なぜ訪問リハの方が給料が良いのか?5つの理由と求人の注意点

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「訪問リハビリの求人は、病院より給料が高い気がする」「なぜ同じPT・OT・STなのに、訪問だと給料が良いの?」——転職を考えるリハ職の多くが感じる疑問です。

結論からいうと、訪問リハビリの給料が高めになりやすいのは、報酬が訪問件数に直結する仕組み、比較的安定した収支、一人で判断する責任や移動の負担、人材確保の難しさといった理由が重なっているためです。ただし、すべての訪問リハビリが高給というわけではありません。この記事では、給料が良いとされる理由を構造的に整理し、求人を見るときの注意点も解説します。

この記事でわかること
  • リハ職全体の賃金の水準(公的統計)
  • 訪問リハビリの給料が良いとされる5つの理由
  • 給料が高い求人に隠れている注意点
  • 病院・施設と訪問の給料を比べるときのポイント
  • 処遇改善加算の新設による今後の変化
目次

リハ職全体の賃金の水準

厚生労働省の賃金構造基本統計調査(令和6年)では、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・視能訓練士の区分で、きまって支給する現金給与額は月約31万円、年間賞与その他特別給与額は約70万円とされています。単純に計算すると、年収はおおむね440万円台が平均的な水準です(平均年齢35.5歳、勤続7.8年、従業員10人以上の事業所)。

この統計は病院・施設・訪問などの職場を区別していないため、「訪問リハビリの平均年収」を直接示すものではありません。ただ、求人を比べると、訪問リハビリの求人は、病院より月給が数万円高めに設定されているものが多いのが実感としての傾向です。

新人PT
新人PT

訪問のほうが給料が高いなら、みんな訪問に行けばいいのに……。

ベテランPT
ベテランPT

給料が高めなのには理由があるんだ。一人で判断する責任、移動の負担、件数のプレッシャーなど、病院とは違う大変さもある。給料の数字だけでなく、その理由と働き方をセットで見ることが大事だよ。

訪問リハビリの給料が良いとされる5つの理由

① 報酬が訪問件数に直結する

介護保険の訪問リハビリは、1回20分以上で308単位と、提供した回数に応じて報酬が決まります。リハ職一人ひとりの訪問件数が、そのまま事業所の収入になるため、件数に応じた手当(インセンティブ)を含めて、給与に還元しやすい仕組みです。

② 比較的安定した収支

厚生労働省の資料によると、訪問リハビリテーションの収支差率(令和6年度決算・税引前)は10.8%で、全サービスの平均(4.7%)を上回っています。大きな設備や多くの職種を必要としないため、人件費に回せる割合が比較的大きいことも、給料が高めになりやすい背景と考えられます。

③ 一人で判断する責任が大きい

訪問リハビリでは、利用者の自宅でリハ職が一人で状態を判断し、中止の判断や急変時の対応も求められます。こうした責任の重さが、給与に反映されていると考えることができます。

④ 移動の負担がある

利用者宅を車やバイクで回るため、移動の時間や天候の影響があります。移動手当や車両手当を設けている職場も少なくありません。

⑤ 人材の確保が難しい

訪問リハビリは、一定の臨床経験が求められることが多く、経験者を確保するために、病院より高めの給与を提示する事業所があります。

POINT

訪問リハビリの給料の高さは、「件数に応じた報酬の仕組み」と「責任・移動・経験への対価」の組み合わせです。高い給与の裏にある働き方も必ず確認しましょう。

給料が高い求人に隠れている注意点

注意点確認したいこと
インセンティブ込みの金額求人に書かれた月給が、インセンティブ込みの「モデル月収」になっていないか
みなし残業固定残業代が含まれていないか。何時間分か
賞与・退職金月給が高い分、賞与や退職金が少ない設定になっていないか
件数の基準高い給与の前提となる件数が、現実的な水準か
手当の内訳車両手当、移動手当、資格手当などの内訳と、支給の条件

訪問リハビリでよくある手当の種類

手当内容の例
訪問手当・件数手当訪問1件ごと、または基準件数を超えた分に支給
車両手当・ガソリン手当自家用車やバイクを使う場合の費用の補助
オンコール手当緊急時の連絡を受ける体制に入った日に支給(訪問看護ステーションなどで多い)
資格手当認定・専門資格や、介護支援専門員などの資格に対して支給
役職手当管理者、主任などの役職に対して支給

求人の月給の読み方の例

たとえば「月給30万〜35万円(インセンティブ含む)」という求人の場合、基本給と固定の手当がいくらで、インセンティブがどの程度含まれているかで、実際の収入は大きく変わります。「含む」「モデル」「例」といった言葉がある金額は、条件を満たした場合の数字であることが多いため、最低保証される金額を必ず確認しましょう。

病院・施設と訪問の給料を比べるときのポイント【実践編】

  1. 年収の総額で比べる月給だけでなく、賞与、手当、残業代を含めた年収で比較します。
  2. 時給に換算してみる年収を年間の実労働時間で割り、記録の持ち帰りや移動時間も含めて比べると、実質的な差がわかります。
  3. 将来の伸びを確認する昇給の仕組み、管理者などの役職への道、資格手当の有無を確認します。
  4. 福利厚生と働きやすさも比べる有給休暇の取りやすさ、教育体制、退職金制度など、数字に表れにくい条件も比べます。

処遇改善加算の新設で何が変わるか

令和8年度の期中改定で、これまで処遇改善加算の対象外だった訪問リハビリにも処遇改善加算(加算率1.5%)が新設されました。対象が介護職員から介護従事者に広げられたことにより、リハ職の賃金改善に充てられる財源ができたことになります。

ただし、加算を算定するかどうか、どのように配分するかは事業所の判断です。転職や昇給の相談の際には、処遇改善加算を算定しているか、リハ職の給与にどう反映しているかを確認するとよいでしょう。

給料だけで選ばないためのチェックリスト

給料の高さは大切な条件ですが、長く働き続けるためには、ほかの条件も同じくらい重要です。次の点もあわせて確認しましょう。

  • 同行訪問の期間や、困ったときに相談できる体制があるか
  • 有給休暇が取りやすく、急な休みのときの代行の仕組みがあるか
  • 記録を勤務時間内に終えられる工夫があるか
  • 事業所の医師がリハビリに関わり、指示が明確か
  • スタッフの勤続年数が長く、離職が少ないか

訪問リハビリで給料を上げるには

  • 移動や記録を効率化し、無理なく件数を確保する
  • リハビリテーション会議の運営や加算の体制づくりなど、事業所に貢献する役割を担う
  • 管理者やサービス提供の責任者など、役職を目指す
  • 給与体系や処遇改善の考え方が明確な職場へ転職する

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よくある質問

訪問リハビリの給料は、経験年数でどのくらい変わりますか?

職場によって大きく異なります。経験年数よりも、訪問件数や役職、インセンティブの有無が給料に影響する職場も多いため、昇給の仕組みを具体的に確認しましょう。

訪問看護ステーションのリハ職と、訪問リハビリ事業所のリハ職では給料が違いますか?

どちらも件数に応じた報酬の仕組みは似ていますが、母体の法人や給与体系によって差があります。訪問看護ステーションは看護職員が中心の組織のため、リハ職の評価や昇進の仕組みも確認しておくとよいでしょう。

給料が高い訪問リハビリの求人は、ブラックですか?

給料が高いだけでブラックとは言えません。高い給料の理由が、件数の多さや残業の多さによるものなのか、適正な評価によるものなのかを確認することが大切です。

訪問リハビリの非常勤は時給が高いと聞きました。本当ですか?

訪問リハビリの非常勤は、時給や1件あたりの単価が病院の非常勤より高めに設定されていることがあります。ただし、移動時間や記録の時間が報酬に含まれるか、キャンセル時の扱いなどで実際の収入は変わるため、条件を確認しましょう。

訪問リハビリの給料は、地域によって差がありますか?

あります。介護報酬は地域区分によって1単位あたりの金額が異なり、都市部ほど高く設定されています。また、地域の求人の競争状況によっても給与水準は変わります。同じ地域の求人どうしで比べることが大切です。

まとめ|訪問リハビリの給料の高さには理由がある

訪問リハビリの給料が良いとされる背景には、報酬が訪問件数に直結する仕組み、比較的安定した収支、一人で判断する責任、移動の負担、人材確保の難しさがあります。令和8年度には訪問リハビリにも処遇改善加算が新設されました。求人を比べるときは、月給の数字だけでなく、年収の総額、件数の前提、みなし残業、賞与や退職金まで含めて判断しましょう。給料の理由を理解して選ぶことが、納得して長く働ける職場との出会いにつながります。

この記事のまとめ
  • リハ職全体の平均年収は約440万円台(令和6年賃金構造基本統計調査)
  • 訪問リハビリは報酬が件数に直結し、給与に還元しやすい
  • 収支差率10.8%と比較的安定し、責任・移動・経験への対価もある
  • 高い求人はインセンティブ込みの金額やみなし残業に注意する
  • 処遇改善加算(1.5%)の新設で、リハ職の賃金改善の財源ができた
  • 給料だけでなく、教育体制や休みやすさも含めて職場を選ぶ
引用・出典(公的機関)

※2026年10月時点で確認した情報です。制度は改定されるため、算定・運用の際は最新の通知・Q&Aと指定権者(都道府県・市町村)の案内をご確認ください。

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