要介護認定区分の早わかり表|要支援1〜要介護5の違い・支給限度額を完全解説

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「要介護1と要介護2って、結局なにが違うの?」「要支援2と要介護1は、表で見ると境目があいまい…」――介護保険の利用を考えたとき、まず最初につまずきやすいのが要介護認定区分です。区分によって使えるサービスの種類も、1か月に使える上限額も大きく変わるため、ここを正しく押さえておくことは介護の出発点になります。

この記事では、厚生労働省の基準にもとづく要介護認定区分の「早わかり表」を中心に、要支援1〜要介護5の状態像、区分支給限度基準額(令和6年度)、申請の流れ、リハ職目線のポイントまでをまとめて解説します。ご家族・ご本人にも、現場のPT・OT・ST、ケアマネジャーにも、そのまま使える内容にしました。

この記事でわかること
  • 要介護認定区分(要支援1〜要介護5)の早わかり表
  • 各区分の状態像と、判定の基準となる「要介護認定等基準時間」
  • 令和6年度の区分支給限度基準額(単位数・自己負担の目安)
  • 要介護認定の申請から認定までの流れ(STEPで解説)
  • リハ職目線で押さえる、区分別リハビリの考え方
目次

要介護認定区分の早わかり表【全7区分を一覧で比較】

まず最初に、この記事のメインである要介護認定区分の早わかり表をお見せします。要支援1から要介護5までの7区分を、状態像のイメージ・要介護認定等基準時間・受けられる給付・1か月の支給限度額(令和6年度)まで一枚で見比べられるように整理しました。

早わかり表:要支援1〜要介護5を一覧で比較

区分 状態像のイメージ 要介護認定等基準時間 給付の種類 区分支給限度基準額
(令和6年度)
要支援1 日常生活はほぼ自立。立ち上がりや家事の一部に見守り・手助けが必要な状態。 25分以上32分未満 予防給付 5,032単位
要支援2 要支援1より日常生活動作に低下が見られ、機能維持・改善の余地がある状態。 32分以上50分未満 予防給付 10,531単位
要介護1 要支援2と同等の介護量だが、認知機能の低下や状態の不安定さがあり、介護給付が必要な状態。 32分以上50分未満 介護給付 16,765単位
要介護2 立ち上がり・歩行・排泄・入浴などに部分的な介助が必要な状態。 50分以上70分未満 介護給付 19,705単位
要介護3 移動・排泄・入浴などほぼ全面的な介助が必要。認知症の症状も見られることが多い状態。 70分以上90分未満 介護給付 27,048単位
要介護4 介助なしには日常生活が困難。意思疎通の難しさが目立つことも多い状態。 90分以上110分未満 介護給付 30,938単位
要介護5 寝たきりに近く、生活全般で全面的な介護を要する状態。意思疎通もほぼ困難。 110分以上 介護給付 36,217単位

状態像はあくまで一般的なイメージで、同じ区分でも個人差は大きいのが現実です。区分は「介護にどれくらいの手間(時間)が必要か」を全国共通のものさしで測ったもの、と捉えてください。

POINT

区分支給限度基準額は1単位=10〜10.7円(サービス・地域により異なる)で計算します。たとえば要介護3(27,048単位)は1単位10円換算で月約27万円分のサービスを保険適用で利用できる、というイメージです。

表でわかる「要支援」と「要介護」の違い

早わかり表をもう一度見ると、要支援1〜2と要介護1〜5は「給付の種類」の列で大きく区別されていることがわかります。要支援は予防給付、要介護は介護給付です。

  • 要支援1・2:日常生活の自立度が高く、機能維持・悪化予防が目的。介護予防サービスを利用する。
  • 要介護1〜5:継続して常時介護を必要とする状態。生活を支える介護サービスを利用する。
  • 非該当(自立):要支援にも要介護にも該当しない状態。市町村の総合事業を利用できる。
新人PT
新人PT

要支援2と要介護1って、基準時間が同じ「32分以上50分未満」なんですね…。なぜ区分が分かれるんですか?

ベテランPT
ベテランPT

いい質問だね。基準時間は同じでも、二次判定で「状態が安定しているか」「予防給付を適切に使えるか」を見て、要支援2と要介護1を振り分けるんだ。認知症が進んでいたり、病状が不安定だったりすると、要介護1に振り分けられやすいよ。

そもそも要介護認定区分とは?基本のしくみ

「区分の表は読めたけれど、そもそも要介護認定って何を測っているの?」という方のために、ここで一度要介護認定の基本のしくみを押さえておきましょう。

要介護認定の目的:介護の手間を「分」で測る

要介護認定は、その人の病気の重さを測るものではありません。あくまで「介護サービスをどれくらい必要としているか(介護の手間)」を、全国共通のものさしで判断する仕組みです。

厚生労働省は次のように説明しています。

押さえどころ

要介護認定は、介護サービスの必要度(どれ位、介護のサービスを行う必要があるか)を判断するもの。したがって、病気の重さと要介護度の高さは必ずしも一致しません

たとえば、身体機能は比較的保たれているアルツハイマー型認知症の方が、徘徊などの行動・心理症状(BPSD)のために介護の手間が非常に大きくなり、要介護度が高く出るケースもあります。逆に、寝たきりに近くても病状が落ち着いていれば、介護の総量としてはそれほど大きく増えないこともあります。

一次判定と二次判定の流れ

要介護認定区分は、「一次判定」と「二次判定」の二段階で決まります。

  1. 一次判定(コンピュータ判定)市町村の認定調査員による聞き取り調査(74項目)と主治医意見書をもとに、コンピュータが「要介護認定等基準時間」を推計し、区分の候補を出します。
  2. 二次判定(介護認定審査会)保健・医療・福祉の学識経験者で構成される審査会が、一次判定の結果と主治医意見書・特記事項を総合的に勘案し、最終的な区分を決定します。

判定はあくまで「介護の手間の総量」を見るものなので、同じ病名・同じ年齢でも、生活環境や認知症状の有無で区分が変わることは珍しくありません。

「要介護認定等基準時間」とは(厚労省の公式定義)

早わかり表に出てきた要介護認定等基準時間は、厚生労働省が定める要介護度判定の中核となる指標です。次の5分野で必要な介護時間を「分」で算出し、その合計(+認知症加算)で区分が決まります。

行為区分内容の例
直接生活介助入浴・排泄・食事・移動・清潔保持などの介助
間接生活介助洗濯・掃除などの家事援助
BPSD関連行為徘徊への対応、不潔行為への後始末など
機能訓練関連行為歩行訓練、日常生活動作訓練などのリハビリ
医療関連行為輸液の管理、褥瘡の処置などの診療の補助
注意

要介護認定等基準時間は「1分間タイムスタディ」という特別な調査をもとに推計した時間で、実際に家庭で行われる介護時間とは一致しません。あくまで全国一律のものさし、と理解しておきましょう。

要介護認定区分ごとの状態像をやさしく解説

ここからは、表にある状態像をもう一段かみ砕いて、各区分のイメージを具体的にお伝えします。「うちの親はどのあたりだろう?」と当てはめながら読んでみてください。

要支援1・要支援2(予防給付の対象)

要支援は、日常生活はおおむね自分でできるが、放っておくと要介護に進みそうな状態です。介護予防サービスを使って、今の生活機能を維持・改善することがゴールになります。

  • 要支援1:起き上がり・立ち上がりに少し支えが必要。買い物や掃除など複雑な家事は手助けがあると安心、というレベル。
  • 要支援2:要支援1に比べて運動機能や生活動作にもう一段の低下があり、転倒リスクや家事の負担が増えてくる状態。

要介護1・要介護2

要介護1〜2は、立ち上がりや歩行が不安定で、日常生活の一部に介助が必要な段階です。在宅生活を続けながら、訪問介護・通所介護・訪問リハビリなどを組み合わせて支えることが多くなります。

  • 要介護1:歩行や立ち上がりに見守りが必要。入浴や排泄も一部介助。認知機能の低下が見られることも。
  • 要介護2:立ち上がりに支えが必要で、入浴・排泄・着替えに部分介助が必要。理解力の低下が出てくる場合も。

要介護3・要介護4・要介護5

要介護3以上は、日常生活全般に介助が必要となり、家族だけで支えるのが難しくなる段階です。特別養護老人ホーム(特養)の入所要件が「原則要介護3以上」となっているのも、この段階の介護量を反映したものです。

  • 要介護3:立ち上がりや歩行が自力では困難。入浴・排泄に全介助が必要なことが多く、認知症の症状もみられる。
  • 要介護4:日常生活のほぼ全てに介助が必要。意思疎通の難しさが目立つことも増えてくる段階。
  • 要介護5:寝たきりに近く、食事・排泄・更衣などすべてに全面的な介護が必要。意思疎通もほぼ困難。
新人PT
新人PT

表だと境目がはっきり見えますけど、実際の現場ではグラデーションっぽいですよね。要介護2と3の境目が、特にあいまいに感じます。

ベテランPT
ベテランPT

そうなんだよ。「立ち上がり・移乗・排泄を自分でできるか」が、要介護2と3を分ける一つの目安。リハビリで「移乗を自立に戻せたら」、生活全体が変わるし、家族の負担も大きく変わるよ。

区分支給限度基準額の早わかり表【令和6年度版】

区分が決まると、1か月に介護保険で使える上限額(区分支給限度基準額)も決まります。ここを正しく押さえると、ケアプランの組み立てがぐっとイメージしやすくなります。

単位数と自己負担の目安

区分 支給限度額
(単位/月)
金額換算の目安
(1単位10円の場合)
自己負担(1割)の目安
要支援15,032単位約50,320円約5,032円
要支援210,531単位約105,310円約10,531円
要介護116,765単位約167,650円約16,765円
要介護219,705単位約197,050円約19,705円
要介護327,048単位約270,480円約27,048円
要介護430,938単位約309,380円約30,938円
要介護536,217単位約362,170円約36,217円

金額換算は1単位=10円の場合の目安です。実際はサービスの種類や地域によって1単位=10〜10.7円と異なり、都市部のほうがやや高くなります。自己負担は所得に応じて1割・2割・3割に区分されます。

限度額を超えるとどうなる?

区分支給限度基準額を超えてサービスを利用した場合、超えた分はすべて全額自己負担になります。たとえば要介護1の方が月20,000単位ぶんのサービスを使った場合、限度額(16,765単位)を超える約3,235単位ぶんは保険適用外となります。

注意

居宅療養管理指導、認知症対応型共同生活介護、特定施設入居者生活介護、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護などは、区分支給限度基準額の対象外です。これらは別枠で利用できます。

要介護認定の申請から認定までのステップ

「うちの親もそろそろ認定を受けたほうがいいかも…」と感じたら、お住まいの市区町村の介護保険担当窓口地域包括支援センターに相談するのが第一歩です。流れをSTEPで整理します。

  1. 市区町村窓口で申請本人・家族・ケアマネジャー・地域包括支援センターなどが代行可能。マイナンバー・介護保険被保険者証などが必要。
  2. 認定調査(訪問調査)市区町村の調査員が自宅などを訪問し、心身の状態や生活状況を74項目で聞き取る。同時に主治医意見書の作成を市区町村が主治医に依頼。
  3. 一次判定(コンピュータ判定)調査結果から要介護認定等基準時間が推計され、要支援1〜要介護5、または非該当の区分候補が出る。
  4. 二次判定(介護認定審査会)学識経験者で構成される審査会が、一次判定結果・主治医意見書・特記事項を総合し、最終的な要介護度を決定。
  5. 認定結果の通知原則として申請から30日以内に結果が郵送される。認定有効期間は新規・区分変更で原則6か月、更新は原則12か月(最長48か月)。
POINT

結果に納得できない場合は、「区分変更申請」で再判定を受けることができます。また、原則として認定の効力は申請日にさかのぼって発生するため、入院中や退院前から早めに動くことが大切です。

新人PT
新人PT

退院前に申請できるんですね!知りませんでした。

ベテランPT
ベテランPT

退院後すぐに在宅サービスを使いたいなら、入院中から申請を進めておくのが基本だよ。退院日に合わせてサービスを開始できるよう、ケアマネと医療ソーシャルワーカーが連携して動く流れだね。

リハ職(PT・OT・ST)が押さえる、区分別リハビリの考え方

ここはリハ職向けの実践セクションです。同じ「リハビリ」と一口に言っても、要支援と要介護では目的・関わり方・記録の書き方がはっきり変わります。

要支援は「予防」、要介護は「維持・改善」

要支援者へのリハビリは、「今ある生活機能をいかに維持し、悪化させないか」が中心テーマです。歩行や立ち上がりだけでなく、買い物・調理・趣味活動など、ICF的に「活動・参加」の幅を狭めない関わりがカギになります。

一方、要介護1〜5の場合は、状態に応じて「維持」「改善」「緩やかな低下の遅延」へとリハの目標がシフトしていきます。要介護3以上では、ご本人だけでなく介護者の負担を減らす視点(介助方法・福祉用具・住環境)が同じくらい重要です。

区分リハビリの主な目的
要支援1・2生活機能の維持・改善。閉じこもり予防、社会参加の維持。
要介護1・2転倒予防、ADL自立度の維持、生活範囲の拡大。
要介護3移乗・トイレ動作などキーADLの維持。介護負担軽減。
要介護4・5関節拘縮・褥瘡の予防、座位保持、介護者の介助負担軽減、QOL維持。

区分が変わったときに見直すべき視点

更新認定や区分変更で介護度が変わったときは、支給限度額が変わる=使えるサービス量が変わるため、ケアプランの組み直しが必要です。リハ職としては、次の視点で再評価を行いましょう。

  • 新しい区分の支給限度額の中で、訪問リハ・通所リハの頻度をどう設定するか
  • ADL・IADLのどの部分が変化したのか(再評価)
  • 介助方法・福祉用具・住環境調整のアップデートが必要か
  • 家族・介護者の介護負担と気持ちの変化
  • 主治医・ケアマネジャー・他職種への情報共有
POINT

区分が上がる(重度化)=悪い変化、と決めつけない姿勢も大切です。「正確に評価された結果、必要な支援量が確保できるようになった」と前向きに捉え、ケアプランの再設計につなげましょう。

要介護認定区分に関するよくある質問(FAQ)

要支援2と要介護1の違いは何ですか?

要介護認定等基準時間はどちらも「32分以上50分未満」で同じですが、二次判定で「状態が安定しているか」「予防給付を適切に利用できるか」を見て振り分けられます。認知症の進行や病状の不安定さがある場合は、要介護1に判定されやすくなります。

要介護認定の有効期間はどれくらいですか?

新規認定・区分変更は原則6か月、更新認定は原則12か月(市町村の判断により最長48か月)です。状態が変わったときは、有効期間中でも「区分変更申請」で再判定を受けることができます。

結果に納得できないときはどうすればいいですか?

まずはケアマネジャーや市区町村の介護保険担当窓口に相談し、区分変更申請を行うのが一般的です。それでも納得できない場合は、都道府県の介護保険審査会に不服申立て(審査請求)を行うこともできます。

40〜64歳でも要介護認定を受けられますか?

はい。40〜64歳の第2号被保険者でも、末期がんや関節リウマチ、脳血管疾患など「特定疾病」16種類のいずれかに該当する場合は、要介護認定を受けて介護保険サービスを利用できます。

要介護認定区分が上がると、必ずサービスを増やさないといけませんか?

いいえ。区分支給限度基準額はあくまで「使える上限」であって、必ず使い切る必要はありません。ご本人の状態や家族の意向に応じて、必要なサービスだけを組み合わせることができます。

区分が下がる(軽くなる)こともありますか?

あります。リハビリや生活環境の整備で状態が改善すれば、更新認定時に区分が下がる(軽くなる)こともあります。ただし支給限度額も下がるため、サービスの再設計が必要になります。

まとめ|要介護認定区分は「介護の手間のものさし」

要介護認定区分は、要支援1〜要介護5の7段階で「介護にどれくらい手間がかかるか」を全国共通のものさしで測ったものです。区分によって受けられる給付の種類と支給限度額が決まり、ケアプランの土台になります。

この記事のまとめ
  • 要介護認定区分は要支援1〜要介護5の7段階。早わかり表で状態像・基準時間・限度額を比較できる。
  • 要支援は予防給付、要介護は介護給付。要支援2と要介護1は基準時間が同じだが、状態の安定性や認知症の有無で振り分けられる。
  • 令和6年度の区分支給限度基準額は要支援1の5,032単位から要介護5の36,217単位まで。1単位は10〜10.7円
  • 申請から認定までは原則30日以内。退院前から動くと、退院日に合わせてサービス開始がしやすい。
  • 区分が変わったらケアプランも再設計。リハ職は「区分別の目的」と「介護負担」をセットで考える

制度を正しく理解し、ご本人の暮らしと家族の負担、両方をいい方向に向ける材料として、この早わかり表を活用してください。

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