訪問リハビリの事務の仕事内容を紹介!必要な資格はあるかも解説

訪問リハビリは、利用者の自宅にリハビリ専門職が訪問し、身体機能の回復や生活の質を向上させるための支援を行うサービスです。しかし、現場でのリハビリ業務をスムーズに進めるためには、事務スタッフの存在が欠かせません。訪問リハビリの事務員は、事業所の運営を支える縁の下の力持ちとして、多岐にわたる業務を担当しています。
「訪問リハビリの事務ってどんな仕事をするの?」「資格は必要なの?」と疑問を持つ方も多いでしょう。
本記事では、訪問リハビリの事務の具体的な仕事内容や必要なスキル、そして事務員の役割について詳しく解説します。
訪問リハビリの業界に興味がある方や、事務職として働きたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
訪問リハビリの事務の仕事内容の例
訪問リハビリの事務員は、施設内での業務を担当し、リハビリスタッフがスムーズに訪問業務を行えるようサポートする役割を担っています。
具体的な業務内容を見ていきましょう。
介護ソフトに利用者情報を入力
訪問リハビリの事務の基本的な業務の一つに、利用者情報の管理があります。事業所では、利用者ごとにリハビリ計画や訪問スケジュールが決まっており、それらの情報を介護ソフトに入力・更新する作業が日常的に発生します。
介護ソフトは、訪問リハビリのスケジュール管理や記録、請求業務を一括で管理するシステムです。主な業務として、以下のような情報を入力します。
- 利用者の基本情報(氏名、住所、連絡先、主治医、ケアマネージャーなど)
- 訪問リハビリの実施状況(訪問日、リハビリ内容、担当スタッフ)
- 介護保険の情報(負担割合、支払い方法)
- 退院・退所後のフォローアップ状況
これらの情報を正確に管理することで、スムーズな業務運営が可能になり、スタッフの負担も軽減されます。正確なデータ入力が求められるため、細かい作業が得意な方に向いている仕事です。
請求業務全般
訪問リハビリの事務員は、介護報酬の請求業務を担当することが多く、事業所の運営に欠かせない役割を担っています。
請求業務には、以下のような作業が含まれます。
- レセプトの作成・提出
訪問リハビリの提供実績をもとに、介護保険やへ請求を行うための書類を作成し、月初に提出します。 - 保険請求のデータ入力
介護ソフトを使用し、訪問リハビリ実績をもとに請求額を計算し、保険者(介護保険:国保連合会)へ請求を行います。 - 利用者負担額の計算と請求書の発行
利用者が負担する自己負担分の金額を算出し、請求書を作成・送付します。
請求業務は、ミスが発生すると保険請求のトラブルにつながるため、正確さが求められる業務です。
請求書や領収書作成(封筒詰め)
訪問リハビリの利用者には、請求書や領収書の発行業務も重要な仕事の一つです。事務員は、請求書の作成だけでなく、封筒に詰めて郵送する作業までを担当することが一般的です。
この業務では、利用者ごとに異なる料金や支払い状況を正確に把握し、誤りなく書類を作成することが求められます。また、請求書の送付後、利用者や家族からの問い合わせにも対応することがあるため、コミュニケーション能力も必要です。
他医療機関やケアマネへの報告書の郵送
訪問リハビリでは、医師やケアマネージャーとの連携が欠かせません。そのため、リハビリの実施状況や経過を記載した報告書を定期的に作成し、郵送・FAXで送る作業が発生します。
報告書の送付業務は、単なる郵送作業ではなく、医師やケアマネージャーと訪問リハビリ事業所をつなぐ重要な役割を果たします。正確かつ迅速な対応が求められるため、事務員はスケジュール管理を徹底し、期日までに報告書を送付する必要があります。
他医療機関に訪問リハビリ指示書(診療情報提供書)の依頼
訪問リハビリを提供するためには、主治医からの訪問リハビリ指示書(診療情報提供書)が必要になります。事務員は、必要な書類を準備し、医療機関に依頼を行う業務を担当します。
訪問リハビリ指示書の取得は、スムーズなサービス提供のために非常に重要な業務です。遅れるとリハビリの実施に支障をきたすため、医療機関と円滑にやり取りできるコミュニケーション能力が求められます。
電話対応、受付対応
事務員は、事業所の窓口対応として、電話や来客対応を行う役割も担っています。利用者やその家族、ケアマネージャー、医療機関などからの問い合わせに対応し、必要に応じてリハビリスタッフにつなぐ業務が含まれます。
訪問リハビリのスケジュール調整や相談受付を行う場面も多いため、正確な情報を伝える力と、丁寧な対応が求められます。
事務所や車両の掃除
事務員は、事業所内の整理整頓や清掃業務を担当することもあります。また、訪問リハビリでは車両を使用するため、業務終了後に車内の清掃や消毒作業を行うこともあります。
清潔な環境を保つことで、職員が快適に働けるだけでなく、利用者を迎える事業所としての信頼も高まります。
物品管理、発注
訪問リハビリでは、リハビリ機器や医療用品、事務用品などの備品管理が欠かせません。事務員は、必要な物品の在庫を確認し、適切なタイミングで発注を行う業務を担当します。
特に、訪問時に使用する物品が不足しないよう、計画的に発注・補充を行うことが求められます。

訪問リハビリの事務員は資格不要
訪問リハビリの事務員として働くために、特別な資格は不要です。
一般的な事務業務と同様に、パソコンでのデータ入力や書類作成、電話応対などのスキルがあれば、未経験者でも働くことが可能です。しかし、訪問リハビリの業務に関する知識があると、よりスムーズに業務をこなすことができるため、業界経験がある方や、介護・医療系の資格を持っている方は優遇される場合があります。
事務業務に役立つスキルや知識
資格は不要とはいえ、以下のスキルや知識があると仕事に役立ちます。
- パソコンスキル(Excel・Word・介護ソフトの操作)
介護ソフトへのデータ入力や、請求書・報告書の作成に必要なため、基本的なパソコンスキルは必須です。 - 訪問リハビリや介護保険制度に関する知識
訪問リハビリは、医療保険と介護保険の両方を扱うため、それぞれの制度を理解しておくと、請求業務や利用者対応がスムーズになります。 - コミュニケーション能力
事務員は、リハビリスタッフや利用者、ケアマネージャー、医療機関など、多くの人と関わる仕事です。円滑な業務を進めるためには、適切なコミュニケーションが求められます。 - スケジュール管理能力
訪問リハビリは、決められたスケジュールのもとで動くため、請求業務や報告書の提出期限をしっかり管理する能力が必要です。
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が事務員を兼務するケースも
訪問リハビリの現場では、理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)が事務業務を兼務することもあります。
特に、小規模の訪問リハビリ事業所では、リハビリスタッフが直接請求業務や報告書作成を担当する場合があります。医療や介護の知識を持つスタッフが事務業務を兼任することで、より正確な書類作成が可能になるというメリットがあります。
しかし、リハビリスタッフが事務業務に時間を取られすぎると、利用者へのケアに支障が出るため、事務専任のスタッフを配置している事業所も多くなっています。訪問リハビリ事業所を選ぶ際には、事務業務の負担がどのように分担されているかを確認すると良いでしょう。
訪問リハビリの事務員は訪問リハビリスタッフのサポート役
訪問リハビリの事務員は、単なる事務作業だけでなく、リハビリスタッフの業務が円滑に進むようにサポートする役割を担っています。
訪問リハビリは、利用者の自宅で実施されるため、スタッフが一度事業所を出ると、基本的には外での業務が中心になります。そのため、事業所内で事務員がサポートすることで、リハビリスタッフは利用者への対応に集中できる環境が整います。
事務員の具体的なサポート業務
- スケジュール管理と調整
訪問リハビリでは、利用者ごとに訪問日時が決まっていますが、急なキャンセルや変更が発生することもあります。事務員は、スケジュールを管理し、必要に応じてリハビリスタッフや利用者、ケアマネージャーと調整を行います。 - 書類の準備と整理
リハビリスタッフが利用者のリハビリ計画や報告書を作成する際に、必要な書類を整理し、スムーズに作業できるようサポートします。また、医療機関やケアマネージャーへ送付する書類の確認や郵送作業も担当します。 - 物品管理と補充
訪問リハビリでは、血圧計や測定器具、運動補助具など、さまざまな備品を使用します。事務員は、これらの物品を管理し、不足がないよう発注・補充を行います。これにより、リハビリスタッフは必要な物品をスムーズに利用でき、訪問業務が滞りなく進みます。 - 事業所の環境整備
事務員は、事業所内の清掃や整理整頓を行い、働きやすい環境を整えることも大切な役割の一つです。特に、訪問リハビリの事業所には、利用者や家族が来訪することもあるため、常に清潔で整理された状態を保つことが求められます。 - リハビリスタッフのサポート全般
訪問リハビリでは、一人ひとりの利用者に適したケアを提供することが求められます。リハビリスタッフが利用者へのケアに集中できるよう、事務員が事務的な業務を担うことで、サービスの質の向上につながります。
まとめ
訪問リハビリの事務員は、リハビリスタッフの業務を支え、事業所全体の運営を円滑にする重要な役割を担っています。主な業務には、利用者情報の入力、請求業務、書類作成、電話対応、物品管理などがあり、リハビリスタッフがスムーズに業務を進めるために欠かせない存在です。
特別な資格は不要ですが、パソコンスキル、スケジュール管理能力、訪問リハビリの知識があると、よりスムーズに仕事をこなすことができます。また、小規模な事業所では、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士が事務業務を兼務するケースもあります。
事務員の仕事は多岐にわたりますが、リハビリスタッフと協力しながら、利用者へ質の高いサービスを提供できるようサポートすることが、最大のやりがいとなります。訪問リハビリの事務職に興味がある方は、ぜひこの仕事に挑戦してみてはいかがでしょうか。