訪問リハビリと通所介護(デイサービス)は併用できる?できない?
「訪問リハビリと通所介護(デイサービス)は併用できるの?」
このような疑問はケアマネジャーや訪問リハビリの職員から聞かれることがあります。
今回は『訪問リハビリと通所介護(デイサービス)の併用問題』について解説します。
この記事でわかることは下記の通りです。
- 訪問リハビリと通所介護(デイサービス)が併用できるかわかる
- 訪問リハビリと通所介護(デイサービス)の併用事例がわかる
- 訪問リハビリと通所介護(デイサービス)を併用するときの連携のポイントがわかる
この記事を読むことで『訪問リハビリと通所介護(デイサービス)の併用問題』はマスターすることができます。
ぜひ、最後まで読んでください。
訪問リハビリと通所介護(デイサービス)併用できる?
結論から伝えると、訪問リハビリと通所介護(デイサービス)は併用できます。
理由は介護保険制度上、訪問リハビリと通所介護(デイサービス)の併用を禁止している法令がないからです。
前提としての話ですが、訪問リハビリはそもそも通院が困難な人に対して提供されるサービスです。
このルールは守る必要があります。
しかし、例外として下記のようなルールもあります。
訪問リハビリテーション費は「通院が困難な利用者」に対して給付することとされているが、指定通所リハビリテーションのみでは、家屋内におけるADLの自立が困難である場合の家屋状況の確認を含めた指定訪問リハビリテーションの提供など、ケアマネジメントの結果、必要と判断された場合は訪問リハビリテーション費を算定できるものである。
「通院が困難な利用者」の趣旨は、通院により、同様のサービスが担保されるのであれば、通所系サービスを優先すべきということである。出典)厚生労働省
分かりやすくまとめます。
- 訪問リハビリはそもそも通院が困難な利用者に提供するもの
- 通所できる利用者は通所系サービスを優先する
- ただし、通所系サービスではできず、家でしかできないリハビリが必要な場合は訪問リハビリを利用可能
- そのような場合は通所介護(デイサービス)と訪問リハビリを併用できる
同日に訪問リハビリと通所介護(デイサービス)は併用できるのか?
同日に訪問リハビリと通所介護(デイサービス)も併用できます。
ただし、各サービスの時間帯が重なっていないことが条件です。
例)
午前:通所介護(デイサービス)
午後(15:00〜15:40):訪問リハビリテーション
訪問リハビリと通所介護(デイサービス)の併用事例
訪問リハビリと通所介護(デイサービス)の併用事例を紹介します。
訪問リハビリ:自宅の浴槽での入浴練習のため
通所介護(デイサービス):家族の介護負担軽減のため
訪問リハビリ:「一人でスーパーで買い物ができるようになる」目標達成のための外出練習
通所介護(デイサービス):入浴と機能訓練のため
訪問リハビリ:自宅内の動線での転倒予防のため
通所介護(デイサービス):他者との交流のため
訪問リハビリと通所介護(デイサービス)の併用するときの連携のポイント
訪問リハビリと通所介護(デイサービス)の併用するときの連携のポイントをいくつか紹介します。
両事業所にリハビリ専門職がいる場合
訪問リハビリテーションにも通所介護(デイサービス)にもリハビリ専門職がいる場合は、他事業所のリハビリ専門職の意見も尊重しながら、話し合いながら色々と決めていきましょう。
例えば、福祉用具の選定、移動方法の検討、短下肢装具の角度、リハビリの方針、自主練習指導等…。
自宅での移動方法は訪問リハビリのリハビリ専門職が決めて、通所介護(デイサービス)の移動方法は通所介護(デイサービス)のリハビリ専門職が決めるようなイメージで双方の得意分野を活かした形で協働できると良いですね!
連絡ノートなどを用いてサービス提供時の情報共有をする
通所介護(デイサービス)側は家での様子は分かりません。
一方で訪問リハビリ側は通所介護(デイサービス)の様子は分かりません。
例えば、通所介護(デイサービス)側は訪問リハビリスタッフに対して、他者との交流の様子や食事の様子や入浴の様子などを伝えて、困ったことがあったら頼るようにしましょう。
訪問リハビリ側も家族から情報収集した内容を通所介護(デイサービス)に伝えたりすることで双方のサービスの質の向上や利用者さんの課題解決に繋がるはずです。
連絡ノートや電話やFAXなど適宜適切な連携ツールを用いて情報共有しましょう!