作業療法士の職務経歴書の書き方と例文|転職で通る書き方

作業療法士(OT)の転職で、履歴書以上に差がつくのが「職務経歴書」です。とはいえ、いざ書こうとすると「何を、どの順番で、どこまで書けばいいのか分からない」と手が止まってしまう人がほとんどではないでしょうか。
この記事では、そのまま真似できる項目構成とOT向けの例文をもとに、採用担当者に「会ってみたい」と思わせる職務経歴書の書き方を解説します。読み終えれば、あなたの経験を強みとして伝える1枚が完成します。
- 作業療法士の職務経歴書に書くべき項目と全体構成
- 職務要約・職務経歴・自己PRのOT向け例文
- 訪問・回復期・精神科など領域別のアピールのコツ
- 採用担当者に刺さる書き方と、やりがちなNG
作業療法士の職務経歴書とは?履歴書との違い
職務経歴書は、これまでの職務内容・スキル・実績を具体的に伝える書類です。履歴書が「経歴の事実(学歴・職歴・資格)」を簡潔に示すのに対し、職務経歴書は「その職場で何をして、何ができるのか」を掘り下げて伝えます。
| 項目 | 履歴書 | 職務経歴書 |
|---|---|---|
| 目的 | 基本情報・経歴の証明 | 経験・スキル・実績のアピール |
| 内容 | 学歴・職歴・資格・志望動機 | 担当領域・症例・工夫・成果 |
| 枚数の目安 | 1枚(指定様式) | A4で1〜2枚 |
| 書式 | ほぼ様式が固定 | 自由(構成で差がつく) |
つまり職務経歴書は、自由度が高いぶん、書き方次第で評価が大きく変わる書類です。ここを丁寧に作り込むことが、書類選考突破のカギになります。

履歴書に職歴を書いたのに、職務経歴書にも同じことを書くんですか?

事実は重ならないよう役割分担するんだ。履歴書は「どこで働いたか」、職務経歴書は「そこで何をして何ができるか」。この違いを意識すると書きやすいよ。
職務経歴書に書くべき5つの項目と構成
作業療法士の職務経歴書は、次の順番で組み立てると読みやすく、伝わりやすくなります。
- 職務要約これまでの経歴を3〜5行で要約。冒頭で全体像を掴んでもらう。
- 職務経歴(詳細)勤務先ごとに、施設概要・担当領域・業務内容・実績を記載。
- 活かせる知識・スキル担当疾患、評価・治療手技、記録システム、連携経験などを箇条書き。
- 資格・免許作業療法士免許の取得年月、その他の研修・認定資格。
- 自己PR強みと、それを応募先でどう活かすかを結びつけて記載。
採用担当者はまず「職務要約」と「自己PR」を先に読む傾向があります。この2つの完成度が第一印象を決めるため、いちばん時間をかけて書きましょう。
【例文】職務要約の書き方
職務要約は、経歴の“予告編”です。読み手が続きを読みたくなるよう、経験年数・領域・強みを凝縮します。
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 回復期中心のOT | 作業療法士として6年間、回復期リハビリテーション病棟を中心に、脳血管疾患・整形外科疾患の患者様を担当してまいりました。ADL評価から自宅復帰に向けた家屋調整まで一貫して携わり、多職種連携の中で退院支援の中心的役割を担ってきました。 |
| 訪問リハへ転職希望 | 作業療法士として5年間、介護老人保健施設で高齢者のリハビリを担当。生活行為の再獲得を軸に、ご家族への介助指導や在宅復帰支援に注力してまいりました。より生活に密着した支援を行いたいと考え、訪問リハビリテーションへの転職を志望しております。 |
【例文】職務経歴(詳細)の書き方
勤務先ごとに、施設概要 → 担当領域 → 業務内容 → 工夫・実績の順で書くと整理されます。数字や具体例を入れると説得力が増します。
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 施設概要 | 医療法人◯◯会 △△病院(回復期リハ病棟60床)/リハビリスタッフ25名(うちOT8名) |
| 担当領域 | 脳血管疾患、整形外科疾患を中心に、1日平均8〜9単位を担当 |
| 業務内容 | ADL・IADL評価、上肢機能訓練、高次脳機能へのアプローチ、自助具の選定・作製、家屋評価と住環境調整の提案 |
| 工夫・実績 | 退院前カンファレンスの資料様式を見直し、多職種で情報共有しやすい形式に改善。新人OT2名のプリセプターを担当。 |
「リハビリを実施した」だけでは伝わりません。どんな対象に・どんな視点で・どう工夫したかまで書くのがOTらしさを示すコツです。作業療法士は「生活行為へのアプローチ」が強みなので、そこを具体的に描写しましょう。
【例文】自己PRの書き方
自己PRは、強み → 根拠となる経験 → 応募先での活かし方、の3段構成にすると論理的に伝わります。
私の強みは、利用者様の生活場面を具体的にイメージし、必要な作業を段階づけて支援できる点です。老健では、食事や更衣といった生活行為の再獲得に加え、ご家族への介助指導にも力を入れてまいりました。貴事業所では、実際の生活の場である在宅で、その方らしい暮らしの再構築を支える作業療法を提供したいと考えております。
ポイントは、応募先の特徴(訪問・在宅など)に結びつけて締めることです。「どこでも通用する自己PR」ではなく、「この職場で活きる自己PR」に仕上げましょう。
領域別・アピールのコツ
作業療法士は活躍の場が幅広いぶん、応募先の領域に合わせて強調点を変えると刺さりやすくなります。
| 応募先 | 強調したいポイント |
|---|---|
| 訪問リハビリ | 生活行為の再獲得、家族指導、住環境調整、ケアマネ・多職種連携の経験 |
| 回復期病棟 | ADL評価と自宅復帰支援、チームでの退院支援、症例数の多さ |
| 精神科・発達 | 集団作業療法の運営、対象者との関係構築、プログラム立案の経験 |
| デイケア・老健 | 集団と個別の両立、意欲を引き出す関わり、生活機能の維持・向上 |

経験が浅いと、書けることが少なくて不安です…。

年数が短くても大丈夫。担当した疾患や、勉強会・研修で学んだこと、患者さんへの工夫を丁寧に書けば十分伝わるよ。“これから伸びる姿勢”も立派なアピールなんだ。
訪問リハビリへ転職する作業療法士の職務経歴書
病院や施設から訪問リハビリへ移る作業療法士は年々増えています。訪問は「生活の場」で支援する仕事のため、生活行為への視点や在宅を意識した経験を職務経歴書で前面に出すと、採用担当者に響きます。
訪問リハで評価されやすい経験
- ADL・IADL評価にもとづく生活行為の再獲得支援
- 家屋評価・住環境調整、福祉用具や自助具の提案
- ご家族への介助指導・生活場面へのアドバイス
- ケアマネジャー・看護・介護職との多職種連携
- 退院前訪問や在宅復帰支援に関わった経験
| 項目 | 記入例(訪問リハ志望の自己PR) |
|---|---|
| 強み+経験+活かし方 | 老健での勤務では、食事・更衣・入浴といった生活行為の再獲得を軸に、ご本人だけでなくご家族への介助指導にも力を入れてまいりました。カンファレンスではケアマネジャーや看護師と密に情報共有し、在宅復帰を支援した経験があります。貴事業所では、生活の場である在宅で、その方らしい暮らしの再構築を支える作業療法を提供したいと考えております。 |
訪問未経験でも心配いりません。病院・施設での「生活を見据えた関わり」を具体的に書けば、訪問への適性は十分に伝わります。「機能改善」だけでなく「退院後の暮らし」まで考えて支援した経験を掘り起こしましょう。
第二新卒・経験の浅いOTの職務経歴書
経験年数が短くても、書き方次第でしっかりアピールできます。ベテランと同じ土俵で「実績の量」を競うのではなく、学ぶ姿勢と将来性を前面に出すのがコツです。
- 担当した疾患・症例を具体的に数は少なくても、どんな対象にどう関わったかを丁寧に書きます。
- 学んだこと・研修歴を記載院内勉強会や外部研修で学んだ内容は、成長意欲の証拠になります。
- 患者さんへの工夫を1つ小さくても「自分なりに考えて工夫した経験」は評価されます。
- 今後の目標を添える「どんな作業療法士になりたいか」を前向きに締めます。

3年目で転職を考えているんですが、実績が少なくて自信がなくて…。

3年目なら十分アピールできるよ。担当した症例と、そこで自分がどう考えて動いたかを書けばいい。採用側は“伸びしろ”もちゃんと見ているからね。
採用担当者に刺さる書き方のポイント
- 具体と数字を入れる:担当単位数、症例数、担当した後進の人数など
- 作業療法らしさを出す:機能訓練だけでなく「生活・作業」への視点を示す
- 応募先に合わせる:使い回さず、志望先の領域に強みを寄せる
- 読みやすさを意識:A4で1〜2枚、箇条書きと見出しで整理する
- 誤字脱字ゼロ:提出前に必ず声に出して読み返す
①業務内容を羅列するだけで工夫や成果がない/②どの職場にも出せる汎用的な内容/③2枚を大きく超える長文/④履歴書とまったく同じ内容の繰り返し。これらは「読まれない職務経歴書」の典型です。
職務経歴書を仕上げる3ステップ
- 経験の棚卸し勤務先ごとに担当領域・業務・工夫・実績を書き出す。まずは量を出す。
- 応募先に合わせて取捨選択志望先の領域に響く経験を優先し、不要な情報を削る。
- 読みやすく整えて校正職務要約と自己PRを磨き、A4で1〜2枚に収め、誤字を確認する。
提出前の最終チェックリスト
せっかく中身が良くても、基本的なミスで印象を落とすのはもったいないことです。提出前に次の項目を必ず確認しましょう。
- 誤字・脱字はないか(声に出して読み返す)
- 日付・施設名・単位数などの数字に誤りはないか
- A4で1〜2枚に収まっているか
- 職務要約と自己PRが応募先向けに調整されているか
- 履歴書の内容と矛盾していないか
- ファイル名・様式が応募先の指定に沿っているか(データ提出の場合)
作成した職務経歴書は、一晩おいてから読み返すと、粗が見つかりやすくなります。時間に余裕を持って準備し、可能であれば第三者や転職エージェントに一度目を通してもらうと、完成度がぐっと上がります。
作業療法士が職務経歴書で自信を持つために
「書けることが少ない」と感じる作業療法士は多いですが、日々の臨床にはアピールできる材料がたくさん眠っています。ある患者さんの生活行為をどう分析し、どんな作業を選び、どう段階づけたか――その一つひとつが、あなたの専門性です。
職務経歴書づくりは、これまでの自分の仕事を振り返る良い機会でもあります。棚卸しをしていくと、「意外と多くのことに向き合ってきた」と気づくはずです。その気づきが、面接での自信にもつながります。丁寧に作り込んだ1枚を武器に、次のキャリアへ踏み出しましょう。
よくある質問(FAQ)
職務経歴書は何枚くらいが適切ですか?
A4で1〜2枚が目安です。経験が豊富でも2枚に収め、要点を絞るほうが読まれやすくなります。長すぎるとかえって伝わりにくくなります。
手書きとパソコン、どちらで作成すべきですか?
職務経歴書はパソコン作成が一般的です。修正しやすく読みやすいため、多くの応募先で好まれます。指定がある場合はそれに従いましょう。
経験年数が短くても書けることはありますか?
あります。担当した疾患・症例、勉強会や研修で学んだこと、患者さんへの具体的な工夫、チームでの役割などを丁寧に書けば十分アピールになります。学ぶ姿勢も評価対象です。
ブランク(離職期間)がある場合はどう書けばいいですか?
正直に記載しつつ、その間に学んだことや復職への意欲を前向きに添えましょう。育児・介護などの事情は簡潔に触れ、現在は働ける状況であることを明確に伝えると安心感につながります。
複数の職場に同じ職務経歴書を使い回してもいいですか?
基本の経歴部分は共通で構いませんが、職務要約と自己PRは応募先に合わせて調整するのがおすすめです。志望先の領域に強みを寄せるだけで、通過率は大きく変わります。
まとめ|職務経歴書は「経験×応募先」で差がつく
作業療法士の職務経歴書は、経験を並べるだけの書類ではなく、「あなたが応募先でどう活躍できるか」を伝えるプレゼン資料です。項目構成を型どおりに整え、職務要約と自己PRを応募先に合わせて磨けば、書類選考は着実に通りやすくなります。
- 職務経歴書は「何をして何ができるか」を伝える書類。履歴書と役割を分ける
- 構成は「職務要約→職務経歴→スキル→資格→自己PR」の順が読みやすい
- 作業療法士は「生活行為へのアプローチ」を具体・数字で描くと刺さる
- 使い回さず、職務要約と自己PRを応募先の領域に合わせて調整する
まずは経験を棚卸しし、応募先に合わせて磨き上げた1枚を作りましょう。それが、次のキャリアへの確かな一歩になります。
