作業療法士の年収|年代別の平均と年収500万・600万を超える方法

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「同世代のOTって、実際どれくらいもらっているんだろう」「このまま働き続けても、年収500万円には届かない気がする」——作業療法士(OT)として現場に立つなかで、収入への漠然とした不安を感じたことがある人は少なくないはずです。

この記事では、厚生労働省の最新統計をもとに作業療法士の年代別の平均年収を整理したうえで、年収500万円・600万円を超えている人が実際にしていることを、資格・役職・転職・分野選びの観点から具体的に解説します。自分の年代・立場と照らし合わせながら、今の年収が相場のどのあたりにあるのか、そして次に何をすればよいのかを確認していきましょう。

この記事でわかること
  • 作業療法士の平均年収と、20代〜60代の年代別の推移
  • 男女差・企業規模・就業先(病院/介護施設/訪問リハビリ/障害福祉)による年収の違い
  • 年収500万円を超えるために現実的に必要なアクション
  • 年収600万円という、より高い水準を狙うための考え方と選択肢
目次

作業療法士の平均年収は443.6万円【最新統計】

厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」によると、作業療法士の平均年収は約443.6万円です。内訳は月収(きまって支給する現金給与額)が30.9万円、年間賞与が71.7万円で、年収は「月収×12か月+年間賞与」で算出されています。

区分年収月収年間賞与
全体平均約443.6万円約30.9万円約71.7万円
男性約466.8万円約32.5万円約76.6万円
女性約417.3万円約29.2万円約66.0万円
新人PT
新人OT

443万円って、思っていたよりちょっと低い気がします…。

ベテランPT
ベテランOT

この数字は20代から70代以上まで、全年齢をならした平均だからね。次の章で年代別に見ると、印象がかなり変わるはずだよ。

なお、この調査区分では作業療法士が理学療法士・言語聴覚士・視能訓練士と近い分類でまとめて集計される場合があり、施設の種類や地域、雇用形態によって実際の水準には幅があります。「約444万円」はあくまで全国平均の目安として捉えてください。

ほかの医療職と比べるとどうか

作業療法士の年収を、同じく病院や施設で働くほかの医療職と比較してみましょう。

職種平均年収
作業療法士約444万円
看護師約520万円
診療放射線技師約550万円
臨床検査技師約504万円

出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」職種別データより

表だけを見ると、作業療法士の年収はほかの医療職よりやや低めに映ります。ただし、これは全年齢・全国平均を単純比較した数字であり、作業療法士の年収は年々増加傾向にある点も踏まえておく必要があります。

年度作業療法士の平均年収
2017年約405万円
2019年約409万円
2021年約427万円
2023年約433万円
2024年約444万円

出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」各年データより。年による調査区分の違いはあるものの、全体としては右肩上がりで推移していることが読み取れます。少子高齢化にともなうリハビリ需要の高まりを背景に、今後も緩やかな上昇が続くと見る向きもありますが、確定的な将来予測ではない点には留意してください。

手取り額の目安

年収443.6万円の場合、月々の手取りは額面の75〜85%程度が目安とされ、実際に振り込まれる月収はおよそ24万円前後になるケースが多いといわれます。扶養家族の有無や住民税・社会保険料の金額によって変動するため、あくまで参考値として捉えてください。求人票の「年収」表示だけでなく、月々の手取り感覚も含めて生活設計を考えることが大切です。

【年代別】作業療法士の年収推移(20代〜60代)

年代別に見ると、作業療法士の年収は経験を重ねるごとに着実に上昇していく傾向があります。

年齢年収月収年間賞与
20〜24歳337.5万円25.3万円32.8万円
25〜29歳397.7万円27.9万円62.1万円
30〜34歳431.5万円29.8万円73.6万円
35〜39歳457.1万円31.6万円76.8万円
40〜44歳482.1万円33.3万円82.2万円
45〜49歳519.7万円35.4万円94.3万円
50〜54歳548.8万円37.7万円95.5万円
55〜59歳525.2万円36.3万円88.5万円
60〜64歳592.6万円39.6万円116.4万円
65〜69歳335.9万円25.3万円32.0万円
70歳以上378.4万円26.2万円63.9万円

出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」

この表を見ると、30代で年収400万円台、40代後半で500万円台に乗り、50代前半の548.8万円、60代前半の592.6万円がピークに近い水準であることがわかります。55〜59歳でいったん下がっているのは、役職定年や勤務時間の見直しなどが影響していると考えられます。65歳以降は再雇用・非常勤化により年収が下がる傾向です。

注意

この年代別データは全国平均であり、勤務先の規模・地域・雇用形態・経験年数によって実際の年収は大きく変動します。「自分の年代の平均」を確認する目安として活用してください。

企業規模・就業先別の年収差

作業療法士の年収は、勤務先の企業規模や分野によっても差が出ます。

企業規模別の年収

企業規模年収月収年間賞与
10〜99人442.3万円31.9万円59.0万円
100〜999人436.2万円30.5万円69.8万円
1,000人以上460.9万円31.5万円82.9万円

出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」

就業先分野別の年収傾向

分野年収の目安
医療機関約400万〜450万円
介護施設約435.4万円
障害福祉サービス約479.8万円

出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」/「令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査結果」(医療機関は求人相場からの概算)

障害福祉サービス分野が、ほかの分野より頭一つ抜けて高い水準にあることが読み取れます。児童福祉施設や発達支援分野でOTの専門性が重宝されやすいことが背景にあると考えられます。

地域別に見た年収の傾向

作業療法士の年収は、地域による差も見逃せません。都道府県別のデータでは、次のような地域で相場が高めになっています。

都道府県年収の目安
神奈川県約503万円
愛知県約503万円
滋賀県約496万円
京都府約495万円
栃木県約490万円

出典:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」都道府県別データより

都市部や医療・介護ニーズの高い地域では、相場そのものが高めに設定されている傾向があります。転職やUターン・Iターンを検討する際は、生活費とあわせて地域相場も比較材料に加えるとよいでしょう。

勤務先×年代別に見た年収相場のリアル

厚労省統計は全国の平均値ですが、実際に転職市場でよく見られる「勤務先×年代」の相場感を見ると、分野による差はさらにはっきりします。

勤務先20代30代40代
急性期病院350〜420万円400〜480万円450〜550万円
回復期病院350〜430万円420〜500万円470〜570万円
介護老人保健施設340〜410万円400〜480万円450〜550万円
訪問リハビリ(事業所みなし)380〜470万円450〜550万円500〜620万円
訪問看護ステーション(リハ職)400〜500万円470〜600万円520〜700万円

出典:訪問リハビリマガジン内の転職市場データより(求人相場の目安であり、厚生労働省の公的統計とは別集計。地域・事業所規模・賞与の有無で変動)

同じ40代でも、急性期病院なら450万円前後が中心なのに対し、訪問看護ステーションのリハ職では700万円まで届くレンジがある点は見逃せません。この差は主に、件数ベースのインセンティブや訪問件数手当の有無から生まれています。

作業療法士が年収500万円を超えるには

年代別データを踏まえると、年収500万円は平均的には40代後半〜50代前半で到達するラインです。それより早く、あるいは確実に届かせたい場合は、次のような選択肢を組み合わせることが現実的です。

POINT

「年齢を重ねれば自然に到達する」を待つだけでなく、分野・規模・役職を自分から選びにいくことで、500万円到達の時期を前倒しできます。

  • 従業員1,000人以上の大規模法人や、待遇の整った訪問看護ステーションの正社員として働く
  • 認定作業療法士・専門作業療法士などの資格を取得し、資格手当や評価アップにつなげる
  • 主任・科長・サービス提供責任者など、役職・マネジメントポジションを目指す
  • 神奈川県・愛知県・栃木県など、相場が高めの地域の求人も選択肢に入れる

役職別に見た年収の目安

管理職を目指すルートは、年収500万円への近道として特に効果が大きいとされています。役職ごとの目安は次のとおりです。

役職年収目安
主任クラス450万〜500万円
課長クラス500万〜600万円
部長クラス600万円以上

出典:訪問リハビリマガジン内の転職市場データより(求人相場の目安)

ただし、役職に就くとマネジメント業務が増え、現場でのリハビリ業務に割ける時間が減る点、また役職ポストに空きがない職場では昇進自体が難しい点には注意が必要です。昇進の可能性がある職場かどうかを、転職・異動の段階で見極めることが重要になります。

歩合制の訪問リハビリという選択肢

訪問リハビリの中でも、歩合制(訪問件数に応じたインセンティブ)を採用している事業所では、次のような試算も可能です。

試算例

1件4,000円×1日6件×週5日×月22日 = 月収約52.8万円 → 年収換算で約528万円(賞与除く、事業所の単価・件数設定により変動)

1日6〜7件をコンスタントに訪問できる体力・スケジュール管理があれば、固定給制より早く500万円ラインに届く可能性があります。ただし、悪天候や利用者都合によるキャンセルで件数が安定しない月もあるため、「最低保証給+歩合」の設計になっている事業所を選ぶと安心です。

新人PT
新人OT

資格を取れば、それだけで年収は上がるんですか?

ベテランPT
ベテランOT

資格手当が出る職場ばかりではないよ。ただ、専門性の証明になって転職や昇進の場面で評価されやすくなるから、遠回りに見えて年収アップの土台になるんだ。

500万円到達までの道筋を、時間軸で整理すると次のようになります。

  1. まず現在地を確認する自分の年代・分野・企業規模での平均年収を本記事の表と照らし合わせ、今の待遇が相場よりどの程度離れているかを把握します。
  2. 足りない要素を1つに絞って動く資格取得・役職・転職・地域のうち、自分にとって現実的で効果の大きい要素を1つ選び、半年〜1年単位で計画を立てます。
  3. 条件を交渉・比較する転職であれば複数求人を比較し、現職であれば評価面談などの場で資格や実績を根拠に処遇改善を相談します。

作業療法士が年収600万円を超えるには

年収600万円は、年代別データのピークである60〜64歳の592.6万円に近い水準で、一般的な勤務だけで到達するにはハードルが高いラインです。ただし、いくつかの要素を掛け合わせれば、決して非現実的な目標ではありません。

POINT

600万円クラスを狙うなら、分野選び・マネジメント業務・複数の収入源のいずれか、あるいは組み合わせが鍵になります。

  • 障害福祉サービスや訪問リハビリなど、インセンティブ制度がある分野・事業所へ転職する
  • 管理者・所長としてマネジメント業務も担い、役職手当を上乗せする
  • 非常勤の掛け持ちや、執筆・監修・セミナー講師といった副業で収入源を増やす
  • 独立開業や専門学校・大学の教員など、キャリアの幅を広げる選択肢も検討する
注意

年収1,000万円を狙う場合は、通常の勤務モデルでは到達が非常に難しいとされています。まずは600万円を現実的な中間目標として設定するほうが、キャリア設計としては無理がありません。

ここで挙げた4つの選択肢は、どれか1つだけでは600万円に届かないケースも多くあります。「分野選び×役職」「転職×副業」のように2つ以上を組み合わせることで、初めて現実的な射程に入ってくるイメージを持っておくとよいでしょう。焦って複数を同時に動かすのではなく、まずは自分の生活スタイルに合う組み合わせから、優先順位をつけて取り組むことをおすすめします。

訪問リハビリ職視点:現場で年収を上げるための実践ポイント

訪問リハビリの現場で働くOTならではの、年収アップに直結しやすいポイントを整理します。訪問リハビリは、施設内勤務と違って1件ごとの訪問がそのまま業務の単位になるため、働き方の組み立て方が年収に反映されやすいという特徴があります。

新人PT
新人OT

訪問リハビリって、施設勤務より年収が良いって聞くことがあるんですが本当ですか?

ベテランPT
ベテランOT

事業所によるね。訪問件数に応じたインセンティブがある職場だと、固定給に上乗せがある分、年収が伸びやすい傾向はあるよ。ただし移動時間や1件あたりの単価は事業所ごとに全然違うから、求人票の条件はしっかり比較したほうがいい。

  • 訪問件数に応じたインセンティブ制度の有無を求人票で必ず確認する
  • 担当エリアが狭く、まとめて訪問しやすい事業所を選び、移動時間のロスを減らす
  • 精神科訪問看護や小児・発達分野など、OTの専門性が特に活きる領域も検討する
  • 管理者・サービス提供責任者としてのキャリアパスも視野に入れておく
POINT

訪問件数を無理に増やすことだけを追い求めると、記録業務の負担や移動疲労が蓄積し、長く働き続けることが難しくなります。年収と働きやすさのバランスを見ながら、自分に合った働き方を選ぶことが結果的に長期的な収入の安定につながります。

よくある質問

作業療法士の年収は理学療法士より低いのですか?

基本的に資格による給与テーブルの差はなく、同一の給与体系を使う職場が大半です。ただし、整形外科クリニックなど運動器中心の分野ではPTの需要が、精神科領域や小児・発達分野、老健の認知症ケアなどではOTの需要が高くなりやすく、分野による差が生まれることがあります。

作業療法士で年収1,000万円は目指せますか?

一般的な病院・施設勤務のキャリアパスだけで到達するのは非常に困難です。独立開業や専門学校・大学の教員、複数の収入源を組み合わせるなど、通常とは異なるキャリア選択が必要になります。

訪問リハビリのOTは本当に年収が高いのですか?

インセンティブ制度がある事業所では平均より高くなるケースがありますが、固定給制の事業所では450万〜500万円程度が目安とされています。制度の有無と条件は事業所ごとに確認が必要です。

女性の作業療法士は年収が上がりにくいのでしょうか?

全国平均では男女差が見られますが、作業療法士は資格を活かして復職しやすい職種でもあります。出産・育児期に時短勤務を選ぶことで一時的に年収が下がることはありますが、キャリアを通じて働き続けやすい傾向があります。

作業療法士が転職して年収を上げるコツはありますか?

求人票の提示年収だけでなく、企業規模・分野・地域という3つの軸で比較することが重要です。本記事で紹介したとおり、同じ「作業療法士」でも企業規模で約25万円、分野によっては約80万円ほどの差が出ることがあります。複数の求人を横並びで比較し、モデル年収の前提条件(経験年数・役職の有無など)まで確認したうえで判断しましょう。

年収アップのために転職エージェントを使うべきですか?

求人ごとの年収相場や条件を比較する手段としては有効です。ただし、提示年収だけでなく試用期間中の待遇、資格手当の有無、インセンティブ制度の詳細まで確認することが、転職後のミスマッチを防ぐポイントになります。

まとめ|年代別の相場を知り、500万・600万円への道筋を描こう

作業療法士の年収は、年代を重ねるごとに着実に上昇し、40代後半から50代にかけて500万円台に到達するのが平均的な水準です。600万円というより高い水準は、分野選びや役職、副業といったプラスαの工夫があってこそ現実的な目標になります。

大切なのは、平均値だけを見て一喜一憂するのではなく、自分の年代・分野・勤務先の規模という3つの軸で「相場に対する自分の立ち位置」を把握することです。そのうえで、資格取得・役職・転職・地域選び・副業といった選択肢のうち、今の生活スタイルに合うものから一つずつ動かしていくことが、無理のない年収アップへの近道になります。

この記事のまとめ
  • 作業療法士の平均年収は443.6万円。50代前半で548.8万円、60代前半で592.6万円とピークに近づく
  • 年収500万円は、大規模法人・資格取得・役職・地域選びで前倒しできる現実的な目標
  • 年収600万円は、障害福祉・訪問リハビリなどの分野選びやマネジメント業務、副業の組み合わせで狙える水準

まずは自分の年代・分野での「今の立ち位置」を確認し、次の一手を具体的に選んでいきましょう。

出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」/厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」/厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査結果」

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