献した。他職種からの相談も増えている。 | カンファレンスでの発言が少ない。事前に要点をまとめ、リハビリの視点を積極的に伝えてほしい。 |
業務遂行
| 良い評価 | 改善を促す評価 |
|---|---|
| 記録のテンプレートを見直し、書類の提出遅れがなくなった。時間の使い方が上達している。 | 計画書の提出期限を過ぎることが月に数回あった。週の初めに期限を確認し、計画的に作成してほしい。 |
教育・組織への貢献
| 良い評価 | 改善を促す評価 |
|---|---|
| 実習生の指導担当として、毎日の振り返りの時間を設け、学生の到達目標の達成を支えた。指導記録も丁寧である。 | 委員会活動への参加が受け身になっている。来期は担当する役割を決め、会議に意見を持って参加してほしい。 |
人事考課の例文|新人・中堅・主任の段階別
| 段階 | 評価コメントの例 |
|---|---|
| 新人(1年目) | 入職時と比べ、バイタル確認や中止基準の判断が安定してきた。わからないことをその場で質問できる姿勢も良い。来期は担当数を段階的に増やし、記録の効率化に取り組んでほしい。 |
| 中堅(5年目前後) | 新人2名のプリセプターとして、定期的な振り返りの時間を設け、成長を支えた。来期は部署の業務改善にも主体的に関わり、チームの中心的な役割を担ってほしい。 |
| 主任 | スタッフとの個別面談を毎月実施し、業務量の偏りを調整した。部署の残業時間の減少にもつながった。来期は多職種との連携体制づくりにも力を入れてほしい。 |
段階が上がるほど、個人の臨床から、チームや組織への貢献に評価の重点が移ります。コメントでも、その段階で期待される役割に触れるようにしましょう。次の段階に向けた期待も添えると効果的です。
人事考課の例文|PT・OT・ST別
| 職種 | 評価コメントの例 |
|---|---|
| 理学療法士(PT) | 歩行能力の評価に動画を取り入れ、患者や家族に変化を見える形で説明した。訪問先では住環境の確認を丁寧に行い、転倒予防の提案につなげている。 |
| 作業療法士(OT) | 調理や洗濯など、本人が大切にしている家事の練習を計画に取り入れ、在宅での役割の再獲得を支援した。福祉用具の提案も適切である。 |
| 言語聴覚士(ST) | 嚥下評価の結果を看護・介護職と共有し、食事形態の見直しを提案した。誤嚥のリスクを減らす取り組みとして多職種から評価されている。 |

職種ごとに、強みの書き方が違うんですね。

そうだね。その職種ならではの専門性がどう患者さんやチームに役立ったかを書くと、評価がぐっと具体的になるよ。
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自己評価の例文と書き方のコツ
自己評価は、できたことと課題の両方を、具体的な事実で書くのがポイントです。
| 書き方 | 例文 |
|---|---|
| できたこと | 今期は、担当患者の退院前訪問に5件同行し、住環境に合わせた動作練習を行った。結果として、全員が自宅に退院できた。 |
| 課題 | 一方で、記録の作成に時間がかかり、残業が月平均10時間ほどあった。来期はテンプレートを活用し、半分に減らすことを目標にする。 |
| 来期の目標 | 呼吸器疾患の知識を深めるため、院外研修に2回参加し、部署内で伝達講習を行う。 |
自己評価で謙遜しすぎると、上司に成果が伝わりません。数字や具体的な場面を入れて、事実として書きましょう。課題も正直に書くことが信頼につながります。
面談で評価を伝えるときの例文
評価コメントは、書くだけでなく面談で伝えることで本人の成長につながります。「良かった点」→「課題」→「一緒に取り組むこと」の順で話すと、前向きに受け止めてもらいやすくなります。
| 場面 | 伝え方の例 |
|---|---|
| 良かった点 | 「今期は退院前訪問に積極的に同行してくれて、ご家族からも説明がわかりやすかったと聞いています」 |
| 課題 | 「一方で、計画書の提出が遅れることがありました。どこで時間がかかっているか、一緒に確認させてください」 |
| 一緒に取り組むこと | 「来期は、週に一度、書類の進み具合を確認する時間をつくりましょう」 |
| 本人の考えを聞く | 「今期の自分の取り組みを振り返って、どう感じていますか?」 |
面談では、評価者が一方的に話すのではなく、本人の考えを聞く時間を必ずとることが大切です。自己評価と上司の評価にずれがある場合は、その理由を一緒に確認しましょう。
人事考課のコメントで避けたい表現
| 避けたい表現 | 理由 | 言い換え例 |
|---|---|---|
| 「やる気が感じられない」 | 主観的で、何を改善すればよいかわからない | 「カンファレンスでの発言が少なかった」 |
| 「もっと頑張ってほしい」 | 具体的な行動が示されていない | 「計画書を期限の3日前までに提出してほしい」 |
| 「○○さんと比べて劣る」 | 他人との比較は反発を招きやすい | 「前期と比べて記録の時間は短くなったが〜」 |
| 性格や私生活に触れる | 業務の評価とは関係がない | 業務上の行動に限定して書く |
人格を否定するような表現や、業務と関係のない事柄への言及は、パワーハラスメントと受け取られるおそれがあります。評価は業務上の行動と成果に限定しましょう。
よくある質問
評価コメントはどのくらいの長さで書けばいいですか?
評価シートの欄にもよりますが、1項目あたり2〜3文が目安です。事実・評価・期待の3点が入っていれば、短くても伝わります。
評価が低い部下へのコメントは、どう書けばいいですか?
できている点にも触れたうえで、改善してほしい行動を具体的に書きましょう。面談では、改善のためにどんな支援ができるかも一緒に伝えると前向きに受け止めてもらいやすくなります。
訪問リハビリでは、評価コメントに何を書くといいですか?
一人で訪問する場面が多いため、利用者や家族、ケアマネジャーからの声、報告書の質、緊急時の判断と連絡などを具体的に書くと評価が伝わりやすくなります。
人事考課は、賃金にどう関係しますか?
昇給や賞与、昇格の判断に使われることが多いです。令和8年度からは訪問リハビリも介護職員等処遇改善加算の対象となり、賃金体系や研修の整備が求められるようになりました。
自己評価は、高めにつけたほうがいいですか?
高すぎても低すぎても、上司の評価とのずれが大きくなります。評価基準に照らして、根拠を説明できる評価をつけましょう。迷う項目は、具体的な場面を書き添えると上司も判断しやすくなります。
同じ例文を毎年使ってもいいですか?
例文は書き方の参考として使い、内容はその期の具体的な出来事に合わせて書きかえましょう。毎年同じ文章だと、成長や変化が伝わりません。
人事考課の評価コメントづくりに役立つおすすめの本3選
評価コメントは、「何を見て、どう判断したか」が言葉になっていると伝わりやすくなります。ここでは、リハビリ職の評価者・被評価者が評価の着眼点と書き方を整理するのに役立つ本を選びました。
| 悩み | おすすめ |
|---|---|
| 評価項目ごとに何を書けばよいかわからない | ①改訂3版 人材評価着眼点シート |
| 評価者としての判断に自信がない | ②人事評価の教科書 |
| リハ部門ならではの人事考課・面談を知りたい | ③リハビリテーション管理・運営実践ガイドブック |
① 改訂3版 人材評価着眼点シート
評価コメントの「材料」になる着眼点を、評価要素ごとに探せる本です。
- 情意考課・成績考課・基本的能力・課題対応能力・対人対応能力・コンピテンシーと、要素別の着眼点を事例で示している
- 行動をどう着眼点に落とし込むか、その進め方も解説している
- この記事の評価項目別の例文と組み合わせると、自施設の項目に合わせたコメントを作りやすい
② 人事評価の教科書―悩みを抱えるすべての評価者のために
初めて評価者になった主任・係長クラスに向く1冊です。
- 日本能率協会コンサルティングで20年以上現場に関わってきた著者が、評価者の悩みの解決法を基本から解説
- 「自信を持って評価する」「部下の成長につなげる」ための考え方を学べる
- 業種を問わない内容なので、病院・施設・訪問のどの職場でも使える
③ リハビリテーション管理・運営実践ガイドブック
リハ部門の管理職として、人事考課を部門運営の中でどう位置づけるかを学べる本です。
- 目次に「人事考課と面談」「年間計画に基づく個人目標の管理」「リハビリテーション専門職のインセンティブ」がある
- リハ室の安全管理、スタッフ教育、キャリアパスの構築など、管理職に必要な知識を1冊にまとめている
- 急性期・回復期・訪問・通所など、現場ごとの業務管理も扱っている
- 評価コメントは「事実」→「評価」→「今後の期待」の順で書く
- 具体的な場面や数字を入れると、納得感が高まる
- 段階が上がるほど、チームや組織への貢献に重点を置く
- PT・OT・STそれぞれの専門性がどう役立ったかを書く
- 主観的な表現や人格・私生活への言及は避ける
※2026年10月時点で確認した情報です。制度は改定されるため、算定・運用の際は最新の通知・Q&Aと指定権者(都道府県・市町村)の案内をご確認ください。

