リハビリテーション会議とは?構成員・頻度・進め方・記入例まで徹底解説

「リハビリテーション会議って、結局なにを話す場なの?」「誰を呼べばいいの?」「サービス担当者会議と何が違うの?」——訪問リハビリや通所リハビリの現場では、リハビリテーション会議への戸惑いの声が今も後を絶ちません。
リハビリテーション会議は、リハビリテーションマネジメント加算の算定や「12月超減算」の回避に直結する、避けては通れない会議です。この記事を読めば、会議の目的・構成員・医師の関わり方・サービス担当者会議との違い・開催頻度・進め方・会議録の記入例と保存期間まで、現場でそのまま使える知識が一通り身につきます。新人PTさんも、これを読めばもう会議は怖くありません。
- リハビリテーション会議の意味と、加算・減算との関係
- サービス担当者会議との違いと、混同しやすいポイント
- 会議に呼ぶべき構成員と、医師の関わり方・欠席が認められるケース
- サービス別の開催頻度(早見表つき)と、当日までの進め方7ステップ
- 訪問・通所別の会議録の記入例と、記録の保存期間・様式
リハビリテーション会議とは?まずは基本を押さえよう
リハビリテーション会議とは、訪問リハビリテーションや通所リハビリテーションを利用する人について、本人・家族と多職種が集まり、リハビリの方針や内容を共有・検討する会議です。
単なる情報交換の場ではありません。リハビリテーション会議そのものが、加算の算定要件・減算の回避要件として位置づけられている点が最大の特徴です。つまり「開けばよい」のではなく、「要件を満たす形で開く」ことが求められます。
リハビリテーション会議が関係する主な加算・減算は、次のとおりです。
| 区分 | 名称 | 会議との関係 |
|---|---|---|
| 加算 | リハビリテーションマネジメント加算 | 算定要件として会議の開催が必要 |
| 減算回避 | 12月超減算(介護予防リハ) | 減算を回避する要件の一つに会議が含まれる |
| その他 | サービス利用終了時 | 終了前おおむね1か月以内に会議で内容を確認 |

リハビリテーション会議って、ただの打ち合わせとは違うんですね…!

そう。会議そのものが加算・減算の「要件」になっているんだ。やり方を間違えると報酬に直結するから、ここはしっかり押さえておこうね。
リハビリテーション会議とサービス担当者会議の違い
現場でよく混同されるのが、ケアマネジャーが主催する「サービス担当者会議」です。どちらも多職種が集まる会議ですが、目的も中心となる職種も異なります。
| 項目 | リハビリテーション会議 | サービス担当者会議 |
|---|---|---|
| 中心となる職種 | 医師・リハ職(PT・OT・ST) | 介護支援専門員(ケアマネジャー) |
| 目的 | リハビリテーション計画の立案・評価・見直し | 居宅サービス計画(ケアプラン)全体の調整 |
| 対象 | リハビリテーションに特化 | サービス全体を横断 |
| 根拠 | リハマネ加算・12月超減算回避の要件 | 居宅介護支援の運営基準 |
サービス担当者会議からの一連の流れで、リハビリテーション会議と同様の構成員により専門的な見地から利用者の状況を共有した場合は、リハビリテーション会議を行ったものとして差し支えないとされています。ただし「兼ねられる」だけで「省略できる」わけではない点に注意しましょう。

サービス担当者会議をやっていれば、リハビリテーション会議は省いてもいいんですか?

それは別物よ。リハビリテーション会議はリハ計画に特化した会議で、加算の根拠にもなるの。両方の内容がちゃんとかみ合うように連携させるのが理想だね。
リハビリテーション会議の目的|なにを話し合う会議?
リハビリテーション会議で話し合う内容(協議内容)は、大きく次の4つに整理できます。
- アセスメント結果など、利用者の状態に関する情報の共有
- 多職種が協働するための支援方針の確認
- 具体的なリハビリテーションの内容の検討
- 構成員どうしの連携方法の確認
リハビリテーション会議の主役は、専門職ではなく利用者本人です。専門職だけで方針を決めるのではなく、本人・家族が「生活の中で何を実現したいか」を出発点に、チームで共有することが目的の核心です。
「短期集中」「認知症短期集中」「生活行為向上リハ」の実施検討も協議事項
意外と見落とされがちですが、リハビリテーション会議では、利用者の状態に応じて短期集中個別リハビリテーション・認知症短期集中リハビリテーション・生活行為向上リハビリテーションを実施すべきかどうかの検討も求められています。これらは加算の対象となるサービスのため、「対象になりそうな利用者を見落としていないか」を会議のたびに確認する意識を持つと、加算の算定漏れを防げます。
リハビリテーション会議の構成員|誰が参加する?
リハビリテーション会議の構成員は、利用者本人とその家族を基本としつつ、ケアに関わる多職種で構成します。
基本となる構成員
本人・家族/医師/理学療法士・作業療法士・言語聴覚士/介護支援専門員(ケアマネジャー)/居宅サービス計画に位置づけたサービス担当者/看護師・准看護師/介護職員/介護予防・日常生活支援総合事業のサービス担当者/保健師 など。
必要に応じて加わる職種
歯科医師/管理栄養士/歯科衛生士 など、利用者の状態に応じて参加を求めます。
家族については、家庭内暴力などで参加が望ましくない場合や、遠方に住んでいるなどのやむを得ない事情がある場合は、必ずしも参加を求めなくてもよいとされています。また、日程調整をしたうえで構成員が欠席した場合は、速やかに会議の内容を欠席者と共有することが求められます。

全員そろわないと、会議が成立しないんですか?

いいえ。大事なのは「きちんと召集したかどうか」。声をかけたうえで欠席した人には、あとから内容を共有すれば大丈夫だよ。
医師はどこまで会議に関わる必要がある?
構成員の中でも現場が特に迷いやすいのが医師の関わり方です。リハビリテーション計画は医師の指示のもとで作成するものと位置づけられているため、医師の関与は欠かせません。ただし、必ずしも医師本人が毎回会議に同席しなければならないわけではなく、事業所の実情に応じて次のような対応が取られています。
| 関わり方 | 内容 |
|---|---|
| 直接出席 | 会議に同席し、その場で指示・助言・確認を行う |
| オンライン参加 | テレビ電話装置等を使って参加する。利用者・家族が参加する場合は、オンライン利用について本人等の同意を得る必要がある |
| 出席が難しい場合 | 事前にリハビリテーション計画や会議資料を確認したうえで指示を伝え、その経緯を記録に残す |
医師の関与が不十分で、その経緯を証明できない場合は算定要件を満たさないおそれがあります。誰が・いつ・どのように医師が関与したかを必ず記録に残しましょう。また、加算の種類によっては医師本人による説明・同意が要件となっている場合があるため、算定する加算の要件は個別に確認してください。
リハビリテーション会議の開催頻度|サービス別早見表
リハビリテーション会議の開催頻度は、サービスの種類や算定する加算によって異なります。下の早見表で確認しましょう。
| サービス/場面 | 開催頻度 |
|---|---|
| 訪問リハビリ(リハマネ加算) | 3か月に1回以上 |
| 介護予防訪問リハビリ(12月超減算の回避) | 3か月に1回以上 |
| 通所リハビリ(リハマネ加算・利用開始6か月以内) | 1か月に1回以上 |
| 通所リハビリ(リハマネ加算・利用開始6か月超) | 3か月に1回以上 |
| 介護予防通所リハビリ(12月超減算の回避) | 3か月に1回以上 |
通所リハビリだけは、利用開始から6か月以内は毎月(1か月に1回以上)の開催が必要です。利用開始直後は頻度が高いため、初回利用者のスケジュール管理には特に注意しましょう。なお、利用者の状態に大きな変化があった場合は、定めた頻度を待たずに随時開催することもできます。
リハビリテーション会議はオンライン開催できる?
リハビリテーション会議は、テレビ電話などのオンライン会議システムを使って開催することが認められています。遠方の家族や多忙な医師も参加しやすくなり、日程調整のハードルが下がるのは大きなメリットです。
ただし、オンライン開催では次のルールを守る必要があります。
- 利用者本人や家族が参加する場合は、オンライン利用について本人等の同意を得る
- 個人情報保護や医療情報システムの安全管理に関する国のガイドラインを遵守する

カメラ越しでも「会議をした」ことになるんですね。

ええ。ただし「同意」と「セキュリティ」は必須。便利だからこそ、情報の扱いは丁寧にね。
リハビリテーション会議の進め方|当日までの7ステップ
ここでは、リハビリテーション会議を実際に進める流れを7ステップで紹介します。あくまで一例ですが、はじめて司会を任されたときの「台本」としても使えます。
- 事前準備日程調整を行い、リハビリテーション計画書・経過記録・本人や家族の要望などの資料を準備。アジェンダ(議題)を作成して参加者へ事前共有する。
- 会議の開始出席者の確認とあいさつ、会議の趣旨説明を行い、利用者の最新の状態を報告する。
- 支援方針の検討本人・家族の希望と目標を再確認し、各専門職が意見を出し合って支援方針を決定する。
- リハビリ内容の具体化リハビリの内容・頻度・期間を設定し、他サービスとの連携方法と役割分担を確認する。
- 情報共有事項の確認体調変化の注意点、自宅環境の改善案、家族への指導内容などを整理する。
- 次回会議の設定次回の開催日時を決め、次回までに検討すべき課題を明確にする。
- 会議録の作成と共有出席者・議論内容・決定事項を記録し、関係者へ共有して内容を確認してもらう。
会議録づくりは手間がかかります。会議を録音し、ChatGPTなどのAIで要点をまとめてもらうと大幅に時短できます。そのためにも当日は「大きな声で・議題をわかりやすく・余計な雑談は控えめに・短時間で」を意識して進行しましょう。
リハビリテーション会議録の記入例|訪問・通所リハ別
リハビリテーション会議を実施したら、その内容をリハビリテーション会議録として残す必要があります。ここでは記入例を、訪問リハ・通所リハそれぞれで紹介します。
訪問リハビリテーションの会議録 記入例
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 支援方針 | 自宅内で安全に生活できるよう、バランス能力の向上と転倒防止を最優先課題とし、日常動作の自立度を高める。 |
| リハビリの内容 | 段差の昇降を含む家屋内歩行練習、支持物を使った立位保持訓練(週2回)、調理準備動作のシミュレーション練習。 |
| 共有すべき事項 | 訪問看護師と連携し体調変化を早期に把握。手すり設置や滑り止めなど自宅環境の安全性を継続確認。家族へ転倒防止策を指導。 |
| 次回の予定・検討事項 | ○月○日10:00/自宅内移動の状況と環境調整の必要性を再評価。 |
通所リハビリテーションの会議録 記入例
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 支援方針 | 自宅での日常生活を安全かつ自立して送れるよう、筋力維持と移動能力の向上を目指す。特にトイレ動作と立ち座りを重点的に支援する。 |
| リハビリの内容 | 下肢筋力強化を目的としたレッグプレス(週3回)、杖の正しい使い方の指導と平地歩行練習、椅子への着座・立ち上がりの反復練習。 |
| 共有すべき事項 | 自宅での歩行補助具の活用状況を確認し、必要に応じてケアマネジャーと調整。家族へリハビリ内容を説明し、自宅での継続練習を促す。 |
| 次回の予定・検討事項 | ○月○日14:00/トイレ動作の進捗確認と、新たな訓練目標の設定。 |
記入例はあくまで「ひな形」です。必ず目の前の利用者の状態に合わせて具体的に書き換えてください。コピペのまま使うと「画一的な計画」と指摘されるおそれがあります。
会議録の保存期間と様式|何年保存する?何を使えばいい?
会議録は作成して終わりではありません。作成した会議録は、介護支援専門員をはじめ、居宅サービス計画に位置づけられた居宅サービスの担当者と共有を図ること、そして利用者ごとに2年間保存することが求められています。
様式については、国が示す標準的な様式(リハビリテーション会議録の様式)が公開されており、多くの事業所がこれをベースに独自の書式を運用しています。ただし様式の名称や番号は報酬改定のたびに整理されることがあるため、実際に使用する際は最新の様式や、所属する自治体・事業所の指定基準を確認するようにしましょう。
「作成した」ことよりも「必要な人と共有し、決められた期間保存できているか」が実地指導で見られるポイントです。ファイリングルールを事業所内であらかじめ決めておくと、記録の抜け漏れを防げます。
要支援の人の「12月超減算」とリハビリテーション会議
通所リハビリ・訪問リハビリともに、要支援の利用者に対して、利用開始月から12か月を超えて介護予防リハビリテーションを提供すると報酬が減算されます。これを「12月超減算」と呼びます。
ただし、次の2つの要件を両方満たせば、12月超減算を回避できます。そのうちの一つが、リハビリテーション会議です。
- 3か月に1回以上リハビリテーション会議を開催し、専門的な見地から利用者の状況を構成員と共有し、会議内容を記録するとともに、状態の変化に応じてリハビリテーション計画を見直していること
- 利用者ごとのリハビリテーション計画書などの情報を国(LIFE)に提出し、その情報を活用してリハビリテーションを提供していること

会議を開かないと、報酬が下がってしまうんですね…。

そう。だから要支援の人こそ、会議の予定を先にカレンダーへ入れておくのがコツだよ。
リハビリテーション会議のよくある質問
リハビリテーション会議は本人が欠席してもよい?
なるべく参加することが望ましいですが、状況によっては本人の欠席もやむを得ません。欠席した場合は、後から会議の内容を本人・家族と共有しましょう。
医師が一度も会議に参加しなくても算定できる?
原則として医師の関与は必須です。直接出席できない場合でも、オンライン参加や事前確認など何らかの形で関与し、その経緯を記録に残す必要があります。加算によっては医師本人の説明・同意が要件となっている場合があるため、算定する加算の要件を必ず確認しましょう。
ケアマネジャーが欠席してもよい?
きちんと召集したうえで、どうしても参加できない場合はケアマネジャーの欠席も差し支えありません。欠席した担当者へは速やかに内容を共有します。
参加できない人には「照会」が必要?
サービス担当者会議とは異なり、リハビリテーション会議では照会は不要です。ただし、欠席した居宅サービス等の担当者には、速やかに情報共有を図る必要があります。
会議録はどのくらいの期間保存すればいい?
利用者ごとに2年間保存することが求められています。事業所の運営規程やマニュアルに保存ルールを明記し、担当者が変わっても抜け漏れが起きないようにしておきましょう。
訪問リハと通所リハを併用している場合、会議を合同開催できる?
居宅サービス計画に訪問リハと通所リハの両方が位置づけられ、それぞれの事業者が主体となって情報共有・計画作成を行うのであれば、リハビリテーション会議を合同で開催しても差し支えありません。
リハビリテーション会議でリハ職(PT・OT・ST)が意識したい3つのこと
リハビリテーション会議は、リハ職にとって「自分たちの専門性をチームに伝える数少ない場」です。次の3点を意識するだけで、会議での発言がぐっと伝わりやすくなります。
1. 結論から短く報告する
医師やケアマネジャーは時間が限られています。経過を時系列でだらだら話すのではなく、「結論→根拠→お願いしたいこと」の順で話すと、会議が締まります。専門用語は「立ち上がり動作=椅子から立つ動き」のようにかみ砕きましょう。
2. 「できるようになったこと」を必ず伝える
課題ばかりを並べると、本人・家族のモチベーションは下がります。小さな変化でもよいので、改善した点を具体的に共有しましょう。前向きな情報は、家族の自宅練習への協力にもつながります。
3. 目標と生活をつなげて話す
「歩行距離が伸びた」だけでは、生活のイメージが湧きません。「歩行距離が伸びたので、近所のスーパーまで一人で買い物に行けそうです」のように、数値や訓練内容を本人の生活場面に翻訳して伝えるのがリハ職の腕の見せどころです。

つい訓練の細かい内容を全部話してしまっていました…。

会議で大事なのは「正確さ」より「伝わること」。生活の言葉に置き換えるクセをつけると、チームの信頼もぐっと上がるよ。
まとめ|リハビリテーション会議は「事前準備」で決まる
リハビリテーション会議は、ルールを知って準備さえ整えれば、決して難しい会議ではありません。最後に要点を振り返りましょう。
- リハビリテーション会議は、リハマネ加算の算定や12月超減算の回避に必須の会議
- サービス担当者会議とは目的も中心となる職種も異なるため、混同せず両方を機能させる
- 構成員は本人・家族+多職種。医師の関与は必須だが、直接出席以外の形も認められている
- 頻度はサービス別。訪問リハは3か月に1回、通所リハは利用開始6か月以内なら毎月
- 進め方は「事前準備→当日→会議録」の流れ。会議録は2年間保存し、関係者と共有する
リハビリテーション会議は、準備の質がそのまま会議の質になります。本記事の早見表と記入例をテンプレートとして手元に置き、利用者本位の会議を重ねていきましょう。
