言語聴覚士はしんどい仕事？よくある理由と乗り越える方法を解説
当ページのリンクには広告が含まれています。
言語聴覚士（ST）は、失語症や嚥下障害、発達障害など、幅広い対象者にリハビリを提供する専門職です。
人の「食べる・話す・理解する」といった生活に直結する機能を支援できるやりがいのある仕事ですが、一方で「しんどい」と感じる人も少なくありません。
本記事では、STが大変だと感じやすい理由や領域別の特徴、しんどさを軽減するための工夫やキャリアの選択肢を詳しく解説します。
目次
言語聴覚士が「しんどい」と感じる理由
① 精神的なプレッシャーが大きい
患者さんの言語や嚥下機能は一朝一夕で改善するものではありません。「成果がすぐに出ない」「回復が思うように進まない」と感じ、焦りや無力感に陥ることがあります。
② 多職種との連携が大変
医師、看護師、理学療法士、作業療法士、管理栄養士など、多職種と関わる機会が多いのが特徴です。意見の食い違いや役割分担の不明確さからストレスを感じることもあります。
③ 患者・家族対応の難しさ
「もっと話せるようにしてほしい」「食べられるようにしてほしい」といった強い期待に応えられないことが精神的負担になります。感情的に訴えられるケースもあり、対応に疲れてしまうことがあります。
④ 業務量・環境による負担
一人のSTが病院や施設で多くの患者を担当するケースも多く、評価や記録業務に追われ「時間が足りない」と感じやすいです。また、配置人数が少ないため孤独感を抱える人もいます。
領域別にみる言語聴覚士のしんどさ
病院（急性期・回復期）
- 急性期では重症患者を多く担当し、生命に直結する嚥下評価を行うため緊張感が強い
- 回復期では多職種連携が中心となり、他職種との関係調整にストレスを感じやすい
介護老人保健施設・特養
- 高齢者の嚥下障害を中心に対応するため、誤嚥リスクを常に意識する必要がある
- 人手不足や介護業務の兼務により、負担が増えることもある
発達支援・小児領域
- 子どもとの信頼関係を築くまで時間がかかり、成果が出にくいと焦りやすい
- 保護者の期待に応えるプレッシャーが大きい
在宅・訪問リハビリ
- 移動や環境調整の負担がある
- 一人で判断する場面が多く、責任の重さを感じやすい
言語聴覚士がしんどさを乗り越えるための工夫
① 成果を「小さな変化」で捉える
「単語が1つ言えた」「むせが減った」など、小さな変化に注目すると達成感を得やすくなります。
② 学びを継続して専門性を高める
最新のリハビリ手法や学会発表に触れることで、自信を持って臨床に取り組めます。
③ 他職種との信頼関係を築く
積極的に情報共有や相談を行い、連携をスムーズにすることがストレス軽減につながります。
④ 働く環境を見直す
人員体制や業務量は職場によって大きく異なります。どうしても改善が難しい場合は、思い切って転職するのも選択肢です。
言語聴覚士のキャリアの広がり
教育・研究分野
養成校で教員として働き、学生を育成する道があります。臨床での経験を活かせるやりがいのある分野です。
企業・産業領域
福祉用具メーカー、食品メーカーなどで商品開発や研究に関わるSTもいます。臨床以外のキャリア形成が可能です。
フリーランス・副業
セミナー講師やWebライターとして活動する人も増えています。自分の経験を発信することで新しい働き方につながります。
「しんどい」と感じたときのチェックリスト
- 睡眠や体調に影響が出ていないか
- 毎日出勤するのがつらくなっていないか
- 信頼できる同僚や上司に相談できているか
- 職場を変えれば改善できそうか
- キャリアチェンジや働き方を見直す必要があるか
まとめ：言語聴覚士の「しんどい」は工夫と環境選びで軽減できる
言語聴覚士が「しんどい」と感じる理由には、精神的プレッシャー、多職種連携の難しさ、患者・家族対応、業務量などがあります。
しかし、小さな成果を大切にしたり、学びを継続したり、信頼関係を築くことで軽減できる部分も多いです。
どうしても解決できない場合は、働く場所や働き方を変えることも一つの選択肢です。
STは需要が高く、キャリアの幅も広がっています。
自分に合った環境でやりがいを感じながら長く働き続けられる道を探してみましょう。
あわせて読みたい
【完全版】PT・OTのメンタルヘルス＆職場ストレス対策まとめ
理学療法士（PT）・作業療法士（OT）は、患者の回復を支えるやりがいの大きい仕事ですが、同時に「体力的にきつい」「人間関係がつらい」「精神的に消耗する」と悩む声...
