作業療法士が退職する理由とは?OTならではの悩みと面接での伝え方

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「作業療法士なのに、やっていることは機能訓練ばかり」「OTの役割がチームに伝わらず、もどかしい」——作業療法士の退職理由には、給与や人間関係だけでなく、作業療法の専門性に関わる悩みが多く含まれます。

この記事では、作業療法士が退職する理由をOTならではの悩みと、どの職種にも共通する悩みに分けて整理します。退職理由を面接で前向きに伝える例文、分野をまたぐ転職での注意点、辞める前に確認したいこともまとめました。退職の手続きや法律のルールは、理学療法士向けの関連記事で詳しく解説しています。

この記事でわかること
  • 作業療法士ならではの退職理由
  • どの職種にも共通する退職理由
  • 退職理由を面接で前向きに伝える例文
  • 分野をまたぐ転職での注意点
  • 辞める前に確認したいこと

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目次

作業療法士ならではの退職理由

理学療法士及び作業療法士法では、作業療法を、主として応用的動作能力や社会的適応能力の回復を図るものと定めています。この「生活」と「参加」を支える専門性が発揮できない環境が、OTの退職理由になりやすいのが特徴です。

OTならではの理由具体例
専門性が生かせない上肢の機能訓練や歩行練習ばかりで、生活動作や作業への関わりができない
役割が伝わらない理学療法士との違いが理解されず、同じ業務を求められる
分野を変えたい身体障害から精神科、成人から小児、病院から地域・就労支援へ移りたい
OTが少数派職場にOTが一人で、相談できる相手やOTとしての学びの機会がない
成果が見えにくい生活や参加の変化は数字にしにくく、評価されにくい
新人PT
新人PT

機能訓練だけになってしまうのは、OTとしてつらいですね。

ベテランPT
ベテランPT

職場の方針や人員配置でそうなることもあるんだ。ただ、その中でも生活の視点を入れる工夫はできる。工夫しても難しいなら、OTの専門性を求めている職場を探すのも前向きな選択だよ。

どの職種にも共通する退職理由

理由具体例
給与・待遇昇給が少ない、賞与が少ない、役職がない
働き方単位のノルマ、残業、休日出勤
人間関係上司・先輩との関係、部署の雰囲気
家庭の事情結婚・出産・育児・介護、転居
心身の負担疲労の蓄積、気持ちの落ち込み

令和7年賃金構造基本統計調査では、作業療法士を含む4職種の年収換算は平均約444万円、平均勤続年数は8.4年です。給与の伸びがゆるやかなことも、キャリアの途中で職場を見直すきっかけになっています。OTならではの悩みと共通の悩みが重なると、退職を考える気持ちが強くなりやすいため、何が一番の理由なのかを整理しておくことが大切です。

作業療法士の退職理由を面接で前向きに伝える例文

専門性を生かしたい場合

例文

現職では運動器疾患の機能訓練が中心で、生活動作や家事への関わりが限られていました。患者さんの「家で料理をしたい」という希望に応える中で、生活に根ざした作業療法に力を入れたいと考えるようになり、ADLやIADLの支援に取り組まれている貴院を志望しました。

分野を変えたい場合(身体障害→精神科)

例文

回復期病院で5年間、身体障害の方の作業療法に携わる中で、意欲の低下や不安を抱える方への関わりにやりがいを感じてきました。精神障害のある方の地域生活を支える作業療法を学びたいと考え、デイケアや就労支援まで一貫して関われる貴院を志望しました。

OTが少数派の職場から移りたい場合

例文

現職ではOTが私一人で、評価や方針を相談できる環境が限られていました。複数のOTが在籍し、事例検討や教育の体制が整った環境で専門性を高め、将来は後輩の育成にも関わりたいと考えています。

家庭の事情の場合

例文

子育てとの両立のため、勤務時間の調整がしやすい職場を探しています。限られた時間でも、生活動作の評価と家族への助言の経験を生かし、質の高い作業療法を提供したいと考えています。

退職理由を伝えるときのNG例

NG例なぜNGか言い換えのポイント
「PTばかり優遇されていた」前職への不満に聞こえるOTの専門性を生かせる環境で働きたい、と前向きに
「上司と合わなかった」同じことが起きるのではと思われるチームで情報を共有しながら働ける環境を重視している、と伝える
「特に理由はない」志望度が低く見える転職で実現したいことを一つ具体的に伝える

分野をまたぐ転職での注意点

  • 新しい分野で求められる知識と、すでに持っている経験の共通点を整理する
  • 研修の受講など、すでに始めている準備を具体的に伝えられるようにしておく
  • 給与が一時的に下がる可能性と、その期間を確認しておく
  • 教育体制があるか、相談できるOTがいるかを確認する
  • 見学で、実際にOTがどのような関わりをしているかを見ておく
  • 可能であれば、現場のOTに直接話を聞く
注意

「OTらしい仕事ができる」と思って転職しても、職場によっては人員の事情で同じ悩みが起こることがあります。見学や面接で、OTの業務の範囲と配置を具体的に確認しましょう。

退職理由別の次の職場の選び方

退職理由向いている職場の例確認したいこと
生活動作に関わりたい回復期病院、訪問リハビリ、介護老人保健施設ADL・IADLの練習や家屋訪問の実施状況
精神障害に関わりたい精神科病院、デイケア、精神科訪問看護OTの人数と、教育の体制
子どもに関わりたい療育センター、児童発達支援保護者・学校との連携の方法
働くことを支えたい就労移行支援、障害者職業センターなどOTに求められる役割と評価の方法
OTの仲間と学びたいOTが複数在籍する病院・法人事例検討や研修の頻度

今の職場でOTの専門性を生かす工夫

すぐに辞められない場合や、もう少し様子を見たい場合は、今の職場でできることから始めてみましょう。

  • 機能訓練の中に、実際の生活動作(更衣、整容、家事など)を取り入れる
  • カンファレンスで、生活や参加の視点からの評価と提案を発信する
  • 家族への介助指導や環境調整の提案を、OTの役割として担う
  • OTの視点を伝える院内勉強会を企画する

小さな取り組みでも、OTの役割が周囲に伝わると、任される業務が変わることがあります。それでも変わらなければ、転職を考えるときの根拠にもなります。

辞める前に確認したいこと

  1. 今の職場で解決できないか考える担当の調整や、生活動作に関わる業務を増やす提案など、職場内で変えられることがないか検討します。
  2. 転職で実現したいことを一つに絞る専門性、分野、働き方、給与のうち、最も大切にしたいことを決めます。優先順位があると、求人を比べやすくなります。
  3. 就業規則と有給休暇を確認する退職の申し出の期限と、有給休暇の残日数を確認し、退職日を決めます。
  4. 雇用保険の扱いを知っておく自己都合退職の給付制限は、令和7年4月1日以降の離職では原則1か月です。

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よくある質問

作業療法士は理学療法士より転職しやすいですか?

職種による違いより、経験の内容と応募先の分野との相性で決まります。作業療法士は精神科、小児、就労支援、地域など活躍の場が広いため、分野をまたぐ転職の選択肢が多いのが特徴です。

作業療法士を辞めて別の仕事に就く人もいますか?

福祉用具や医療機器の企業、ケアマネジャー、教育関係など、資格や経験を生かして別の仕事に移る人もいます。資格を生かせる仕事から検討すると、経験を評価されやすくなります。

退職理由を正直に話したほうがいい場合はありますか?

家庭の事情や健康上の理由で勤務に配慮が必要な場合は、入職後のミスマッチを防ぐために、必要な範囲で正直に伝えたほうがよいでしょう。その際も、働く意欲とあわせて伝えることが大切です。

退職を伝えるとき、上司にもOTの専門性の話をしたほうがいいですか?

伝えてかまいませんが、職場への批判に聞こえないよう、「今後、生活動作の支援により深く関わりたい」など、自分のキャリアの希望として伝えるのがポイントです。感謝の言葉も忘れずに添えましょう。

入職して半年ですが、OTの仕事ができず辞めたいです。

半年での判断は早いと感じる場合もありますが、業務の範囲が入職前の説明と大きく違う場合は、まず上司に相談しましょう。改善の見込みがなければ、次の職場では見学で業務の範囲を具体的に確認し、同じことが起きないよう準備しましょう。

まとめ|作業療法士の退職理由は専門性への思いを前向きに伝える

作業療法士の退職理由には、専門性が生かせない、役割が伝わらない、分野を変えたい、OTが少数派で学びにくいといったOTならではの悩みと、給与や働き方などの共通の悩みがあります。面接では、前職への不満ではなく「作業療法で何を実現したいか」を中心に伝えましょう。分野をまたぐ転職では、共通して生かせる経験と準備を示し、見学でOTの業務の範囲を確認することが大切です。

この記事のまとめ
  • OTならではの理由は専門性が生かせない・役割が伝わらない・分野を変えたいなど
  • 面接では不満ではなく、作業療法で実現したいことを伝える
  • 「PTばかり優遇」などの不満は前向きな言葉に言い換える
  • 分野をまたぐ転職は、共通する経験と準備を具体的に示す
  • 見学でOTの業務の範囲と配置を確認し、同じ悩みの繰り返しを防ぐ
引用・出典(公的機関)

※2026年10月時点で確認した情報です。制度は改定されるため、算定・運用の際は最新の通知・Q&Aと指定権者(都道府県・市町村)の案内をご確認ください。

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