運動療法の中止基準の定番!アンダーソンとは何?わかりやすく解説

リハビリや運動療法の現場でよく耳にする「アンダーソンの基準」。
学生や新人セラピストの頃に一度は習ったけれど、「正確に説明できるか自信がない…」という方も多いのではないでしょうか。
特に理学療法士・作業療法士・看護師・健康運動指導士など、運動に関わる職種にとって、運動療法の中止基準は安全管理の基本です。
この記事では、
- アンダーソンの基準とは何か
- なぜ重要なのか
- 具体的な数値やポイント
- 現場での使い方
を、初心者にもわかるように丁寧に解説します。
アンダーソンの基準とは?
アンダーソンの基準とは、運動療法中に中止すべき状態を示した代表的な安全基準のことです。
正式には「Andersonの中止基準」と呼ばれ、リハビリテーションや心臓リハビリテーション、運動療法の現場で広く用いられています。
なぜ必要なのか?
運動療法は体力向上やADL改善に効果的ですが、同時にリスクも伴います。
- 心疾患の悪化
- 血圧の急上昇
- 不整脈
- めまい・失神
- 呼吸困難
特に高齢者や心疾患患者では、安全管理が最優先です。
そのため、「どこまでが安全で、どこからが危険か」を明確にする基準が必要になります。それがアンダーソンの基準です。
アンダーソンの基準の具体的内容
ここでは代表的な中止基準をわかりやすく整理します。
① 血圧に関する中止基準
- 収縮期血圧が 220mmHg以上
- 拡張期血圧が 120mmHg以上
- 運動中に収縮期血圧が 20mmHg以上低下
特に注意すべきなのは、「血圧の低下」です。
運動中に血圧が下がる場合、心拍出量が維持できていない可能性があります。これは心機能低下のサインであり、すぐに中止が必要です。
② 心拍数に関する中止基準
- 安静時より異常に増加
- 目標心拍数を大きく超える
- 著しい徐脈や頻脈
心拍数は単なる数値ではなく、「症状」とセットで判断することが重要です。
③ 不整脈の出現
- 新たな不整脈の出現
- 頻発する期外収縮
- 危険な心室性不整脈
心電図モニター管理下では特に重要なポイントです。
④ 自覚症状
以下の症状が出現した場合は即中止です。
- 胸痛
- 強い息切れ
- めまい
- 冷汗
- チアノーゼ
- 意識レベル低下
数値よりも「症状」が最優先です。
⑤ SpO₂の低下
- SpO₂が 90%未満
- 急激な低下(4%以上)
呼吸器疾患のある患者では特に重要です。
アンダーソンの基準が「定番」と言われる理由
アンダーソンの基準が広く使われる理由は、シンプルで覚えやすく、実践的だからです。
① 数値が明確
「220」「120」など覚えやすい数値が設定されており、国家試験対策にも頻出です。
② 多くの教科書に掲載
理学療法士・作業療法士の養成校では必ず学習します。
③ 現場で応用しやすい
特に心臓リハビリや高齢者リハビリでは、安全確認の基本になります。
ただし注意!絶対的基準ではない
ここが重要です。
アンダーソンの基準は「目安」であり、絶対ではありません。
例えば、
- 普段から高血圧の患者
- β遮断薬を服用している患者
- 重度心不全患者
では、個別の判断が必要です。
「基準内だから安全」ではなく、患者の背景を理解したうえで総合判断することが重要です。
現場での使い方
① 運動前のチェック
- 血圧測定
- 心拍数
- SpO₂
- 自覚症状確認
基準を頭に入れながら、安全確認を行います。
② 運動中の観察
- 顔色
- 発汗
- 呼吸状態
- 会話の様子
数値だけでなく、全身状態を観察します。
③ 運動後の確認
- 回復状況
- 血圧の戻り
- 症状の有無
回復が遅い場合も注意が必要です。
国家試験でのポイント
アンダーソンの基準は国家試験でも頻出です。
よく問われるのは:
- 収縮期血圧220mmHg以上
- 拡張期血圧120mmHg以上
- 20mmHg以上の血圧低下
数字をしっかり覚えておくことが重要です。
まとめ
アンダーソンの基準とは、運動療法中に中止すべき状態を示す代表的な安全基準です。
主なポイントは:
- 収縮期血圧220mmHg以上
- 拡張期血圧120mmHg以上
- 20mmHg以上の血圧低下
- 危険な不整脈
- 胸痛やめまいなどの自覚症状
運動療法は「効果」よりも「安全」が最優先です。
アンダーソンの基準は、すべての運動指導者・医療職が押さえておくべき基本中の基本。
数値を覚えるだけでなく、患者の状態を総合的に判断できる力を身につけることが、本当の意味での安全管理です。
新人セラピストの方も、国家試験対策中の学生さんも、ぜひこの機会に整理しておきましょう。
