【おすすめ】高齢者の運動グッズ|自宅でできる器具をPTが厳選

高齢者が自宅で使う運動グッズは、「安全にできること」「続けやすいこと」「目的に合っていること」の3つで選ぶのが基本です。ゴムチューブ、足首につける重り、座ったままこげるペダル運動器などは、場所を取らず、天気に関係なく運動を続けられる便利な道具です。
ただし、体力や持病に合わない器具を使うと、転倒やけがにつながるおそれもあります。この記事では、理学療法士の視点から、高齢者に必要な運動の目安・目的別のおすすめ運動グッズ・安全に使うコツ・続けるための工夫を紹介します。
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- 高齢者に推奨される運動の目安(厚生労働省のガイド)
- 運動グッズを選ぶときの4つのポイント
- 目的別のおすすめ運動グッズ(筋力・持久力など)
- 運動グッズを安全に使うための注意点
- 自宅での運動を続けるためのコツ
高齢者に必要な運動の目安
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、高齢者に次のような身体活動・運動を推奨しています。
| 項目 | 推奨されている内容 |
|---|---|
| 身体活動 | 歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動を1日40分以上(1日約6,000歩以上) |
| 多要素な運動 | 筋力・バランス・柔軟性など多要素な運動を週3日以上 |
| 筋力トレーニング | 週2〜3日(多要素な運動に含めてもよい) |
| 座りすぎ | 座りっぱなしの時間が長くなりすぎないように注意する |
ガイドでは、推奨値に満たなくても少しでも体を動かすことが大切で、身体機能が低下している人は安全に配慮し、転倒などに注意するよう示されています。「今より少しでも多く体を動かす」ことが出発点です。

1日40分って、外に出られない日は難しそうですね。

そうだね。だからこそ、家の中でできる運動グッズが役に立つんだ。雨の日や暑い日でも、テレビを見ながらペダルをこいだり、チューブで筋トレしたりできれば、運動の習慣を途切れさせずにすむよ。
高齢者の運動グッズを選ぶ4つのポイント
1. 座ってできるか
立ったまま使う器具は、バランスを崩すと転倒につながります。ふらつきがある人は、いすに座ったまま使えるものから始めましょう。
2. 負荷を調整できるか
最初は軽い負荷から始め、慣れてきたら少しずつ強くできるものが理想です。チューブは強さの違うものがセットになったもの、重りは重さを変えられるものが便利です。
3. 目的に合っているか
足の筋力をつけたいのか、持久力をつけたいのか、関節を動かしたいのかで、合う道具は変わります。
| 目的 | 合う運動グッズ |
|---|---|
| 足腰の筋力をつけたい | アンクルウェイト(足首の重り)、トレーニングチューブ |
| 腕や肩の筋力をつけたい | トレーニングチューブ |
| 持久力をつけたい・座りすぎを防ぎたい | ペダル運動器(足こぎ)、座ってできるステッパー |
| 関節を動かして体をほぐしたい | ペダル運動器(軽い負荷で)、ストレッチ |
4. 置き場所と出しやすさ
しまい込むと、出すのが面倒になって使わなくなります。いつも座るいすのそばに置いておける大きさかどうかも大切です。
目的別のおすすめ運動グッズ
ここでは、Amazonでレビュー件数が多く、評価の高い運動グッズを目的別に紹介します。持病がある人や、最近体力が落ちた人は、始める前に主治医や担当のリハビリ職に相談してください。
トレーニングチューブ(腕・足の筋力)
ゴムの伸び縮みを利用して、筋力トレーニングができる道具です。軽くて場所を取らず、座ったままでも腕や足の運動ができます。強さの違う複数本のセットなら、体力に合わせて選べます。
- 座って両手でチューブを持ち、胸の前で左右に広げる(肩・背中)
- 座って足の裏にチューブをかけ、膝を伸ばしながら押し出す(太もも)
- 両膝にチューブを巻き、座ったまま膝を外に開く(お尻の横の筋肉)
アンクルウェイト(足腰の筋力)
足首に巻く重りです。座ったまま膝を伸ばす運動や、横になって足を上げる運動に負荷を加えられます。最初は0.5kg程度の軽い重さから始めましょう。
ペダル運動器(持久力・座りすぎ予防)
いすに座ったまま、自転車のようにペダルをこぐ器具です。テレビを見ながらでも続けやすく、足の関節を動かしたり、持久力を高めたりするのに役立ちます。床に置いて足でこぐほか、机に置けば腕の運動にも使えます。
電動で動くタイプ(体力に自信がない人)
モーターでペダルが回り、足を乗せているだけで動かせるタイプもあります。自分の力でこぐ運動に比べると筋力をつける効果は限られますが、関節を動かす、座りっぱなしを防ぐという目的には使えます。自分の力でこげるモードがあるかも確認しましょう。
立って使う踏み台昇降やステッパーは、手すりやつかまるものがないと転倒の危険があります。ふらつきがある人は、座ってできる器具を選ぶか、必ずつかまれる場所で使いましょう。
運動グッズを安全に使うための注意点
- 体調を確認してから始める熱がある、いつもより血圧が高い、胸の痛みや息苦しさがある、関節の痛みが強い日は、運動を休みます。
- 軽い負荷・少ない回数から最初は「少し物足りない」くらいの負荷で始め、翌日に痛みや疲れが残らないことを確認してから増やします。
- 息を止めない力を入れるときに息を止めると血圧が上がります。数を声に出して数えながら行いましょう。
- 痛みが出たら中止する運動中に関節や筋肉の痛み、めまい、動悸が出たら、すぐに中止します。
- 水分をとる運動の前後には水分をとり、暑い季節は室温にも注意します。

高血圧や心臓の病気がある人は、どうすればいいですか?

運動の内容や強さを、主治医に確認してからにしよう。訪問リハビリを利用している人なら、担当のPTが血圧や脈を見ながら、安全な運動の量を一緒に決めることができるよ。
自宅での運動を続けるコツ
- 時間を決める:朝食の後、テレビ番組の間など、毎日の生活の流れの中に運動の時間を組み込む
- 記録をつける:カレンダーに丸をつける、回数を書くなど、続けた日が目に見えるようにする
- 目標を生活に結びつける:「孫の運動会を見に行く」「一人で買い物に行く」など、運動の先にある楽しみを目標にする
- 家族や仲間と一緒に:家族と一緒に行う、通いの場や体操教室に参加するなど、人とのつながりも活用する
- できない日があっても気にしない:休んだ日があっても、翌日からまた再開すればよい
訪問リハビリでは、PTやOTが本人の体の状態に合わせて自主トレーニングのメニューを作り、道具の使い方も指導します。自主トレーニングの大切さや、参考になる本は関連記事で紹介しています。
運動グッズを使った1日15分のメニュー例
道具をそろえたら、毎日の流れの中で無理なく続けられるメニューを決めておくと迷いません。座ってできる内容を中心にした一例を紹介します。
| 順番 | 内容 | 時間・回数の目安 |
|---|---|---|
| 1. 準備運動 | 座ったまま足首を回す、肩を回す、深呼吸 | 2〜3分 |
| 2. 筋力トレーニング(足) | アンクルウェイトをつけて、座ったまま膝を伸ばす | 左右10回×1〜2セット |
| 3. 筋力トレーニング(腕・背中) | チューブを胸の前で左右に広げる | 10回×1〜2セット |
| 4. 持久力 | ペダル運動器を軽い負荷でこぐ | 5〜10分 |
| 5. 整理運動 | 太ももやふくらはぎのストレッチ | 2〜3分 |
※回数・時間は目安です。体力や持病に合わせて、担当のリハビリ職と調整してください。
筋力トレーニングは週2〜3日、ペダル運動やストレッチは体調のよい日に毎日、というように、曜日ごとに内容を変えると、疲れをためずに続けやすくなります。
訪問リハビリでの自主トレーニング支援【実践編】
訪問リハビリでは、PT・OTが自宅の環境で、本人に合った運動の内容と道具を一緒に決めることができます。
- 体の評価:筋力、バランス、関節の動き、持久力を評価し、優先して鍛えるところを本人と一緒に決める
- 道具の選定:本人の体力と置き場所に合う道具を提案し、正しい使い方を練習する
- メニューの紙を渡す:写真やイラスト入りのメニュー表を作り、訪問のない日でも一人で続けられるようにする
- 記録の確認:訪問のたびに運動の記録を確認し、負荷や回数を見直す。できるようになったことは本人と一緒に振り返り、次の目標を決める
よくある質問
運動グッズは介護保険で買えますか?
トレーニングチューブや重り、ペダル運動器などの運動用品は、介護保険の福祉用具(レンタル・購入)の対象ではありません。自費での購入になります。
毎日やった方が効果がありますか?
体を動かす習慣(歩く、家事をするなど)は毎日続けるのが理想ですが、筋力トレーニングは週2〜3日が推奨されています。同じ筋肉を鍛える運動は、間に休みの日をはさむとよいでしょう。
膝が痛い人でも使えますか?
痛みの原因や程度によって、合う運動が違います。痛みが強いときは無理をせず、主治医や担当のリハビリ職に相談してから、負担の少ない運動を選びましょう。
運動グッズがなくてもできる運動はありますか?
いすからの立ち座り、かかと上げ、足踏みなど、道具を使わない運動もたくさんあります。道具は「続けるきっかけ」や「負荷の調整」に役立つものと考えるとよいでしょう。
- 高齢者は1日40分以上の身体活動、多要素な運動を週3日以上、筋トレ週2〜3日が推奨されている
- 運動グッズは、座ってできるか・負荷を調整できるか・目的に合うか・置き場所で選ぶ
- 筋力にはチューブとアンクルウェイト、持久力や座りすぎ予防にはペダル運動器が便利
- ふらつきがある人は立って使う器具は避ける。体調確認・軽い負荷・息を止めないを守る
- 持病がある人は、始める前に主治医や担当のリハビリ職に相談する
※2026年10月時点で確認した情報です。制度は改定されるため、算定・運用の際は最新の通知・Q&Aと指定権者(都道府県・市町村)の案内をご確認ください。

