作業療法士のセカンドキャリアは何がある?60歳以降のOTの世界

作業療法士(OT)として長年働いてきた方にとって、60歳以降のキャリアは避けて通れないテーマです。「定年後も現場に立てる?」「体力的に、いつまで続けられる?」——そんな不安を抱える方は少なくありません。
結論からお伝えすると、作業療法士は経験を活かして60代・70代も活躍できる職種です。この記事では、そのまま作業療法士を続ける働き方に加え、ケアマネジャー・社労士・介護福祉士・介護タクシーという5つのセカンドキャリアを、資格要件やメリットとともに解説します。
- 作業療法士が60歳以降も働ける理由
- セカンドキャリアを考えるべきタイミングと理由
- OTにおすすめのセカンドキャリア5選と、それぞれの資格要件
- 5つの選択肢の比較(必要な資格・体力負担)
- 後悔しないキャリア設計のポイント
作業療法士は60歳以降も働ける?
「人生100年時代」といわれる今、60歳を過ぎても働き続けることは一般的になりました。医療・介護の分野は経験が重視される世界であり、作業療法士は高齢になっても活躍しやすい職種のひとつです。
高齢化が進むなか、高齢者リハビリや認知症リハビリの需要は高まり続けています。病院・介護施設・訪問リハビリと、専門知識を活かせる場は豊富です。
ただし、60代以降は体力的な負担を考えた働き方の見直しが欠かせません。急性期リハビリのような負担の大きい現場から、回復期・生活期や訪問リハビリへ移る、あるいは管理職・指導職にまわるなど、無理なく続けられる形を選ぶことが長く働くコツです。

セカンドキャリアって、まだ先のことだと思っていました。

資格取得には数年かかるものもあるからね。50代のうちから選択肢を知っておくと、いざというとき慌てずにすむよ。
作業療法士がセカンドキャリアを考える理由
OTがセカンドキャリアを意識するきっかけには、次のようなものがあります。
- 定年後も安定した収入を得たい
- これまでの専門知識を活かして社会に貢献したい
- 新たな分野に挑戦したい
- 体力的な負担を減らし、無理なく働きたい
大切なのは、これまでの経験を土台にしながら、自分の体力やライフプランに合った働き方を選ぶことです。
作業療法士におすすめのセカンドキャリア5選
① そのまま作業療法士|働き方を変えて続ける
「定年後もOTとして働きたい」という方は、働き方を工夫することで無理なく続けられます。
- 訪問リハビリ:移動はあるものの、1対1でじっくり関われ、体力的な負担は比較的少ない
- デイケア・デイサービス:高齢者向けリハビリで、短時間勤務も選びやすい
- 病院の回復期・生活期リハビリ:急性期より負担が少なく、指導的な立場でも働ける
- 非常勤・パート勤務:週数回の勤務で、体力と相談しながら調整できる
また、専門学校や大学の養成校講師として、経験を次世代に伝える道もあります。
② ケアマネジャー(介護支援専門員)
ケアマネジャーは、要介護者のケアプランを作成し、介護サービスを調整する仕事です。デスクワークが中心で身体介助がないため、体力的な負担が少ないのが大きな魅力。OTのリハビリ視点を活かし、利用者に合ったサービスを提案できます。
受験資格は、指定された国家資格などに基づく業務に通算5年以上、かつ900日以上従事していること。これを満たすと「介護支援専門員実務研修受講試験」を受けられます。作業療法士の実務経験はこの対象に含まれます。
③ 社会保険労務士(社労士)
社労士は、労働・社会保険に関する法律の専門家です。OTが取得すると、医療・介護施設の労務管理や人事制度の専門家として、スタッフが働きやすい環境づくりに貢献できます。独立・開業して、施設向けの労務コンサルティングを行う道もあります。
国家資格で試験の難易度は高めですが、現場経験のあるOTが法律知識を身につければ、業界に詳しい貴重な人材として重宝されます。
④ 介護福祉士
介護福祉士は、身体介助や生活支援を行う介護の国家資格です。OTが取得すると、リハビリと介護の両方の視点から、より包括的な支援ができるようになります。介護職や家族へのアドバイスもしやすくなります。
実務経験ルートの受験資格は、3年以上の実務経験(従事日数540日以上)と「介護福祉士実務者研修」の修了です。
⑤ 介護タクシー(移動支援)
介護タクシーは、要介護者や障害のある方の移動を支援する仕事です。OTの知識を活かし、乗り降りの姿勢や移動時の介助を工夫できます。開業すれば自分のペースで働けるため、セミリタイア後の仕事としても向いています。
運営には普通自動車第二種免許などが必要です。訪問リハビリやデイサービスの送迎業務と組み合わせると、活躍の幅が広がります。
資格の受験要件や制度は変更されることがあります。受験を検討する際は、各資格の試験実施団体や自治体の公式情報で最新の要件を必ず確認してください。
5つのセカンドキャリアの比較
| 選択肢 | 必要な資格・免許 | 体力負担 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| そのままOT | 不要(現職を継続) | 働き方しだい | 経験を直接活かせる |
| ケアマネジャー | 実務研修受講試験の合格 | 小さめ | デスクワーク中心・リハ視点が強み |
| 社労士 | 社会保険労務士(国家資格) | 小さめ | 労務の専門家・開業も可能 |
| 介護福祉士 | 介護福祉士(国家資格) | 中程度 | 介護とリハの両視点を持てる |
| 介護タクシー | 普通二種免許など | 中程度 | 移動支援・開業で自由な働き方 |
60歳以降のキャリアを考えるときの3つのポイント
- 早めに準備を始める資格によっては取得まで数年かかる。50代のうちから情報を集め、計画的に動き出す。
- 体力と相談して働き方を選ぶ「やりたい」だけでなく「無理なく続けられるか」を基準にする。フルタイムにこだわらない選択肢も持つ。
- これまでの経験を活かせる分野を選ぶOTとしての知識・視点が強みになる仕事ほど、即戦力として評価されやすい。
セカンドキャリアは「今の仕事の延長線上」で考えると見つけやすくなります。OTの経験は、介護・福祉のあらゆる場面で武器になります。
作業療法士のセカンドキャリアに関するよくある質問
作業療法士は何歳まで働けますか?
明確な年齢の上限はありません。働き方を体力に合わせて調整すれば、60代・70代でも現場で活躍している作業療法士はいます。訪問リハビリやデイサービス、非常勤勤務など、負担の少ない働き方を選ぶのがポイントです。
定年後に資格を取るのは遅いですか?
遅すぎることはありませんが、資格によっては取得までに数年かかります。可能であれば50代のうちから準備を始めると、定年後にスムーズに新しいキャリアへ移れます。
ケアマネジャーと作業療法士、両方持つメリットは?
リハビリの視点を持ったケアマネジャーは、利用者の状態に合ったケアプランを立てやすく、専門性が評価されやすくなります。OTの経験は、ケアマネジャー業務でも大きな強みになります。
訪問リハビリは高齢の作業療法士でも働けますか?
働けます。訪問リハビリは1対1でじっくり関わるスタイルで、移動はあるものの体力的な負担は比較的抑えやすい働き方です。経験豊富なOTが力を発揮しやすい分野でもあります。
セカンドキャリアの準備はいつから始める?
セカンドキャリアは、定年が目前に迫ってからでは選択肢が狭まりがちです。余裕を持って動けるよう、3つの段階を意識しましょう。
- 40代後半〜50代前半:情報収集の時期どんな選択肢があるか、必要な資格や実務経験を調べる。気になる資格は、受験要件と取得までの期間を確認しておく。
- 50代:準備・資格取得の時期実務経験が要件になる資格は、満たすタイミングを逆算して動き出す。働きながら学べる通信講座や夜間講座も検討する。
- 60歳前後:働き方を移行する時期体力や生活に合わせ、訪問リハや非常勤勤務など、無理のない働き方へ段階的に移していく。
特にケアマネジャーや介護福祉士のように実務経験が受験要件になる資格は、思い立ってすぐには受験できません。早めの情報収集が、将来の選択肢を大きく広げます。
後悔しないセカンドキャリア選びの3つのコツ
- 収入だけで決めない:体力的な負担ややりがいも含めて、長く続けられるかで判断する
- 家族と相談する:働き方の変化は生活にも影響する。早い段階で家族と方向性を共有しておく
- 小さく試す:いきなり転身せず、非常勤や副業的な関わりから始めて適性を確かめる
セカンドキャリアに「正解」はありません。大切なのは、これまでの経験を否定せず、次の働き方につなげる視点です。OTとして積み重ねたものは、どの道を選んでも必ず力になります。
まとめ|OTの経験は、セカンドキャリアでも武器になる
作業療法士は、工夫しだいで60歳以降も長く活躍できる職種です。最後に要点を整理します。
- OTは経験が重視され、働き方を変えれば60代・70代も活躍できる
- セカンドキャリアは「そのままOT・ケアマネ・社労士・介護福祉士・介護タクシー」の5つが代表的
- 資格取得には数年かかるものもあるため、早めの準備が大切
- 体力と経験を踏まえ、無理なく続けられる選択肢を選ぶ
60歳以降のキャリアは、これまでの経験を土台に新しいスキルを足していくことで広がります。自分に合ったセカンドキャリアを見つけ、これからの人生を充実させていきましょう。
