訪問リハビリの料金はいくら?1割・2割・3割負担の目安を解説

訪問リハビリの料金は、介護保険の場合1回(20分)308単位で、1割負担なら1回あたり約310円が目安です。実際には40分(2回分)で行うことが多く、週2回・40分なら1か月の自己負担は1割で約5,000円前後になります。
ただし、退院直後の加算や事業所の体制による加算、住んでいる地域の単価、2割・3割の負担割合によって金額は変わります。この記事では、訪問リハビリの料金のしくみ、回数・負担割合別の月額の目安、加算で増える費用、別にかかる費用を、利用者・家族にも分かるように解説します。
- 訪問リハビリの料金の基本(単位数と1単位の単価)
- 1割・2割・3割負担の1回・1か月の金額の目安
- 加算・減算で料金が変わるケース
- 医師の診察代など、訪問リハ以外にかかる費用
- 料金を確認するときのポイント
訪問リハビリの料金の基本|1回20分308単位
介護保険の訪問リハビリテーションの料金は、「単位」で決められています。基本の単位数は次のとおりです。
| サービス | 対象 | 基本の単位数 |
|---|---|---|
| 訪問リハビリテーション | 要介護1〜5 | 308単位/回 |
| 介護予防訪問リハビリテーション | 要支援1・2 | 298単位/回 |
「1回」は20分以上のリハビリを指します。40分なら2回分、60分なら3回分として計算します。利用できるのは原則として週6回までです(退院・退所日から3か月以内で、医師の指示に基づき続ける場合は週12回まで)。
単位をお金に換えるときの「1単位の単価」は、住んでいる地域(事業所の所在地)によって10円〜11.10円の範囲で変わります。訪問リハは、地域区分の「1級地」で11.10円、その他の地域で10円です。たとえば埼玉県川口市(5級地)では、令和6年4月から10.55円となっています。

単位とか単価とか、利用者さんに説明するのが難しいです…。

「1回20分で、1割負担ならだいたい300円ちょっと」と、まず目安を伝えるといいよ。細かい金額は地域や加算で変わるので、契約のときに重要事項説明書で一緒に確認しようね。
1割・2割・3割負担の料金の目安
1単位10円の地域で、基本の単位数だけで計算した目安です(加算は含みません)。
| 時間 | 単位数 | 1割負担 | 2割負担 | 3割負担 |
|---|---|---|---|---|
| 20分(1回) | 308単位 | 約308円 | 約616円 | 約924円 |
| 40分(2回分) | 616単位 | 約616円 | 約1,232円 | 約1,848円 |
| 60分(3回分) | 924単位 | 約924円 | 約1,848円 | 約2,772円 |
1か月の料金の目安(要介護・40分の場合)
| 利用回数 | 1か月の単位数 | 1割負担 | 2割負担 | 3割負担 |
|---|---|---|---|---|
| 週1回(月4日) | 2,464単位 | 約2,500円 | 約4,900円 | 約7,400円 |
| 週2回(月8日) | 4,928単位 | 約4,900円 | 約9,900円 | 約14,800円 |
| 週3回(月12日) | 7,392単位 | 約7,400円 | 約14,800円 | 約22,200円 |
※1単位10円で計算し、百円未満を四捨五入した概算です。実際の請求額は、加算・地域の単価・端数処理で変わります。
1割・2割・3割の負担割合はどう決まる?
介護保険の自己負担の割合は、本人の所得で決まります。65歳以上の人の基準は次のとおりです。
| 負担割合 | 主な条件(本人の合計所得金額と、同じ世帯の65歳以上の人の年金収入+その他の合計所得金額) |
|---|---|
| 3割 | 合計所得金額220万円以上で、年金収入+その他の合計所得金額が単身340万円以上(2人以上世帯463万円以上) |
| 2割 | 合計所得金額160万円以上で、年金収入+その他の合計所得金額が単身280万円以上(2人以上世帯346万円以上)。3割の条件に当たらない人 |
| 1割 | 上記に当たらない人 |
40〜64歳の第2号被保険者、住民税非課税の人、生活保護を受けている人は、所得にかかわらず1割です。自分の負担割合は、市区町村から届く「介護保険負担割合証」で確認できます。なお、2割負担の対象を広げるかどうかは国で議論が続いているため、今後の見直しにも注意してください。
加算・減算で訪問リハビリの料金が変わるケース
基本の単位数に加えて、事業所の体制や利用者の状態によって加算がつきます。主な加算・減算は次のとおりです(令和6年度改定・令和8年度期中改定後)。
| 加算・減算 | 単位数 | どんなときにつくか |
|---|---|---|
| 短期集中リハビリテーション実施加算 | 200単位/日 | 退院・退所日または認定日から3か月以内に集中的に行う場合 |
| リハビリテーションマネジメント加算 | イ180単位/月、ロ213単位/月(医師が説明した場合さらに270単位/月) | リハビリテーション会議などで計画を管理している場合 |
| サービス提供体制強化加算 | (Ⅰ)6単位/回、(Ⅱ)3単位/回 | 経験年数の長い職員がいる事業所 |
| 退院時共同指導加算 | 600単位/回 | 退院前に病院で共同して指導した場合 |
| 介護職員等処遇改善加算 | 総単位数の1.5% | 令和8年6月から訪問リハにも創設。要件を満たす事業所 |
| 診療未実施減算 | −50単位/回 | 事業所の医師が診察せず、ほかの医療機関の医師の情報で行う場合 |
| 12月超減算(要支援のみ) | −30単位/回 | 利用開始から12か月を超え、リハビリテーション会議・LIFE提出などの要件を満たさない場合 |
加算を含めた月額の例
1単位10円・1割負担で、退院直後に週2回・40分利用し、短期集中リハビリテーション実施加算、リハビリテーションマネジメント加算イ、サービス提供体制強化加算(Ⅰ)、処遇改善加算がつく場合の目安です。
| 内訳 | 単位数 |
|---|---|
| 基本(616単位×8日) | 4,928単位 |
| 短期集中リハ実施加算(200単位×8日) | 1,600単位 |
| リハマネ加算イ | 180単位 |
| サービス提供体制強化加算(Ⅰ)(6単位×16回) | 96単位 |
| 処遇改善加算(上記合計の1.5%) | 約102単位 |
| 合計 | 約6,906単位 → 1割で約6,900円 |
退院から3か月を過ぎると短期集中リハ実施加算がなくなるため、同じ回数でも1割で約5,300円に下がります。どの加算がつくかは事業所によって違うので、契約時に必ず確認しましょう。

退院したばかりの時期は、料金が少し高くなるんですね。

そう。退院直後は集中的にリハをする時期だから加算がつくんだ。利用者さんには「最初の3か月は集中リハの分が加わります」と先に説明しておくと、請求書を見て驚かれずにすむよ。
訪問リハビリ以外に別にかかる費用
- 医師の診察代:訪問リハは、事業所の医師が診察したうえで行うのが原則です。この診察の費用は医療保険で別にかかります
- 交通費:事業所が定める「通常の事業の実施地域」の外に住んでいる場合、交通費の実費がかかることがあります。実施地域内では受け取れません
- キャンセル料:国の基準に決まりはなく、事業所ごとに運営規程・重要事項説明書で定めています
- 区分支給限度額を超えた分:ほかの介護サービスと合わせて、要介護度ごとの上限を超えた分は全額自己負担になります
1か月の自己負担が一定額を超えた場合は「高額介護サービス費」で払い戻しを受けられることがあります。また、訪問リハビリは医療系のサービスとして、医療費控除の対象になる場合があります。
医療保険の訪問リハビリの料金は別のしくみ
介護保険の認定を受けていない人や、病気の状態によっては、医療保険で訪問リハビリを受けることがあります。医療保険の訪問リハは、病院・診療所が行う「在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料」などで算定し、料金や回数のルールが介護保険とは違います。また、訪問看護ステーションから理学療法士などが訪問する場合も、介護保険・医療保険それぞれで別の料金体系になります。
要介護認定を受けている人は、原則として介護保険の訪問リハが優先されます。医療保険の訪問リハの条件や料金は、関連記事で詳しく解説しています。
料金でトラブルにならないための確認ポイント
- 重要事項説明書で料金表を確認する基本料金、つく加算、地域の単価、交通費、キャンセル料が書かれています。
- 負担割合証を準備する1割・2割・3割のどれかで金額が大きく変わります。
- ケアマネジャーと限度額を確認するほかのサービスと合わせて限度額を超えないか、ケアプランで確認します。
- 医師の診察の予定を確認する事業所の医師の診察を受ける時期と、その費用を確認します。
よくある質問
訪問リハビリは1回いくらですか?
介護保険で要介護の人の場合、20分308単位です。1単位10円の地域で1割負担なら約308円、40分なら約616円が目安です。地域の単価や加算で変わります。
要支援の人の料金は違いますか?
介護予防訪問リハビリテーションは20分298単位です。利用開始から12か月を超えると、要件を満たさない場合は1回30単位の減算があります。
訪問リハビリは医療費控除の対象になりますか?
訪問リハビリは医療系のサービスで、医療費控除の対象になる場合があります。領収書を保管しておきましょう。くわしい条件は国税庁の案内や関連記事で確認してください。
訪問看護ステーションのリハビリと料金は違いますか?
違います。介護保険で訪問看護ステーションの理学療法士などが訪問する場合は「訪問看護Ⅰ5」として20分294単位で、条件によって減算もあります。どちらを使うかは、ケアマネジャーや主治医と相談して決めます。
料金が払えない場合はどうすればいいですか?
ケアマネジャーや市区町村の介護保険の窓口に相談してください。高額介護サービス費や、所得に応じた負担軽減の制度を使える場合があります。
- 訪問リハビリの料金は1回20分308単位(要支援は298単位)
- 1単位の単価は地域で10円〜11.10円。1割負担なら20分で約310円が目安
- 週2回・40分なら1か月の自己負担は1割で約5,000円前後
- 退院直後は短期集中リハ実施加算などで料金が上がることがある
- 医師の診察代・交通費・キャンセル料など、別にかかる費用も契約時に確認する
- 厚生労働省 社会保障審議会介護給付費分科会(第259回)資料4「訪問リハビリテーション」
- 厚生労働省「利用者負担の見直し(2割・3割負担)について」
- 文京区「介護保険の利用者負担割合」
- 川口市「地域区分と1単位の単価(令和6年4月1日〜)」
※2026年10月時点で確認した情報です。制度は改定されるため、算定・運用の際は最新の通知・Q&Aと指定権者(都道府県・市町村)の案内をご確認ください。

