【転職編】作業療法士の履歴書に書く志望動機の例文を紹介

作業療法士（OT）として働く中で、「今の職場ではスキルアップが難しい」「給与がなかなか上がらない」「職場の人間関係が合わない」など、さまざまな理由で転職を考えることがあるでしょう。しかし、転職活動を成功させるためには、履歴書の「志望動機」をしっかり書くことが重要です。

履歴書の志望動機は、採用担当者が最も重視するポイントの一つです。どのような理由で転職を決めたのか、なぜその施設・病院を選んだのかを明確に伝えられるかどうかが、採用の可否に大きく影響します。しかし、ありきたりな理由やマイナスな印象を与える書き方をすると、面接まで進めない可能性もあります。

本記事では、作業療法士が転職を考える代表的な4つのパターンや、履歴書に志望動機を書く際のポイント、具体的な例文を紹介します。転職活動をスムーズに進めるために、ぜひ参考にしてください！

作業療法士の転職する4つのパターン

作業療法士の転職理由はさまざまですが、大きく分けると**「スキルアップ」「給与アップ」「職場環境の改善」「ライフスタイルの変化」**の4つのパターンに分類されます。それぞれの理由について詳しく見ていきましょう。

① スキルアップを目的とした転職

「より高度な技術や知識を学びたい」「専門分野を極めたい」と考える作業療法士は多く、スキルアップのために転職を決意するケースは珍しくありません。

転職先の例

• 急性期病院で、より専門的なリハビリ技術を学ぶ
• 訪問リハビリに転職し、在宅医療の経験を積む
• デイケアや介護施設で、高齢者リハビリに特化した知識を深める

志望動機を書く際には、「今の職場では学べないスキルを習得したい」という前向きな理由を強調することが大切です。

② 給与アップを目的とした転職

「今の職場では昇給が見込めない」「もっと収入を増やしたい」と考え、転職を決意する作業療法士も多いです。特に、病院勤務は給与が上がりにくいため、訪問リハビリや介護施設への転職を検討するケースが増えています。

転職先の例

• 訪問リハビリに転職し、歩合制で高収入を目指す
• 管理職として採用される病院・施設に転職する
• 民間のリハビリ特化型デイサービスで給与アップを狙う

志望動機を書く際には、「年収アップだけが目的」と捉えられないよう、施設の理念や業務内容にも関心を持っていることを伝えるのがポイントです。

③ 職場環境の改善を目的とした転職

「今の職場の人間関係が合わない」「労働環境が厳しすぎる」「残業が多い」といった理由で転職を決める人も多いです。

転職先の例

• ワークライフバランスを重視した職場へ転職する
• よりチームワークを大切にしている病院・施設を選ぶ
• 勤務時間が安定しているリハビリ専門病院に転職する

ただし、志望動機では「今の職場の不満」を強調しすぎないように注意が必要です。「より良い環境で働きたい」という前向きな表現を心がけましょう。

④ ライフスタイルの変化による転職

結婚・出産・介護などのライフスタイルの変化に伴い、「勤務時間を調整できる職場に移りたい」「勤務地を変更したい」と考える人も多いです。

転職先の例

• 家庭との両立がしやすいクリニックやデイサービスに転職する
• 引っ越しに伴い、新しい地域の病院・施設に転職する
• 夜勤がない職場へ転職し、生活リズムを安定させる

志望動機を書く際には、「プライベートとの両立」だけでなく、「施設の理念や業務内容にも魅力を感じた」ことをアピールするのがポイントです。

作業療法士が志望動機を伝えるときに気をつけるポイント

作業療法士が志望動機を伝えるときに気をつけるポイントを紹介します。

ぜひ、参考にしてみてください。

① 前職の不満を強調しすぎない

転職理由が職場環境の不満や給与の低さであったとしても、ネガティブな表現は避け、前向きな言い回しを心がけることが大切です。 採用担当者は、「この人はまた不満を理由に転職するのでは？」と不安に感じるため、退職理由ではなく、新しい環境での意欲や成長をアピールすることが重要です。

悪い例：

「現在の職場は給与が低く、昇給もほとんどないため転職を考えました。」

良い例：

「これまでの経験を活かしながら、より成長できる環境で働きたいと考えています。」

このように、「不満」よりも「新たな挑戦」や「スキルアップの機会」を志望動機にすることで、好印象を与えられます。

② 転職先の施設・病院の理念と合致させる

履歴書の志望動機では、「なぜこの施設を選んだのか？」を明確に伝えることが重要です。 そのためには、応募先の病院や施設の理念や特徴を事前にリサーチし、それに共感していることを伝えると良いでしょう。

良い例：

「貴院では回復期リハビリに力を入れており、患者様の在宅復帰を支援する体制が整っています。これまでの経験を活かしながら、より専門的なリハビリを提供したいと考え、応募いたしました。」

このように、「貴院（貴社）だからこそ応募した」という理由を明確にすることで、採用担当者に好印象を与えることができます。

③ 自分の強みを具体的にアピールする

単に「ここで働きたい」という気持ちを伝えるだけでなく、「自分がどのように貢献できるのか」を明確にすることが大切です。 これまでの経験や得意な分野を交えて、どのように活躍できるのかを具体的に伝えましょう。

良い例：

「これまで急性期病院での勤務経験があり、特に脳卒中患者様へのリハビリに携わってきました。貴院の回復期リハビリテーションにおいて、患者様の在宅復帰を目指すリハビリに貢献できると考えております。」

このように、自分の経験を応募先のニーズと結びつけることで、より説得力のある志望動機になります。

作業療法士が履歴書に書く志望動機の例文（転職編）

作業療法士として転職する際の志望動機は、転職理由を前向きに伝えつつ、応募先の特徴と合致させることがポイントです。

以下では、転職の目的ごとに具体的な例文を紹介します。

例文①【スキルアップ目的の転職】

（現職：一般病院 → 転職先：回復期リハビリ病院）

志望動機：
「現在、急性期病院に勤務し、作業療法士として多くの患者様のリハビリに携わってきました。しかし、急性期の短期間のリハビリだけでは、患者様の在宅復帰や社会復帰に向けた支援が十分にできないと感じるようになり、回復期でのリハビリに携わりたいと考えるようになりました。

貴院は、回復期リハビリに力を入れており、患者様一人ひとりの生活背景を考慮した包括的なリハビリテーションを提供している点に魅力を感じています。私自身も、ADL（日常生活動作）の向上に焦点を当てた作業療法を深く学び、より効果的なリハビリを提供できるよう成長したいと考えています。

これまでの経験を活かしつつ、回復期に特化した知識や技術をさらに高め、患者様が安心して退院できるような支援を行っていきたいと思います。」

ポイント：

例文②【給与アップを目的とした転職】

（現職：病院勤務 → 転職先：訪問リハビリ）

志望動機：
「現在、病院の作業療法士として勤務していますが、業務量に対して給与の伸びが少なく、今後のキャリアを考える上で収入を向上させることが必要だと感じるようになりました。そこで、訪問リハビリという形で、患者様とじっくり向き合いながら成果を上げることで、収入面でも成長できる環境を求めて転職を決意しました。

貴社は訪問リハビリの分野で実績があり、歩合制の仕組みを活用することで、頑張りが直接収入につながる点に魅力を感じています。また、患者様のご自宅での生活環境に応じたリハビリを提供できる訪問リハビリは、作業療法士としての専門性をより発揮できる場でもあると考えています。

これまでの経験を活かし、訪問リハビリの現場で即戦力として貢献しつつ、さらなるスキルアップを目指したいと考えています。」

ポイント：

例文③【職場環境の改善を目的とした転職】

（現職：急性期病院 → 転職先：リハビリ特化型デイサービス）

志望動機：
「現在、急性期病院にて作業療法士として勤務していますが、夜間対応や残業が多く、長期的に働く環境としては難しいと感じるようになりました。患者様と関わる時間をしっかり確保しながら、ワークライフバランスを整えられる環境で働きたいと考え、転職を決意しました。

貴社のリハビリ特化型デイサービスでは、利用者様と長期的に関わりながら、個々の生活課題に沿った支援ができる点に魅力を感じています。また、医療職と介護職が密に連携しながらサービスを提供していることにも共感し、私自身もチームの一員として貢献したいと考えています。

これまでの経験を活かしつつ、より利用者様に寄り添ったリハビリを提供できるよう努めたいと思います。」

ポイント：

例文④【ライフスタイルの変化による転職】

（現職：総合病院 → 転職先：クリニック勤務）

志望動機：
「これまで総合病院の作業療法士として勤務し、多くの患者様のリハビリに携わってきました。しかし、結婚・出産を経て、家庭との両立が必要になったため、ワークライフバランスを考慮し、日勤のみの職場で働きたいと考えるようになりました。

貴院は地域に密着したクリニックとして、幅広い年齢層の患者様を対象にリハビリを提供している点に魅力を感じています。また、病院勤務で培った経験を活かし、患者様一人ひとりに合ったリハビリプランの提案や、生活支援を行っていきたいと考えています。

今後も作業療法士としてスキルを活かしつつ、長く働ける環境で地域医療に貢献していきたいと考えています。」

ポイント：

まとめ

作業療法士の転職理由はさまざまですが、履歴書の志望動機では前向きな理由を伝えつつ、応募先の病院・施設の特徴と合致させることが大切です。

履歴書の志望動機を書く際のポイント

1. ネガティブな表現は避け、「スキルアップ」や「新たな環境での挑戦」など前向きな理由を強調する。
2. 転職先の特徴に触れ、「なぜこの病院・施設なのか」を明確にする。
3. 応募先の方針や理念と自分の考えを結びつけ、説得力のある文章にする。

志望動機をしっかりと考え、履歴書の印象を良くすることで、転職成功の可能性を高めましょう！