リハマネ加算とは?訪問リハの算定要件・単位数・LIFEを徹底解説【令和6年度改定】

訪問リハビリで「リハビリテーションマネジメント加算(リハマネ加算)」を算定したいけれど、イとロの違いやLIFEの提出が複雑で迷っていませんか?令和6年度の介護報酬改定で区分名や運用が見直され、現場の理解もアップデートが必要になりました。
本記事では、訪問リハに関わるPT・OT・STと事業所運営に必要な「リハマネ加算」の制度概要・単位数・算定要件・LIFE提出の実務・厚労省Q&Aで押さえるべきポイントまで、令和6年度改定の最新情報をもとに一気に整理します。読み終えるころには、明日からのリハビリ会議とカンファレンスで自信を持って動けるはずです。
- 令和6年度改定後の訪問リハ「リハマネ加算」の全体像
- 加算(イ)(ロ)の単位数と医師説明加算270単位の組み合わせ
- 算定要件をクリアするためのリハビリ会議・LIFE提出の進め方
- 現場のPT・OT・STが間違いやすい運用ポイント
- 厚労省Q&Aから読み解く実務的な解釈と注意点
訪問リハビリテーションのリハビリテーションマネジメント加算とは
リハビリテーションマネジメント加算(以下、リハマネ加算)は、訪問リハ事業所の医師・PT・OT・ST・介護支援専門員らが多職種で協働し、利用者の心身機能・活動・参加にバランスよくアプローチできているかを継続的に管理することを評価する加算です。
令和6年度の介護報酬改定で区分名が整理され、現行は「加算(イ)」「加算(ロ)」の2区分に集約されました。さらに、訪問リハ計画について医師が利用者または家族へ説明し同意を得た場合は、月270単位の加算が上乗せされます。

前は加算(A)(B)と呼んでいた気がするんですけど、今は(イ)(ロ)なんですね?

そうだよ。令和6年度から(イ)(ロ)の表記になったよ。中身は「リハビリ会議の開催」と「LIFE提出の有無」で区分されている、というイメージを持っておくと整理しやすいね。
リハマネ加算は1月につき算定する加算で、(イ)と(ロ)は併算定できません。医師説明加算(270単位/月)のみ、(イ)(ロ)のいずれかにプラスで算定できます。
リハマネ加算の単位数(イ・ロ・医師説明270単位)
まずは押さえるべき単位数を確認します。数字は令和6年度介護報酬改定後の最新です。
| 区分 | 単位数 | 主な要件のポイント |
|---|---|---|
| リハマネ加算(イ) | 180単位/月 | リハビリ会議の開催・3月に1回以上の計画見直し・多職種連携など6項目 |
| リハマネ加算(ロ) | 213単位/月 | (イ)の要件+LIFEへの情報提出・フィードバック活用 |
| 医師による説明 | +270単位/月 | 事業所の医師が本人・家族に直接説明し同意を得ること(テレビ電話可) |
医師説明加算は、計画作成や見直し時の「医師による説明+利用者同意」が要件です。3月に1回以上、医師が計画を説明していれば毎月270単位を上乗せ算定できます。
270単位の医師説明加算は、リハマネ加算(イ)または(ロ)を算定していることが大前提です。単独では算定できません。また、事業所所属の医師が説明することが要件で、訪問診療の主治医による説明だけでは要件を満たさない点に注意してください。
リハマネ加算(イ)の算定要件【6項目を分解】
加算(イ)の要件は、告示で6項目に整理されています。現場運用に翻訳しながら順番に押さえましょう。
- リハビリ会議の開催と記録多職種でリハビリの専門的見地から情報共有を行い、議事録を残します。テレビ電話の活用も可(利用者同意が必要)。
- 計画の説明と同意医師・PT・OT・STのいずれかが訪問リハビリテーション計画を説明し、本人または家族の同意を得ます。PT等が説明した場合は、内容を医師に報告します。
- 3月に1回以上の計画見直し少なくとも3月に1回、リハビリ会議を開催し、状態変化に合わせて計画を見直します。
- ケアマネへの情報提供事業所のPT・OT・STが、介護支援専門員に対し、専門的見地から利用者の能力・支援方法・日常生活上の留意点を伝えます。
- 居宅訪問による指導・助言居宅サービス計画に位置付けた介護サービスの従業者か、利用者家族のいずれかに対し、居宅を訪問してリハの観点で介護の工夫を指導・助言します。
- 基準適合の確認・記録(1)〜(5)の基準を満たしたことを確認し、記録に残します。
「リハビリ会議」と「ケアマネへの情報提供」は別物です。サービス担当者会議をリハビリ会議として兼ねる運用は可能ですが、その場合もリハ視点で情報共有した記録を残しましょう。
リハマネ加算(ロ)の算定要件とLIFE提出
加算(ロ)は、加算(イ)のすべての要件に加えて、LIFE(科学的介護情報システム)への情報提出とフィードバック活用が必須となります。
LIFE提出で必要なこと
- 利用者ごとの訪問リハビリテーション計画書等の内容を厚生労働省(LIFE)に提出
- フィードバック情報を活用し、SPDCAサイクルでサービスの質を管理する
- 提出情報は、所定の様式に沿った同等の項目で差し支えない

LIFE提出って、ただ送ればOKなんですか?

送るだけじゃダメだよ。フィードバック情報を活用してSPDCAを回すことまでがセットの要件。提出時期や様式は厚労省の事務処理手順を必ず確認しよう。
SPDCAサイクルの実務イメージ
| 段階 | 訪問リハの実務例 |
|---|---|
| S(調査) | 初回訪問時の評価・ADL・本人/家族の希望のヒアリング |
| P(計画) | 目標設定と訪問リハビリテーション計画書の作成 |
| D(実施) | 計画に沿った訪問リハの提供と毎回の記録 |
| C(評価) | 3月に1回のリハビリ会議でアウトカム評価 |
| A(改善) | LIFEフィードバックを踏まえた計画の修正 |
LIFE提出は提出頻度・項目・期限が定められています。提出漏れや遅延は加算返戻のリスクに直結するため、事業所内で提出スケジュールを明文化し、担当者を決めておくと安全です。
リハビリ会議の運営ポイント(構成員・テレビ電話・欠席者対応)
リハマネ加算で最もつまずきやすいのが「リハビリ会議をどう成立させるか」です。要件を満たすためのポイントを整理します。
会議の構成員
基本は利用者本人・家族を中心に、医師、PT・OT・ST、ケアマネ、居宅サービス計画に位置付けたサービスの担当者、看護師、介護職員、保健師等が構成員となります。必要に応じて歯科医師・管理栄養士・歯科衛生士も参加します。
家庭内暴力など、家族の参加が望ましくない場合や遠方居住で参加困難な場合は、必ずしも家族参加を求めなくてよいとされています。本人・家族不在の判断理由は、議事録に残しておきましょう。
テレビ電話・Web会議の活用
リハビリ会議はテレビ電話やWeb会議システムでの実施が可能です。ただし、利用者・家族が参加する場合は事前に同意を得ること、個人情報保護や医療情報システムの安全管理ガイドラインに対応していることが条件です。
欠席者対応
会議に構成員が欠席した場合、サービス担当者会議のような「照会」は不要ですが、速やかに欠席者と情報共有を図る必要があります。共有方法(メール・電話・書面)と日付を必ず記録に残してください。
現場PT・OT・STが押さえるべき実務のコツ
制度要件だけ覚えても、現場で運用できなければ加算は安定算定できません。実地で訪問リハに関わる立場から押さえるべき5つの実務ポイントを紹介します。
1. 訪問リハビリテーション計画書を「読まれる文書」にする
計画書は監査資料であると同時に、利用者・家族・ケアマネ・医師に共有する説明資料でもあります。専門用語の羅列ではなく、目標を生活シーン(トイレ移乗、買い物、家事)に落とし込むと、医師説明と同意取得もスムーズになります。
2. 「リハ会議の議事録テンプレート」を事業所で統一する
会議のたびにフォーマットが揺れると、監査対応も非効率です。議題・参加者・欠席者対応・決定事項・次回見直し時期を必ず記載する標準テンプレートを作っておきましょう。
3. ケアマネへの情報提供を“点”ではなく“流れ”にする
ケアマネへの情報提供は、訪問リハ報告書を月1回送るだけになりがちです。利用者状態が変化したタイミングで電話・チャットで一報入れる運用を加えると、サービス担当者会議の質も上がり、リハビリ会議への合流もスムーズになります。
4. 居宅訪問指導は「介護職同行」または「家族指導」を年間計画化
加算(イ)の要件のひとつである居宅訪問指導は、忘れがちな項目です。対象ケースを年度はじめに洗い出し、訪問月をスケジュールに組み込んでおくと取りこぼしを防げます。
5. LIFEは「データ提出」と「臨床活用」を分担する
LIFE運用が形骸化する事業所では、提出する人とフィードバックを読む人が同じになり、結局活用されません。提出担当はOTやST、活用検討はPTのリーダーのように分担すると、SPDCAが回り始めます。

加算算定は、ひとりで頑張るよりチーム業務として仕組みに落とすのが結局いちばん早いんだ。
厚労省Q&Aで読み解く運用Q&A
厚生労働省は、リハマネ加算について多数のQ&Aを発出しています。現場で参照頻度が高い解釈をピックアップします。
サービス担当者会議をリハビリ会議として扱える?
サービス担当者会議からの一連の流れで、リハビリ会議と同様の構成員によりリハの専門的見地から情報共有が行われた場合は、リハビリ会議を行ったとみなして差し支えないとされています。議事録の中で「リハの観点で〇〇を共有した」と明記することが安全です。
地域ケア会議との一体開催は可能?
地域ケア会議でリハビリの提供内容について検討し、構成員がリハ会議と同様である場合は、リハビリ会議を開催したものと扱えるとされています。
医師の指示はリハ提供日ごとに必要?
毎回の指示は必須ではありません。状態変動の範囲が予想できる利用者については、適当な期間にわたり事前に指示を出し、必要に応じて修正する運用も認められています。
説明はテレビ電話でもよい?
リハ計画の説明と同意は、原則は対面が望ましいとされています。遠方居住等のやむを得ない理由がある場合は電話等での説明も可能ですが、同意は書面で直接行うことが必要です。
事業所が異なる訪問リハ・通所リハで合同会議は可能?
居宅サービス計画に両方の利用が位置付けられており、それぞれの事業者が主体的に情報共有・計画作成に関与するのであれば、合同でのリハビリ会議も可能とされています。
よくある質問
リハマネ加算(イ)と(ロ)は同じ月に併算定できますか?
できません。(イ)と(ロ)はいずれか一方を算定する形になります。ただし、同じ事業所内で利用者ごとに(イ)と(ロ)を使い分けることや、月ごとに切り替えることは認められています。
医師説明加算270単位は毎月算定できますか?
はい。基本報酬の算定上「3月に1回以上の医師診療と計画見直し」が求められているため、3月に1回以上、医師が計画を説明していれば、リハマネ加算に毎月270単位を上乗せ算定できます。
訪問リハ開始から途中でリハマネ加算を算定できますか?
可能です。利用開始時点で算定していなくても、要件を満たした月から新たに算定を始めることができます。同意取得月から起算する点に注意してください。
福祉用具貸与のみ利用している場合も、ケアマネ・他サービスへの情報提供は必要?
必要です。他の指定居宅サービスを利用していなくても、加算(イ)の要件である「ケアマネへの情報提供」「家族または介護職員への居宅指導」は満たす必要があります。
所定の様式を使わないとLIFE提出は認められませんか?
厚労省が示す様式は標準例です。同様の項目が記載されていれば、事業所独自の様式でも差し支えないとされています。LIFE提出時の入力項目を満たすことが重要です。
まとめ|リハマネ加算は「会議×LIFE×説明同意」を仕組みにできるかが勝負
令和6年度改定後の訪問リハ「リハビリテーションマネジメント加算」は、(イ)180単位・(ロ)213単位の月額加算に、医師説明270単位を上乗せできる構造に整理されました。算定の鍵は、リハビリ会議の運営とLIFE提出を“仕組み”として回せるかどうかです。
- 令和6年度改定後の区分は加算(イ)180単位・(ロ)213単位・医師説明+270単位
- (ロ)は(イ)要件+LIFE提出とフィードバック活用が必須
- リハビリ会議はテレビ電話可、ただし利用者同意と安全管理が前提
- サービス担当者会議や地域ケア会議との一体開催も条件付きで可能
- 計画書・議事録・ケアマネ情報提供をテンプレ化し、チーム業務に落とすことが安定算定の近道
制度要件は毎年の通知やQ&Aでアップデートされます。最新情報は必ず厚生労働省の一次資料で確認しつつ、現場のSPDCAサイクルに落とし込んでいきましょう。
