訪問リハビリに2時間ルールはある?同日複数回訪問の考え方

「訪問介護の2時間ルールって、訪問リハビリにもあるの?」「同じ日に午前と午後で2回訪問しても大丈夫?」——訪問リハビリの予定を組むときや、ケアマネジャーからの相談でよく出る疑問です。
結論からいうと、訪問リハビリには、訪問介護のような「2時間ルール」(2時間未満の間隔の訪問は所要時間を合算する取扱い)はありません。ただし、1回20分以上・週6回までという回数の数え方や、ケアプランへの位置づけ、計画にもとづく必要性など、守るべきルールはあります。この記事では、2時間ルールの意味と、訪問リハビリで同じ日に複数回訪問するときの考え方を整理します。
- いわゆる「2時間ルール」とは何か(訪問介護・訪問看護)
- 訪問リハビリに2時間ルールがない理由
- 訪問リハビリの回数の数え方(20分=1回、週6回まで)
- 同じ日に複数回訪問するときの注意点
- 訪問看護ステーションのリハ職の訪問との違い
そもそも「2時間ルール」とは
いわゆる「2時間ルール」は、訪問介護の留意事項通知に定められた取扱いです。訪問介護は利用者の生活パターンに合わせて提供されるべきもので、単に1回の長時間の訪問介護を複数回に分けて行うことは適切ではないとされています。そのため、前回の訪問介護からおおむね2時間未満の間隔で訪問介護を行った場合は、それぞれの所要時間を合算することとされています(緊急時訪問介護加算を算定する場合などを除く)。
| 例(訪問介護・身体介護) | 扱い |
|---|---|
| 9:00〜9:30と10:30〜11:00の2回 | 間隔が2時間未満のため、所要時間を合算して1回(30分以上1時間未満)として算定 |
| 9:00〜9:30と12:00〜12:30の2回 | 間隔が2時間以上のため、それぞれ1回として算定 |
訪問看護にも、前回の訪問からおおむね2時間未満の間隔で行った場合は所要時間を合算する、という同じ趣旨の取扱いがあります(利用者の状態変化などによる緊急の訪問などを除く)。
訪問リハビリには2時間ルールはない
訪問リハビリテーションの報酬は、1回20分以上を1回として算定する仕組みで、訪問介護や訪問看護のように「所要時間の区分」で単位数が変わるわけではありません。そのため、訪問の間隔によって所要時間を合算する2時間ルールは設けられていません。
たとえば、次のように同じ日に職種の異なるリハ職が訪問することも、ケアプランと計画に位置づけられていれば、制度上は可能です。
| 時間 | 内容 | 算定 |
|---|---|---|
| 13:00〜13:40 | 理学療法士による歩行・移乗の練習 | 2回(20分×2) |
| 14:00〜14:20 | 言語聴覚士による嚥下・コミュニケーションの練習 | 1回 |

2時間ルールがないなら、1日に何回訪問してもいいんですか?

そうはいかないよ。訪問リハビリは週6回が限度(退院・退所から3月以内は医師の指示で週12回)だし、区分支給限度基準額の範囲で、ケアプランに位置づけられた回数しか提供できない。何より、医師の指示と計画にもとづいて、その回数が本当に必要かどうかが大事なんだ。
訪問リハビリの回数の数え方
- 1回=20分以上:20分以上のリハビリを1回として算定する。40分なら2回、60分なら3回
- 週6回が限度:1週間に6回まで。退院・退所日から3月以内の利用者に、医師の指示にもとづき継続して行う場合は週12回まで
- 20分未満は算定できない:20分に満たない提供は1回として算定できない
「1日に2回訪問」と「1回の訪問で40分」は、どちらも2回として数えます。週の回数の上限は、訪問の回数ではなく算定する回数(20分単位)で考える点に注意しましょう。
同じ日に複数回訪問するときの注意点
必要性を計画とケアプランに明記する
同じ日に複数回訪問する場合は、なぜ分けて訪問する必要があるのかを説明できるようにしておきましょう。たとえば、「朝の起床・トイレ動作と、夕方の入浴動作を、実際の生活場面で練習する」「PTとSTがそれぞれの専門性で関わる」といった理由です。
ほかのサービスとの時間の重なりに注意する
介護保険の訪問サービスは、同一時間帯に一つのサービスを利用するのが原則です(訪問介護と訪問リハビリは、必要と認められる場合に限り同一時間帯の利用が可能)。通所サービスを利用している時間帯に訪問リハビリを算定することもできません。複数回の訪問を組む際は、ほかのサービスの時間と重ならないよう、ケアマネジャーと調整しましょう。
不自然な分割と受け取られないようにする
2時間ルールがないからといって、1回の訪問で足りる内容を、事業所の都合で細かく分けて訪問することは、サービスの趣旨に合いません。利用者の生活や目標に照らして必要な提供方法かを、運営指導でも説明できるようにしておくことが大切です。
同じ日に複数回訪問するのが効果的なケース【実践編】
同日の複数回訪問は、生活の時間帯に合わせたリハビリができるのが強みです。次のようなケースでは、1回にまとめるより効果が期待できます。
| ケース | 複数回に分ける理由 |
|---|---|
| 退院直後で、朝と夕方で動作の状態が大きく違う | 起床時の起き上がり・トイレと、疲れが出る夕方の動作を、それぞれの時間帯で評価・練習できる |
| 入浴動作の練習が必要 | 実際の入浴の時間帯に合わせて訪問し、家族やヘルパーの介助方法も確認できる |
| PTとSTの両方が関わる | それぞれの専門性で、別の時間に集中して関わることができる |
| 長時間の練習で疲れやすい | 1回の時間を短くして回数を分けることで、体力に合わせた練習ができる |
いずれの場合も、「生活の中のどの場面を、何のために練習するのか」を計画書に書いておくと、ケアマネジャーや運営指導での説明がしやすくなります。
予定を組むときのポイント
- 利用者の1日の生活リズム(起床・食事・入浴・就寝)を確認してから時間を決める
- デイサービスや訪問介護など、ほかのサービスの時間と重ならないようにする
- 週の算定回数が上限(週6回など)を超えないよう、20分単位で合計を確認する
- 区分支給限度基準額の残りをケアマネジャーと確認する
- 短期集中の時期など、回数を増やす期間と目標を明確にし、期間が終わったら見直す
訪問看護ステーションのリハ職の訪問との違い
訪問看護ステーションからPT・OT・STが訪問する場合(訪問看護Ⅰ5)は、訪問看護のルールが適用されます。
| 項目 | 訪問リハビリ事業所 | 訪問看護ステーションのリハ職 |
|---|---|---|
| 算定単位 | 20分以上で1回(308単位) | 20分以上で1回(294単位) |
| 回数の上限 | 週6回(退院・退所から3月以内は週12回) | 週6回 |
| 1日の回数による減算 | なし | 1日に2回を超えて訪問した場合は1回につき10%減算 |
| 訪問間隔による合算 | なし | 訪問看護の取扱いに沿って確認が必要 |
同じ「リハ職の訪問」でも、どの事業所から訪問するかによってルールが異なるため、ケアマネジャーに説明するときは区別して伝えましょう。
よくある質問
同じPTが午前と午後に2回訪問することはできますか?
制度上の2時間ルールはないため、ケアプランと計画に位置づけられ、必要性があれば可能です。週の回数の上限や区分支給限度基準額の範囲内で計画しましょう。
訪問介護と訪問リハビリの間に2時間空ける必要はありますか?
2時間ルールは同じ訪問介護どうしの間隔の取扱いです。訪問介護と訪問リハビリの間隔について、2時間空ける決まりはありません。ただし、同一時間帯の利用は、必要と認められる場合に限られます。
20分に少し足りなかった場合はどうなりますか?
20分に満たない場合は1回として算定できません。体調の急変などで中断した場合も含め、実際の提供時間を正確に記録し、算定の可否を判断しましょう。
同じ日に訪問リハビリを2回提供した場合、記録はどう書けばよいですか?
それぞれの訪問について、開始・終了時刻、担当者、実施内容、利用者の状態を分けて記録します。2回に分けた理由(時間帯ごとの練習の目的など)も記録しておくと、必要性を説明しやすくなります。
介護予防訪問リハビリでも同じ日に複数回訪問できますか?
介護予防訪問リハビリも1回20分以上・週6回が限度で、2時間ルールはありません。ただし、要支援の人は区分支給限度基準額が小さく、利用開始から12か月を超えると要件を満たさない場合に減算もあるため、期間と目標を区切って計画することが大切です。
医療保険の訪問リハビリにも回数の決まりはありますか?
医療保険の在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料にも、週あたりの単位数の上限などの決まりがあります。介護保険とはルールが異なるため、医療機関で確認してください。
まとめ|訪問リハビリに2時間ルールはないが、回数と必要性のルールはある
いわゆる2時間ルールは訪問介護(と訪問看護)の取扱いで、訪問リハビリにはありません。同じ日に複数回訪問することも制度上は可能ですが、1回20分以上・週6回までの数え方、ほかのサービスとの時間の調整、計画とケアプランにもとづく必要性を押さえて計画しましょう。迷ったときは、利用者の生活と目標にとって最も効果的な提供方法は何かという視点に立ち返り、ケアマネジャーと相談しながら決めていくことが大切です。
- 2時間ルールは訪問介護の所要時間の合算の取扱い。訪問リハビリにはない
- 訪問リハビリは20分以上で1回。40分なら2回として数える
- 週6回が限度(退院・退所から3月以内は医師の指示で週12回)
- 同日複数回の訪問は可能だが、必要性を計画・ケアプランに明記する
- 訪問看護ステーションのリハ職の訪問は1日2回超で10%減算など別ルール
- ほかのサービスとの時間の重なりはケアマネジャーと調整する
- 厚生労働省 介護保険最新情報Vol.1213(令和6年度介護報酬改定に伴う留意事項通知の改正)
- 厚生労働省「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準…の制定に伴う実施上の留意事項について」新旧対照表(令和3年度改定)
- 厚生労働省 社会保障審議会介護給付費分科会(第259回)資料4「訪問リハビリテーション」
- 厚生労働省 社会保障審議会介護給付費分科会(第259回)資料3「訪問看護」
※2026年10月時点で確認した情報です。制度は改定されるため、算定・運用の際は最新の通知・Q&Aと指定権者(都道府県・市町村)の案内をご確認ください。

