理学療法士が残業を減らす方法|記録・時間管理の実践術

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「リハビリの時間が終わってから、毎日1時間以上記録をしている」「委員会や書類で、定時に帰れた日がない」——理学療法士の残業の多くは、患者さんと関わる時間以外の業務から生まれます。患者さんの対応は減らせなくても、記録や会議の進め方は工夫の余地があります。

この記事では、理学療法士が残業を減らす方法を、記録の時短、時間割の組み方、会議・委員会の効率化、頼み方と断り方の4つの視点で具体的に解説します。統計で見る残業の平均、残業代と労働時間のルール、個人では減らせない残業への対処もまとめました。訪問リハビリ特有の残業の原因は、関連記事で解説しています。

この記事でわかること
  • 統計で見る理学療法士の残業の平均
  • 記録の時間を短くする方法
  • 1日の時間割の組み方
  • 会議・委員会・書類を効率化する方法
  • 頼み方・断り方と、個人では減らせない残業への対処

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目次

統計で見る理学療法士の残業

令和7年賃金構造基本統計調査では、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・視能訓練士(一般労働者、4職種の合算)の超過実労働時間は月平均5時間です。年代別に見ても月4〜6時間程度で、大きな差はありません。

一方で、これは記録された残業の平均です。勤務時間外の記録や勉強会が「自主的なもの」として扱われている職場では、実際の負担はもっと大きいことがあります。まずは自分の残業の実態を把握しましょう。

  • 1〜2週間、終業後に何の業務をしたかと、その時間を記録する
  • 記録・書類・会議・準備・その他に分けて合計する
  • 一番時間がかかっている業務から優先して対策を考える
新人PT
新人PT

記録してみたら、残業の半分以上が記録でした。

ベテランPT
ベテランPT

多くの人がそうなんだ。だから記録の時短は、残業を減らす一番の近道になるよ。まずはそこから始めよう。

理学療法士が残業を減らす方法①記録の時短

方法具体例
リハビリの直後に書く患者さんが休んでいる間や次の患者さんの前に、要点だけでも入力する
型を決める「状態→実施内容→反応→次回の方針」など、書く順番を固定する
定型文を用意するよく使う評価や指導の内容を、辞書登録やテンプレートにしておく
書く量を見直す毎回同じ内容は「前回同様」の扱いを職場のルールで確認し、変化を中心に書く
書類の時期を前倒し計画書や報告書の期限を一覧にし、締め切り直前に集中しないようにする

記録の時短は、「後でまとめて書く」をやめることが最大のポイントです。記憶が新しいうちに書くと、正確で、かつ早く仕上がります。

理学療法士が残業を減らす方法②1日の時間割の組み方

  1. 書類の時間をあらかじめ確保する担当の調整ができる場合は、1日のどこかに20〜30分の書類の時間を入れておきます。
  2. 重い介助は午前中に体力と集中力のある時間帯に負担の大きい患者さんを担当すると、午後のペースが落ちにくくなります。
  3. 移動の無駄を減らす病棟ごとに担当をまとめ、リハ室と病棟の行き来を減らします。
  4. 終業30分前に区切る終業30分前からは新しい業務を始めず、記録の仕上げと翌日の準備に充てます。
POINT

時間割を一人で変えられない場合は、残業の記録をもとに上司に相談しましょう。「何に何分かかっているか」がわかると、調整を提案しやすくなります。

時間割の例(病院勤務・1日18単位)

時間業務ポイント
8:30〜9:00申し送り、当日の確認変更点と注意が必要な患者さんを把握
9:00〜12:00リハビリ(介助量の多い患者さん中心)合間に要点だけ記録
13:00〜15:40リハビリ病棟ごとにまとめて移動を減らす
15:40〜16:10書類の時間計画書や報告書を前倒しで作成
16:10〜17:00リハビリ、記録の仕上げ終業30分前からは新しい業務を入れない

※架空の例です。単位数や時間割は職場の方針によって異なります。

理学療法士が残業を減らす方法③会議・委員会・書類の効率化

  • 会議の議題を事前に共有する:資料を事前に配り、会議では決めることだけに絞る
  • 終了時刻を決める:開始時刻だけでなく終了時刻を決め、議論が長引いたら次回に回す
  • 委員会の業務を分担する:一人に集中しないよう、役割と期限を明確にする
  • 書類の様式を見直す:重複して書いている項目がないか、部署で見直す
  • ICTを活用する:電子カルテのテンプレート、音声入力、共有フォルダなどを使う

理学療法士が残業を減らす方法④頼み方と断り方

残業の原因が、ほかの人の仕事を引き受けすぎていることにある場合もあります。

場面伝え方の例
急な依頼を受けたとき「今日は記録が残っているので、明日の午前中でもよろしいですか」
委員会の仕事が重なったとき「今月は○○の締め切りがあるので、この部分を分担していただけますか」
自分の仕事を頼むとき「この資料の印刷だけお願いできますか。代わりに○○を引き受けます」
新人PT
新人PT

断るのは気が引けます……。

ベテランPT
ベテランPT

全部引き受けて質が落ちるより、できる時期を伝えるほうがチームのためになるよ。断るのではなく「いつならできるか」を伝えるのがコツだね。

残業を減らした人の工夫の例

人物残業の原因工夫変化
Aさん(PT・3年目)記録を終業後にまとめて書いていたリハビリ直後に要点を入力し、型を固定終業後の記録が1時間から20分に
Bさん(PT・8年目)委員会と後輩指導が重なっていた委員会の業務を分担し、指導の時間を予定に組み込んだ週3日の残業が週1日に
Cさん(PT・12年目)計画書の締め切りが月末に集中期限の一覧表を作り、2週間前から前倒しで作成月末の残業がほぼなくなった

※よくある例をもとにした架空の事例です。

残業代と労働時間のルール

使用者には、労働時間を適正に把握する責任があります。時間外労働をさせるには36協定が必要で、上限は原則として月45時間・年360時間です。時間外労働には25%以上の割増賃金が必要で、月60時間を超える部分は50%以上です。

注意

業務として必要な記録を終業後に行っている場合は、それも労働時間です。「自主的な残業」として扱われていないか確認し、実際の時間を記録しておきましょう。

残業を減らすために管理者ができること

  • 担当件数と記録の時間を合わせて、勤務時間内に終わる業務量に調整する
  • 記録の様式やテンプレートを部署で統一し、書く量を見直す
  • 会議や勉強会を勤務時間内に設定する
  • 残業の申請と記録を徹底し、残業の多いスタッフに早めに声をかける

リーダーや主任の立場にある人は、自分だけでなくチーム全体の残業を減らす仕組みづくりにも取り組みましょう。

個人では減らせない残業への対処

  • 担当件数や単位数の目標が、勤務時間内に終わらない設定になっている
  • 記録や書類のための時間が、業務の予定に組み込まれていない
  • 会議や勉強会が、恒常的に勤務時間外に設定されている
  • 人員が足りず、休んだ人の担当が常に上乗せされる

こうした場合は、個人の工夫ではなく職場の仕組みの問題です。残業の記録をもとに上司や管理者に改善を提案し、それでも変わらない場合は、労働基準監督署などの相談窓口や、職場を変えることも検討しましょう。

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よくある質問

新人で記録に時間がかかるのは仕方ないですか?

新人のうちは時間がかかるのは自然なことです。先輩の記録を参考に型を覚え、指導者に記録のポイントを確認しながら、少しずつ時間を短くしていきましょう。

勉強会が終業後にあるのは残業ですか?

参加が義務づけられていたり、参加しないと不利益があったりする場合は、労働時間と判断されることがあります。参加の扱いを職場に確認しましょう。

残業を減らすと評価が下がりませんか?

同じ仕事を短い時間で終えられることは、本来評価されるべき力です。残業の多さではなく、成果や質で評価される職場かどうかも、働く場所を選ぶ大切な基準です。

音声入力は記録に使えますか?

職場のシステムが対応していれば、記録の時短に役立ちます。個人のスマートフォンなどを使う場合は、患者さんの個人情報の扱いについて、職場のルールを必ず事前に確認しましょう。

休憩時間に記録をしてしまいます。

休憩時間は、労働から離れて自由に使える時間です。記録をしていると休憩とはいえず、疲れもたまります。休憩はしっかり取り、記録は勤務時間内の決まった時間に行うよう、時間割を見直してみましょう。

まとめ|理学療法士の残業は記録と時間割の工夫から減らす

令和7年賃金構造基本統計調査では、理学療法士など4職種の残業は月平均5時間ですが、記録されない勤務外の作業がある職場もあります。まずは残業の中身を記録し、記録の時短、時間割の組み方、会議・委員会の効率化、頼み方と断り方の工夫から始めましょう。業務として必要な記録は労働時間にあたり、個人の工夫で減らせない残業は、職場の仕組みとして改善を求めることが大切です。

この記事のまとめ
  • 統計上の残業は月平均5時間。まず自分の残業の中身を記録する
  • 記録は「後でまとめて書く」をやめ、型と定型文で時短
  • 書類の時間を予定に入れ、終業30分前に区切る
  • 会議は議題の事前共有と終了時刻の設定で短くする
  • 業務として必要な記録は労働時間。仕組みの問題は職場に改善を求める
引用・出典(公的機関)

※2026年10月時点で確認した情報です。制度は改定されるため、算定・運用の際は最新の通知・Q&Aと指定権者(都道府県・市町村)の案内をご確認ください。

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