訪問リハビリで屋外歩行や外出訓練は制度上可能?実施時の注意点も解説
「訪問リハビリで屋外歩行や外出訓練は可能なのか?」という疑問は時々聞かれます。
今回は『訪問リハビリにおける屋外歩行や外出訓練について』分かりやすく解説します。
この記事でわかることは以下のとおりです。
- 訪問リハビリで屋外歩行練習や外出訓練を実施することは可能なのか
- 訪問リハビリでの屋外歩行練習や外出練習の事例
- 訪問リハビリでの屋外歩行練習や外出練習を実施するときの注意点
この記事を最後まで読んでいただくと、『訪問リハビリにおける屋外歩行や外出訓練について』マスターすることができます。
では、解説を始めます。
訪問リハビリで屋外歩行や外出訓練はできる?
結論から伝えます。
訪問リハビリで屋外歩行や外出訓練を実施することは制度上、可能です。
根拠としては、厚生労働省の「リハビリテーション・個別機能訓練、栄養、口腔の実施及び一体的取組について(令和6年3月15日)」にも下記のような文言が示されているが挙げられます。
活動と参加の観点からは、居宅からの一連のサービス行為として、買い物やバス等の公共交通機関への乗降などの行為に関する指定訪問リハビリテーションを利用することも重要である。
また、「H12 老企 36 第2の5(1)算定の基準について」という項目で下記の文言も掲載されています。
居宅からの一連のサービス行為として、買い物やバス等の公共交通機関への乗降などの行為に関する訪問リハビリテーションを提供するに当たっては、訪問リハビリテーション計画にその目的、頻度等を記録するものとする。
平成27年度介護報酬改定から『活動と参加に焦点を当てたリハビリテーションの推進』が位置付けられたように訪問リハビリテーションにおいても屋内外問わず活動や参加に焦点を当てたリハビリテーションが求められていると言っても良いと思います。
訪問リハビリで屋外歩行や外出練習をする事例(目的)紹介
訪問リハビリで屋外歩行や外出練習をする事例(目的)をいくつか紹介します。
近くのスーパーやコンビニまで一人で行く習慣をつけるために屋外歩行練習と店での商品選び・支払いの練習をする。
介護予防のための運動習慣構築のために屋外歩行練習をする。
注意障害がある利用者さんに対して、交通ルールを守れているか確認するために屋外歩行練習をする。
バスと電車を使って旅行に行くという目標を叶えるために、バスの乗車練習やエスカレーターやエレベーター、階段昇降練習を実施する。
訪問リハビリでの屋外歩行や外出訓練時の注意点
訪問リハビリでの屋外歩行や外出訓練時は下記のようなことに注意して実施する必要があります。
- 前後のバイタルチェックを念入りにする
- 血圧計などを持参する
- 携帯電話を持っていく
- 利用者さんの緊急連絡先を把握しておく
- 交通ルールを守る
- 転倒に注意する
一つずつ解説していきます。
前後のバイタルチェックを念入りにする
外出訓練の前後には、必ず利用者のバイタルサイン(血圧、脈拍、呼吸数など)を確認しましょう。特に高齢者や心肺機能に問題がある場合は、些細な変化にも注意が必要です。
- 訓練前に体調が安定しているか確認することで、リスクの予防が可能です。
- 訓練後も疲労や異常がないかを確認し、必要に応じて休息や応急処置を行います。
血圧計などを持参する
外出中に体調の変化が起きた際、迅速に対応できるよう、血圧計やパルスオキシメーターなどの測定機器を持参しましょう。
- 軽量で持ち運びしやすい機器を選ぶと便利です。
- 測定結果に基づいて、訓練の中断や医療機関への連絡を判断します。
携帯電話を持っていく
万が一の事態に備え、携帯電話を必ず持参してください。事故や体調不良が発生した場合、迅速に家族や医療機関に連絡を取れる環境を整えておくことが必要です。
- バッテリー残量を確認し、充電が十分にある状態にしておきます。
- 緊急連絡先をすぐに見つけられるよう、連絡帳やメモに記載しておくと安心です。
利用者さんの緊急連絡先を把握しておく
外出中に利用者の体調が急変した場合、速やかに家族やケアマネジャーに連絡する必要があります。事前に緊急連絡先を確認し、必要に応じてリスト化しておきましょう。
- 緊急連絡先を持参するだけでなく、連絡先の優先順位を把握しておくとスムーズに対応できます。
- 家族に訓練時間やルートを共有しておくと、さらに安心です。
交通ルールを守る
屋外歩行では、交通ルールを遵守することが必須です。特に横断歩道や信号機の使用、歩道の歩行ルールに従うことが利用者の安全確保につながります。
- 車道側ではなく歩道側を歩くなど、危険を避けるルートを選びます。
- 利用者が交通ルールを守れているか、スタッフが逐一確認することが必要です。
転倒に注意する
屋外では平坦ではない地面や段差などの障害物が多く、転倒のリスクが高まります。利用者が安全に歩行できるよう、環境を慎重に選定し、サポートすることが求められます。
- 段差や滑りやすい場所がないか事前に確認します。
- 利用者に適切な靴を履いてもらい、杖や歩行器を使用する際は正しくサポートします。
- 訓練中も利用者の足元に注意を払い、必要に応じて手を貸します。