作業療法士が退職する理由とは?よくある事例と面接での伝え方

作業療法士(OT)として働く中で「この職場を辞めたい」と考える人は少なくありません。実際に転職サイトや相談窓口には、作業療法士からの退職相談が多く寄せられています。
ただし退職を決意する際に気になるのが「作業療法士のよくある退職理由は何か」「面接で退職理由をどう伝えれば印象が悪くならないか」という点です。
本記事では、作業療法士の退職理由について整理し、面接での伝え方や前向きな表現の仕方を解説します。
作業療法士によくある退職由
人間関係の悩み
医療・介護現場では多職種連携が求められます。その一方で、上司や同僚との人間関係にストレスを感じて退職を考える作業療法士は多いです。特に「リハビリ部門と看護部門の連携が難しい」「同僚と方針が合わない」といった声が目立ちます。
給与や待遇への不満
作業療法士の平均年収は400万円前後とされ、昇給幅が小さいため「長く勤めても給料が上がらない」と感じやすい職種です。生活の変化(結婚・子育て・住宅ローンなど)をきっかけに退職・転職を考えるケースもあります。
業務量の多さ・残業
カルテ記録、カンファレンス、家族対応などで残業が増えやすく「リハビリ以外の仕事が多すぎる」と感じる作業療法士も少なくありません。ワークライフバランスを求めて退職する人もいます。
キャリアアップ・専門性の追求
特定分野(小児リハ、精神科リハ、高齢者リハなど)で専門性を高めたい場合、現職場では経験が積めず、退職して専門施設や大学院進学を選ぶ人もいます。
ライフスタイルの変化
結婚や出産、育児、引っ越しなど、家庭環境の変化を理由に退職を選ぶケースも多くあります。特に女性OTに多い傾向があります。
本音と建前の使い分けが大切
退職理由には「本音」と「建前」があります。
- 本音:「人間関係が悪い」「給料が安い」「残業が多すぎる」
- 建前:「新しい環境でスキルを活かしたい」「ワークライフバランスを重視したい」「専門分野で経験を積みたい」
面接では本音をそのまま伝えるとマイナス印象になることがあります。そのため、本音を前向きに言い換えた「建前」で伝えるのがポイントです。
面接での退職理由の伝え方
NGな伝え方
- 「上司が嫌いだったから」
- 「給料が安すぎたから」
- 「残業が多くてやってられない」
ネガティブな表現は、協調性や適応力を疑われる原因になります。
OKな伝え方
- 「より専門的な分野でスキルを磨きたいと考えました」
- 「仕事と家庭を両立できる環境を求めて転職を決意しました」
- 「患者様と関わる時間をより大切にしたいと思い、環境を変えることを考えました」
このように伝えることで、同じ事実でも前向きに受け取ってもらえます。
退職理由の伝え方の例文
- 「前職では幅広い患者様と関わる機会があり多くを学びましたが、より専門性を高める環境を求めて転職を希望しました」
- 「結婚を機に生活スタイルが変わり、ワークライフバランスを重視した働き方をしたいと考えるようになりました」
- 「患者様と関わる時間を確保できる職場で、自分の強みを活かしていきたいと思っています」
まとめ
作業療法士が退職を考える理由は、人間関係、給与、業務量、キャリアアップ、ライフスタイルの変化などさまざまです。ただし、面接で退職理由を話す際には「不満」ではなく「前向きな動機」に言い換えることが重要です。
退職はキャリアのマイナスではなく、新しい環境で挑戦するチャンスでもあります。自分の本音を整理しつつ、建設的に伝えることで、面接官に良い印象を与えられるでしょう。