訪問リハビリの計画書の作成頻度は?2週間・3か月ごとの根拠を解説

「訪問リハビリの計画書って、どのくらいの頻度で作り直せばいいの?」——新しく訪問リハビリに配属されたPT・OT・STや、事業所の管理者からよく出る疑問です。運営指導でも、計画書の作成日・同意日・見直しのタイミングは必ず確認されるポイントです。
結論からいうと、訪問リハビリの計画書はサービス開始前に作成・説明・同意・交付し、開始からおおむね2週間以内に評価・見直し、その後はおおむね3か月ごとに評価・見直しを行うのが基本です。この記事では、その根拠となる運営基準・留意事項通知・リハビリテーションマネジメント加算の要件を整理し、状態変化やケアプラン変更のときに必要な見直しまで、実務の流れに沿って解説します。
- 訪問リハビリの計画書の作成頻度(開始前・2週間以内・3か月ごと)
- 作成頻度の根拠になる運営基準・通知・加算要件
- 医師の診療「3か月以内」ルールと計画書の関係
- 状態変化・ケアプラン変更・退院時など、臨時で見直すべき場面
- 介護予防訪問リハビリのモニタリングと12か月超の減算
- 運営指導で指摘されないための日付と記録の残し方
訪問リハビリの計画書の作成頻度は「開始前→2週間以内→3か月ごと」
まずは全体の流れを確認しましょう。訪問リハビリの計画書は、一度作って終わりではなく、評価と見直しを繰り返すサイクルで運用します。
- サービス開始前:計画書を作成し、説明・同意・交付事業所の医師の診療に基づいて計画書を作成し、利用者または家族に説明して同意を得て、計画書を交付します。ここまで終えてから初回の訪問リハビリを提供します。
- 開始からおおむね2週間以内:評価・見直し実際にリハビリを提供しながら、自宅での動作や生活環境を評価し、目標やプログラムが適切かを確認して計画を見直します。開始前の計画は情報が限られた段階で作るため、この2週間の見直しで実態に合った計画に仕上げます。
- その後おおむね3か月ごと:評価と見直し目標の達成状況を評価し、計画を見直します。事業所の医師の診療、リハビリテーション会議もこのサイクルに合わせて行うと運用しやすくなります。
- 状態変化・ケアプラン変更時:その都度見直し入院・退院、病状の変化、ケアプランの変更などがあれば、3か月を待たずに速やかに見直します。

「2週間以内」と「3か月ごと」は、どの通知に書いてあるんですか?

訪問リハビリでは、厚労省の通知「リハビリテーション・個別機能訓練、栄養、口腔の実施及び一体的取組について」にある、訪問・通所リハビリ共通の「プロセス管理票」の様式例に、進捗状況の評価は「開始から2週間以内、以降は3月ごと」と示されているよ。通所リハビリは留意事項通知の本文にも同じ頻度が書かれているね。
リハビリテーションマネジメントの考え方として、運営指導でも「開始2週間以内に見直し、以降3か月ごと」のサイクルが回っているかが確認されます。訪問リハビリの留意事項通知の本文は「定期的に評価し、必要に応じて見直す」という書き方なので、このサイクルを事業所のルールとして明文化し、記録で示せるようにしておきましょう。
訪問リハビリの計画書の作成頻度の根拠
計画書の作成頻度は、1つの条文で決まっているわけではありません。運営基準、留意事項通知、算定ルール、加算要件を組み合わせて理解する必要があります。
| 根拠 | 内容 | 計画書との関係 |
|---|---|---|
| 運営基準 第81条 | 医師の診療に基づき、医師とPT・OT・STが計画を作成し、説明・同意・交付する | サービス開始前の作成・同意・交付が必須 |
| 運営基準 第80条 | 計画に従った実施状況と評価を速やかに診療記録に記載し、医師に報告する | 評価の記録が常に必要 |
| 留意事項通知 | 計画の進捗状況を定期的に評価し、必要に応じて見直す | 定期的な評価・見直しが必要 |
| プロセス管理票(様式例) | 進捗状況の評価は開始から2週間以内、以降は3月ごと | 2週間・3か月の目安 |
| 算定ルール | 事業所の医師の診療の日から3月以内に行われた場合に算定 | 少なくとも3か月ごとに診療が必要 |
| リハマネ加算(イ・ロ) | 3月に1回以上リハビリテーション会議を開催し、状況の変化に応じて計画を見直す | 加算算定時は3か月ごとの会議と見直しが要件 |
運営基準:開始前の作成・説明・同意・交付
運営基準(指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準)第81条では、医師とPT・OT・STが、医師の診療に基づき、利用者の病状・心身の状況・希望・環境を踏まえて計画を作成すること、すでにケアプランがある場合はそれに沿うこと、内容を説明して同意を得ること、作成した計画を利用者に交付することが定められています。
また、令和6年度の改正で、リハビリテーションを受けていた医療機関から退院した利用者については、医療機関のリハビリテーション実施計画書等で情報を把握することが義務づけられました。
医師の診療「3か月以内」ルール
訪問リハビリ費は、計画的な医学的管理を行っている事業所の医師の指示のもとで実施し、その医師の診療の日から3月以内に行われた場合に算定します。つまり、少なくとも3か月ごとに医師の診療が必要で、その診療に基づいて計画を作成・見直す流れになります。3か月ごとの見直しは、この算定ルールとも自然に一致します。
リハビリテーションマネジメント加算の要件
リハビリテーションマネジメント加算(イ)では、3月に1回以上リハビリテーション会議を開催し、利用者の状況の変化に応じて訪問リハビリテーション計画を見直していることが要件の一つです。(ロ)は(イ)の要件に加えて、計画書等の情報をLIFE(科学的介護情報システム)に提出し、活用することが求められます。

リハマネ加算を取っていない事業所なら、3か月ごとの見直しはいらないんですか?

そうはならないよ。医師の診療は3か月以内が算定の前提だし、留意事項通知でも定期的な評価と見直しが求められている。それに、厚労省の通知では、加算を算定しない場合でも、全利用者に適切なリハビリテーションマネジメントを行うよう努める必要があるとされているんだ。
医療機関の計画書を使って訪問リハビリを始める場合
医療機関で医師の診療とリハビリを受けていた利用者については、例外的な取り扱いがあります。医療機関から別紙様式2-2-1(リハビリテーション計画書)で情報提供を受け、事業所の医師が利用者を診療して内容を確認し、開始して差し支えないと判断した場合は、その別紙様式2-2-1を計画書とみなして算定を開始できます。
この場合でも、算定開始の日が属する月から起算して3月以内に、事業所の医師の診療に基づいて次回の訪問リハビリテーション計画を作成する必要があります。医療機関の計画書をそのまま使い続けることはできません。
事業所の医師が診療できない場合
事業所の医師がやむを得ず診療できない場合、別の医療機関の医師から情報提供を受けて計画を作成し、訪問リハビリを提供することもできます。ただしこの場合は、診療未実施減算(1回につき50単位)の対象です。算定は、情報提供の基礎となった診療の日から3月以内に行われた場合に限られます。なお、退院後1か月以内の訪問リハビリで、入院していた医療機関から情報提供を受けているなどの要件を満たす場合は、この減算が適用されません。
3か月を待たずに計画書を見直すべきタイミング
3か月ごとの見直しは「最低限のサイクル」です。次のような場面では、3か月を待たずに評価し、必要に応じて計画を見直します。
| 場面 | 見直しのポイント |
|---|---|
| 入院・退院した | 退院時は医療機関のリハビリ実施計画書等で情報を把握し、目標・内容を再設定する |
| 病状・心身の状態が変化した | 転倒、骨折、肺炎、認知機能の低下などで、目標や中止基準を見直す |
| ケアプランが変更された | 訪問リハビリ計画はケアプランに沿って作るため、内容が整合しているか確認し、必要に応じて変更する |
| 要介護度が変わった・要支援⇔要介護になった | 要介護と要支援では計画の種類が異なるため、新たに計画を作成する |
| 目標を早期に達成した | 新しい目標を設定するか、終了・移行(通所系サービスなど)を検討する |
| サービス内容・回数を変更する | 短期集中リハビリの開始・終了、訪問回数の増減などを計画に反映する |
ケアプランが後から作られた・変わった場合
留意事項通知では、訪問リハビリテーション計画を作成した後にケアプランが作成された場合、その計画がケアプランに沿ったものであるかを確認し、必要に応じて変更するとされています。サービス担当者会議でケアプランの内容が変わったら、計画書との整合を必ず確認しましょう。
介護予防訪問リハビリの計画書とモニタリング
要支援の人が利用する介護予防訪問リハビリテーションでは、計画書に「サービスの提供を行う期間」を記載します。そのうえで、介護予防サービス等の基準(第86条)により、次の対応が求められます。
- 計画に基づくサービス提供の開始から、計画に記載した期間が終了するまでに、少なくとも1回はモニタリング(実施状況の把握)を行う
- モニタリングの結果を記録し、介護予防サービス計画を作成した介護予防支援事業者に報告する
- モニタリングの結果を踏まえ、必要に応じて計画を変更する
利用開始から12か月を超える場合の減算
介護予防訪問リハビリテーションは、利用開始月から12か月を超えて提供する場合、1回につき30単位の減算があります。ただし、3月に1回以上リハビリテーション会議を開催して計画を見直し、計画書等の情報をLIFEに提出・活用している場合は、減算が適用されません。要支援の利用者でも、3か月ごとのサイクルを回しておくことが重要です。

要支援から要介護に変わったら、計画書は作り直しですか?

そうだね。介護予防訪問リハビリと訪問リハビリは別のサービスだから、それぞれの計画が必要になる。認定が変わったタイミングで医師の診療を受け、新しい計画を作成・説明・同意・交付しよう。ケアマネジャーも変わることがあるから、連絡調整も忘れずに。
運営指導で指摘されないための計画書の管理【実践編】
運営指導では、計画書の内容だけでなく、日付の順番と記録のつながりが確認されます。PT・OT・STと管理者が一緒に押さえておきたいポイントを整理します。
日付の順番をそろえる
基本の順番は「医師の診療 → 計画書の作成 → 説明・同意 → 交付 → サービス提供」です。同じ日に行うこと自体は問題になりにくいものの、サービス提供日より後に同意日があるといった逆転は指摘の対象になります。同日に行う場合も、記録上で順番がわかるようにしておきましょう。
| 記録 | 記載例・残し方 |
|---|---|
| 医師の診療 | 診療日、診療内容、PT・OT・STへの指示(目的、留意事項、中止基準、負荷など) |
| 計画書 | 作成日、作成者(医師・PT等)、目標、期間、具体的な内容、終了の目安 |
| 説明・同意 | 説明日、説明者、同意者の署名。PT等が説明した場合は医師への報告の記録 |
| 評価・見直し | 評価日(開始2週間以内、以降3か月ごと)、評価結果、見直しの有無と内容 |
| リハビリテーション会議 | 開催日、参加者、共有した内容、欠席者への情報共有の記録 |
3か月サイクルを管理する工夫
- 利用者ごとに「次回の医師の診療日」「次回の評価日」「次回のリハ会議」を一覧で管理する
- 医師の診療・リハ会議・計画の見直しを同じ月にまとめ、サイクルをそろえる
- 厚労省の様式例「プロセス管理票」を使い、Survey・Plan・Do・Check・Actionの進み具合をチェックする
- 状態変化があったときに、臨時の見直しを記録に残すルールを決めておく
医師の診療から3か月を超えて訪問リハビリを提供すると、その期間の訪問リハビリ費が算定できず、返還の対象になるおそれがあります。診療日の管理は計画書の管理と同じくらい重要です。
よくある質問
計画書の作成日・同意日・初回提供日は同じ日でもよいですか?
同じ日でも、医師の診療に基づいて計画を作成し、説明・同意・交付を終えてからサービスを提供した順番が記録で確認できれば、問題になりにくいと考えられます。提供日より後に同意日があるなど、順番が逆転していると指摘の対象になります。扱いに迷う場合は指定権者に確認してください。
3か月ごとの見直しで、内容が変わらない場合も計画書を作り直しますか?
評価を行い、その結果として内容を継続すると判断した記録を残すことが大切です。事業所の医師の診療は3か月以内ごとに必要なため、診療に基づいて計画を確認・更新し、利用者への説明と同意の記録を残す運用が一般的です。
リハビリテーション会議はオンラインでもよいですか?
テレビ電話装置等を活用して開催できます。ただし、利用者や家族が参加する場合は、テレビ電話装置等の活用について同意を得る必要があります。
計画書の様式は決まっていますか?
厚労省の通知「リハビリテーション・個別機能訓練、栄養、口腔の実施及び一体的取組について」に、別紙様式2-2-1・2-2-2(リハビリテーション計画書)などの様式例が示されています。記載内容はこの様式例と記載方法を参照するよう求められています。
短期集中リハビリテーション実施加算を始めるときも計画を見直しますか?
短期集中的なリハビリを行う場合は、目標・頻度・内容が変わるため、計画に反映させる必要があります。加算の算定要件とあわせて、計画書の記載内容を確認しましょう。
介護予防訪問リハビリのモニタリングは何回必要ですか?
計画に記載したサービス提供期間が終了するまでに、少なくとも1回行います。結果は記録し、介護予防支援事業者に報告します。12か月を超えて利用する場合は、3月に1回以上のリハビリテーション会議とLIFEへの提出を行わないと減算になる点にも注意してください。
まとめ|訪問リハビリの計画書は「2週間・3か月」のサイクルで管理する
訪問リハビリの計画書は、サービス開始前に作成・説明・同意・交付し、開始からおおむね2週間以内に評価・見直し、その後はおおむね3か月ごとに評価・見直しを行います。医師の診療の3か月ルールやリハマネ加算の要件もこのサイクルと一致するため、事業所全体で日付を管理する仕組みを作っておきましょう。
- 計画書はサービス開始前に作成・説明・同意・交付してから提供する
- 開始からおおむね2週間以内に見直し、以降はおおむね3か月ごとに見直す
- 訪問リハビリ費は事業所医師の診療の日から3月以内が算定の前提
- リハマネ加算は3月に1回以上のリハ会議と計画の見直しが要件
- 入退院・状態変化・ケアプラン変更・認定変更時は3か月を待たずに見直す
- 介護予防は期間内に1回以上のモニタリング。12か月超は会議とLIFEで減算回避
通知の解釈や運用で迷う点は、厚生労働省の最新の通知・Q&Aと、指定権者(都道府県・市町村)の案内を確認しましょう。
- e-Gov法令検索「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」(平成11年厚生省令第37号)
- e-Gov法令検索「指定介護予防サービス等の事業の人員、設備及び運営並びに指定介護予防サービス等に係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準」(平成18年厚生労働省令第35号)
- 厚生労働省「リハビリテーション・個別機能訓練、栄養、口腔の実施及び一体的取組について」(介護保険最新情報Vol.1217)
- 厚生労働省 介護保険最新情報Vol.1213(令和6年度介護報酬改定に伴う留意事項通知の改正)
- 厚生労働省 社会保障審議会介護給付費分科会(第239回)資料1「令和6年度介護報酬改定の主な事項について」
- 厚生労働省 社会保障審議会介護給付費分科会(第259回)資料4「訪問リハビリテーション」
- 浜松市「令和7年度介護サービス事業者説明会 サービス個別D(介護予防)訪問リハビリテーション」
※2026年10月時点で確認した情報です。制度は改定されるため、算定・運用の際は最新の通知・Q&Aと指定権者(都道府県・市町村)の案内をご確認ください。

