理学療法士におすすめのダブルライセンスとは?取得して年収UPを目指そう

理学療法士は、リハビリの専門家として医療や介護の現場で活躍する重要な職種ですが、近年は資格保有者が増加し、給与の伸び悩みや昇進の機会が限られているのが現状です。そのため、より専門性を高めたり、他分野とのスキルを掛け合わせたりすることで、キャリアアップや年収向上を狙うことが求められています。
そこで注目されているのが、「ダブルライセンス」の取得です。理学療法士に関連する資格を取得することで、活躍の幅を広げ、より高収入を得ることが可能になります。
本記事では、理学療法士におすすめのダブルライセンスとその概要を詳しく解説します。
資格取得を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
理学療法士だけの資格では希少性がなく給料が上がらない
近年、理学療法士の数は急増しており、業界全体が飽和状態になりつつあります。日本理学療法士協会のデータによると、現在20万人以上の理学療法士が国内で活躍しており、毎年1万人以上が新たに資格を取得しています。このような状況では、資格を持っているだけでは市場価値が上がりにくく、昇給も期待しにくいのが現実です。
特に、病院や介護施設などの給与水準は比較的低めであり、昇給幅も小さいため、長く勤めても大きな収入アップが見込めないことが多いです。そのため、理学療法士としてのスキルを活かしつつ、他の資格を取得することで、より専門性の高い分野に進出したり、独立開業の道を選んだりすることが重要になります。
また、訪問リハビリや自費リハビリの分野では、ダブルライセンスを活用することで高単価のサービスを提供できるようになります。例えば、理学療法士の資格に加えて「鍼灸師」や「パーソナルトレーナー」の資格を取得すれば、スポーツリハビリやコンディショニング指導など、幅広い分野で活躍できます。
次の章では、理学療法士におすすめのダブルライセンスを紹介し、それぞれの資格の概要について詳しく解説します。

理学療法士におすすめのダブルライセンスとその概要
理学療法士におすすめのダブルライセンスとその概要を紹介します。
看護師
看護師資格を取得すると、医療現場での業務範囲が大幅に広がり、年収アップが期待できるようになります。特に、救急医療や訪問看護の分野では、理学療法士と看護師の両方のスキルを持つことで、リハビリだけでなく、患者の全身管理や医療処置も担当できるため、希少性が高くなります。また、訪問看護ステーションや介護施設では、理学療法士よりも看護師の給与水準が高いため、収入アップにつながる可能性があります。ダブルライセンスによって、介護・医療・在宅領域のすべてで活躍の場を広げられます。
鍼灸師(はり師・きゅう師)
鍼灸師の資格を取得すると、筋肉の硬さや痛みに対するアプローチが可能になり、スポーツリハビリや自費施術の分野で活躍できます。理学療法士だけでは対応しにくい慢性疼痛や自律神経の不調などにも鍼灸を組み合わせた治療ができるため、より多角的なケアが可能になります。また、開業権があるため、訪問リハビリと組み合わせて自費リハビリのサービスを提供できる点も大きなメリットです。自由診療での施術ができるため、収入を大幅に増やせる可能性があります。
健康運動指導士
健康運動指導士は、生活習慣病予防や介護予防、運動療法の指導を専門とする資格であり、病院や介護施設、フィットネス業界など幅広い分野で活用できます。理学療法士としての知識と組み合わせることで、リハビリ後の運動指導や介護予防プログラムの作成、スポーツ選手のコンディショニング指導など、多様なニーズに対応できます。特に、運動療法を活かした健康増進事業に関わることで、行政や企業との契約を得ることも可能となり、安定した収入につながる可能性があります。
NSCA-CPT(NSCA認定パーソナルトレーナー)
NSCA-CPTは、パーソナルトレーニング指導に関する国際的な資格で、スポーツリハビリやトレーニング指導の分野で活躍できます。理学療法士の知識と組み合わせることで、リハビリ後の運動指導や、競技復帰を目指すアスリートのパフォーマンス向上に役立ちます。また、フィットネスクラブやパーソナルジムでのトレーナー活動にも活かせるため、自費リハビリのサービス提供や副業としての活用も可能になります。需要が高まっている分野のため、今後のキャリアアップに有効な資格の一つです。
JATI-ATI(日本トレーニング指導者協会認定トレーナー)
JATI-ATIは、日本国内で信頼性の高いトレーニング指導者資格であり、スポーツ指導や健康増進分野での活躍が期待できます。理学療法士が取得することで、スポーツリハビリやパフォーマンス向上、介護予防分野での専門性を高めることができます。特に、訪問リハビリやデイサービスの運動指導に役立ち、身体機能向上を目的としたプログラム作成が可能になります。スポーツ現場での活躍も期待されるため、理学療法士とトレーニング指導の知識を融合させたい方におすすめです。
ヨガのRYT200(全米アライアンス協会認定資格)
ヨガのRYT200資格は、全米ヨガアライアンスが認定するインストラクター資格で、ストレッチやリラクゼーション、呼吸法の指導に活用できます。理学療法士としての知識と組み合わせることで、高齢者向けのヨガ指導や、スポーツ選手のリカバリーサポートなどに役立ちます。特に、自費リハビリ分野や予防医療の現場での活用が期待され、整体院やフィットネス施設との連携も可能になります。心身のバランスを整える手法として、多くの分野で需要が高まっています。
PMA加盟団体のピラティスインストラクター
ピラティスは、姿勢改善や体幹強化に効果的な運動法であり、リハビリとの相性が非常に良いです。理学療法士がピラティスのインストラクター資格を取得することで、慢性腰痛の予防やスポーツ選手のコンディショニング指導が可能になります。特に、整形外科クリニックや自費リハビリ施設での活用が期待され、訪問リハビリの現場でも応用できるスキルです。また、自身のスタジオを開設し、リハビリと組み合わせた独自のプログラムを提供することも可能になります。
福祉住環境コーディネーター
福祉住環境コーディネーターは、高齢者や障害者の住環境を整備するための専門資格です。理学療法士がこの資格を取得することで、住宅改修や福祉用具の選定をサポートできるようになります。訪問リハビリの現場では、利用者の生活環境を整えることが重要であり、住宅改修の知識を持つことで、ケアマネージャーや施工業者との連携がスムーズになります。福祉用具販売事業にも関わることができるため、リハビリ業務以外の収入源を確保する手段としても有効です。
ケアマネージャー(介護支援専門員)
ケアマネージャー(介護支援専門員)は、要介護者のケアプランを作成し、適切な介護サービスを提供する役割を担う資格です。理学療法士がこの資格を取得することで、リハビリの視点を取り入れたケアプランの作成が可能になり、介護業界での管理職や施設運営の道が開けます。訪問リハビリや介護施設での働き方の選択肢が広がるだけでなく、利用者や家族との相談業務にも関われるため、幅広いスキルを活かせる資格です。将来的に独立を考えている人にも有利な資格となります。
介護福祉士
介護福祉士は、介護現場の専門職として利用者の生活支援を行う国家資格です。理学療法士がこの資格を取得することで、訪問リハビリやデイサービスでの業務の幅が広がり、介護職員とリハビリ職員の連携が強化されます。また、介護施設での管理職や指導者としてのキャリアパスも開けるため、給与アップや昇進につながる可能性が高まります。リハビリの視点を活かした質の高い介護を提供できるようになるため、高齢者施設や在宅介護の現場でより求められる人材になれます。
心理カウンセラー資格(公認心理師・臨床心理士)
公認心理師や臨床心理士は、メンタルヘルスに関する専門知識を持つカウンセリングの専門家です。理学療法士が心理カウンセラーの資格を取得することで、リハビリの現場で利用者の精神的なケアを行うことができ、特に脳卒中後の心理的ケアや、精神疾患を抱える利用者への対応がスムーズになります。また、訪問リハビリでは利用者や家族が精神的に不安を抱えることが多いため、カウンセリングスキルを活かして信頼関係を築くことができ、リハビリの効果向上にもつながります。
終末期ケア専門士
終末期ケア専門士は、ターミナルケア(終末期医療)に関する専門資格であり、終末期の利用者に対する適切なケアを学ぶことができます。理学療法士がこの資格を取得することで、在宅ホスピスや訪問看護の現場で、身体機能の維持・向上だけでなく、精神的ケアや家族支援の役割も果たせるようになります。特に、在宅での看取りを希望する方の支援が求められる場面では、リハビリと組み合わせた包括的なケアができるようになり、より質の高いサービス提供が可能となります。

医療経営士
医療経営士は、医療機関や介護施設の経営やマネジメントに関する知識を持つ資格です。理学療法士がこの資格を取得することで、病院やリハビリ施設の運営管理に携わることができ、管理職や経営者としてのキャリアを築くことが可能になります。また、訪問リハビリステーションや自費リハビリ事業を開業する際にも役立ち、経営視点を持ったリハビリ職として市場価値を高めることができます。医療・介護業界の経営課題を理解し、組織運営に貢献できるスキルを習得できます。

福祉用具専門相談員
福祉用具専門相談員は、高齢者や障害者向けの福祉用具の選定や利用方法をアドバイスする資格です。理学療法士がこの資格を取得することで、訪問リハビリの現場で利用者の生活環境の改善を提案できるようになり、適切な福祉用具を活用したリハビリ計画を立てられるようになります。また、介護用品メーカーや福祉用具販売店での勤務にも役立ち、リハビリの専門知識を活かして製品の開発や販売支援に関わることも可能です。訪問リハビリとの相性が良く、実践的に活用できる資格の一つです。
まとめ
理学療法士がダブルライセンスを取得することで、キャリアの選択肢を広げ、年収アップや独立開業の可能性を高めることができます。看護師や鍼灸師、パーソナルトレーナーなどの医療・運動系資格を取得すれば、訪問リハビリやスポーツリハビリ、自費リハビリでの活躍の幅が広がります。また、ケアマネージャーや医療経営士などの資格を取得すれば、管理職や施設運営、経営の道も開け、より安定した収入を得られる可能性があります。理学療法士の資格だけでは昇給が限られるため、将来を見据えたスキルアップが重要です。自分のキャリアプランに合った資格を選び、長期的な収入の安定とキャリアアップを目指しましょう。