訪問リハビリで家族にお茶出しされた時はどうしたら良い？

訪問リハビリの現場では、利用者やその家族が気を遣って、お茶やお菓子を出してくださることがあります。親切な気持ちからの行為であるため、断るのが申し訳ないと感じることもあります。しかし、訪問リハビリでは基本的にお茶出しは不要とされており、受け取らないのが原則です。

それでも、利用者や家族の厚意を無下にせず、失礼なくお茶を断る方法を知っておくと、スムーズな対応ができます。

本記事では、訪問リハビリでお茶を出された際の断り方を解説し、どのように伝えれば良いか具体例を交えて説明します。

訪問リハビリを行う理学療法士や作業療法士、言語聴覚士の方は、ぜひ参考にしてください。

【利用者・家族へ】訪問スタッフにお茶出しは不要！その理由とは？

訪問リハビリでは、利用者や家族から「お茶をどうぞ」と勧められることがあります。

家に来てくれる訪問スタッフに対して、おもてなしの気持ちを示したいという親切心からの行為ですが、訪問スタッフ側としては、基本的にお茶をいただく必要はありません。

1. 訪問リハビリは「業務」であり、お茶を飲む時間がない

訪問リハビリの時間は限られており、通常1回の訪問は20〜60分程度です。その中で、利用者の身体評価を行い、リハビリを実施し、今後の方針を説明するなど、多くの業務をこなす必要があります。そのため、訪問中にお茶をいただく時間を取るのが難しいのが現実です。

2. 訪問スタッフごとに公平性を保つため

もし一部の利用者宅でお茶をいただくことを許可すると、「この家ではOK」「あの家ではNG」といった不公平感が生じる可能性があります。また、訪問するスタッフが交代した際に、同じ対応を求められることになり、事業所全体で統一したルールが必要になります。そのため、多くの訪問リハビリ事業所では「お茶はいただかない」という方針をとっています。

3. 感染症対策の観点から控えるべき

特に近年では、感染症対策として、訪問時に他者の飲食物を避けることが推奨されています。利用者自身や家族にとっても、訪問スタッフにとっても、感染リスクを抑えるために、お茶やお菓子の提供を控えることが望ましいとされています。

4. 利用者・家族への心理的負担を減らすため

お茶を出すことが習慣になると、「訪問リハビリのたびに準備しなければならない」という心理的負担が生じることがあります。訪問リハビリは、本来、リハビリを受けることが目的であり、お茶出しの負担を感じる必要はありません。そのため、「お茶を出す必要はありません」と明確に伝えることで、利用者や家族の負担を軽減できます。

訪問リハビリで家族にお茶出しされた時に断る方法

お茶を出された場合、丁寧に断ることが大切です。しかし、「いりません」とだけ言うと失礼に聞こえるため、理由を添えて伝えるのがポイントです。

以下、具体的な断り方を紹介します。

いただけないルールになっていると伝える

訪問リハビリを提供する事業所では、多くの場合「訪問先で飲食物をいただかない」というルールが定められています。このルールを説明することで、利用者や家族も納得しやすくなります。

このように伝えると、「個人的な拒否ではなく、ルールとして決まっている」と理解してもらいやすくなります。

感染対策と伝える

感染症対策として、訪問リハビリでは飲食を控えるという理由を伝えるのも効果的です。特に新型コロナウイルスの影響が続いている現代では、感染リスクを減らすための対策は理解されやすいです。

この理由を伝えると、利用者や家族も安心しやすくなります。

トイレが近くなってしまうことを伝える

訪問リハビリの業務は、短時間の間に複数の利用者宅を回るため、トイレのタイミングが限られています。お茶を飲むとトイレが近くなり、次の訪問先で困ることがあるため、その理由を伝えるのも効果的です。

特に高齢者の方は、「トイレが近くなる」ことの影響を理解しやすいため、自然に納得してもらいやすい理由です。

お茶が苦手と伝える

もし、他の理由では断りにくい場合、「お茶が苦手」という個人的な理由を伝えるのも一つの方法です。これならば、相手も無理に勧めることなく、気まずい雰囲気にならずに済みます。

このように伝えると、相手も気遣ってくれるため、無理に勧められることは少なくなります。

まとめ

訪問リハビリでは、利用者や家族からお茶を出されることがありますが、基本的にはお茶出しは不要です。

お茶を断る際には、単に「いりません」と言うのではなく、「事業所のルールで決まっている」「感染対策のため」「トイレが近くなる」「お茶が苦手」などの理由を添えることで、相手に失礼なく断ることができます。

利用者や家族は、訪問リハビリのスタッフを気遣ってお茶を出してくださるため、その親切な気持ちには感謝しつつも、「お気持ちだけいただきます」と丁寧に伝えることが大切です。適切な断り方を覚えておくことで、スムーズに訪問業務を行いながら、利用者との良好な関係を維持しましょう。