訪問リハビリの種類は4つ|介護保険・訪問看護・医療保険・自費

「訪問リハビリって、病院から来る人と訪問看護ステーションから来る人がいるけど、何が違うの?」「医療保険と介護保険、どっちで使うの?」——自宅でリハビリを受けたい人や家族、ケアマネジャーからよく聞かれる疑問です。
結論からいうと、自宅でリハ職のリハビリを受ける方法は、大きく①介護保険の訪問リハビリテーション、②訪問看護ステーションからのリハ職の訪問、③医療保険の訪問リハビリ、④自費(保険外)の訪問リハビリの4種類です。この記事では、それぞれの違いと、どんな人がどれを使うのかを、厚生労働省の資料をもとに整理します。
- 自宅でリハビリを受ける4つの方法とその違い
- 訪問リハビリ事業所と訪問看護ステーションのリハビリの違い
- 介護保険と医療保険の使い分けのルール
- 自費の訪問リハビリが向いている人
- 自分に合う種類を選ぶときのポイント
訪問リハビリの種類は大きく4つ
| 種類 | 提供する事業所 | 主な対象 | 費用 |
|---|---|---|---|
| 介護保険の訪問リハビリテーション | 病院・診療所・介護老人保健施設・介護医療院 | 要介護・要支援の認定を受けた人 | 介護保険(1〜3割負担) |
| 訪問看護ステーションからのリハ職の訪問 | 訪問看護ステーション | 介護保険・医療保険の訪問看護の対象者 | 介護保険または医療保険 |
| 医療保険の訪問リハビリ | 病院・診療所 | 要介護認定を受けていない人など | 医療保険 |
| 自費(保険外)の訪問リハビリ | 自費サービスの事業者 | 保険の条件や回数にとらわれず利用したい人 | 全額自己負担 |

同じ「訪問リハビリ」でも、こんなに種類があるんですね。

利用者さんから見ると、どれも「PTやOTが家に来てくれる」サービスだから区別しにくいよね。でも、指示を出す医師、使う保険、回数の上限などが違う。ケアマネジャーや家族に説明するときは、この違いを押さえておくと話が早いよ。
①介護保険の訪問リハビリテーション
介護保険の訪問リハビリテーションは、病院・診療所・介護老人保健施設・介護医療院が指定を受けて提供するサービスです。事業所の医師が診療し、その指示にもとづいて、事業所のPT・OT・STが自宅を訪問します。
- 基本報酬は1回(20分以上)308単位、介護予防は298単位
- 原則週6回が限度(退院・退所から3月以内は週12回まで)
- 事業所の医師の診療の日から3月以内に行われた場合に算定
- リハビリテーションマネジメント加算など、リハビリの質を評価する加算がある
医師がリハビリの専門的な管理を行い、リハビリテーション会議などで多職種と連携しながら進めるのが特徴です。
②訪問看護ステーションからのリハ職の訪問
訪問看護ステーションには、看護職員のほかにPT・OT・STが配置されていることがあり、訪問看護の一環としてリハ職が訪問することができます。介護保険では、いわゆる「訪問看護Ⅰ5」と呼ばれる区分です。
- 介護保険では1回(20分以上)294単位。1人の利用者につき週6回が限度
- 1日に2回を超えて訪問した場合は1回につき10%減算
- 主治医の訪問看護指示書にもとづいて訪問する
- 看護職員による定期的な訪問・評価とあわせて提供する
訪問リハビリ事業所との違い
| 項目 | 訪問リハビリ事業所 | 訪問看護ステーション |
|---|---|---|
| 指示を出す医師 | 事業所の医師 | 主治医(訪問看護指示書) |
| 位置づけ | リハビリテーションとして提供 | 訪問看護の一環として提供(看護業務の一環としてのリハビリ) |
| 介護保険の基本報酬 | 308単位/回 | 294単位/回 |
| 医療保険での利用 | 病院・診療所の在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料 | 医療保険の訪問看護(訪問看護療養費)として利用できる場合がある |
どちらも介護保険の区分支給限度基準額の範囲で利用します。地域によっては訪問リハビリ事業所が少なく、訪問看護ステーションのリハ職が在宅リハビリの中心を担っていることもあります。
③医療保険の訪問リハビリ
病院・診療所は、医療保険の「在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料」として訪問リハビリを提供できます。ただし、要介護・要支援の認定を受けている人は、原則として介護保険の訪問リハビリが優先されます。
| 対象者 | 医療保険の訪問リハビリ |
|---|---|
| 要介護認定を受けていない人(40歳未満、特定疾病以外の40〜64歳など) | 通院が困難で、医師が必要と判断すれば利用できる |
| 要介護・要支援の認定を受けている人 | 原則不可。急性増悪などで一時的に頻回の訪問リハビリが必要な場合は、6月に1回・14日間に限り利用できる |
医療保険と介護保険の訪問リハビリは、同じ日に重ねて使うことは基本的にできません。急性増悪で医療保険に切り替わる期間は、介護保険の訪問リハビリ費は算定しないとされています。
④自費(保険外)の訪問リハビリ
自費の訪問リハビリは、介護保険・医療保険を使わず、全額自己負担で受けるサービスです。回数・時間・内容を自由に決められるのが最大の特徴です。
- 保険の回数上限や区分支給限度基準額を超えてリハビリを受けたい人
- 要介護認定の対象にならない人や、施設入所中で保険の訪問リハビリが使えない人
- 旅行・スポーツ・趣味の再開など、特定の目標に向けて集中的に取り組みたい人
自費サービスは料金や質が事業者によって大きく異なります。料金体系、担当者の資格、医師との連携体制、事故時の対応を契約前に確認しましょう。保険のリハビリと組み合わせる場合は、ケアマネジャーや主治医とも内容を共有しておくと安心です。
訪問リハビリの種類ごとの費用の目安
費用は、使う保険と自己負担割合、地域区分、加算によって変わります。介護保険の場合のおおよその目安は次のとおりです(1単位10円、自己負担1割、加算なしで計算した概算)。
| 種類 | 1回(20分)あたりの自己負担の目安 | 注意点 |
|---|---|---|
| 介護保険の訪問リハビリ(要介護) | 約308円 | リハマネ加算などが加わると増える |
| 介護保険の訪問リハビリ(要支援) | 約298円 | 12か月超は要件を満たさないと減算 |
| 訪問看護ステーションのリハ職の訪問(介護保険) | 約294円 | 看護職員の訪問の費用は別にかかる |
| 医療保険の訪問リハビリ | 医療保険の自己負担割合に応じる | 交通費は別途負担となるのが一般的 |
| 自費の訪問リハビリ | 事業者が自由に設定(全額自己負担) | 時間単価・交通費・キャンセル料を確認 |
実際には、地域区分による単価の上乗せや各種の加算・減算があるため、正確な金額は各事業所の重要事項説明書で確認してください。介護保険の場合は、ほかのサービスと合わせて区分支給限度基準額を超えた分が全額自己負担になる点にも注意が必要です。
リハ職から見た働く場の違い
PT・OT・STにとっても、訪問リハビリ事業所と訪問看護ステーションでは働き方が異なります。訪問リハビリ事業所は医師が身近にいて、リハビリテーション会議などリハビリの専門的な管理に関わる機会が多いのが特徴です。訪問看護ステーションは看護師と同じチームで動くため、医療的なケアが必要な利用者や、看取り期の利用者に関わる機会が多くなります。どちらも在宅リハビリの大切な担い手です。
自分に合う訪問リハビリの種類の選び方
- 要介護認定の有無を確認する認定があれば介護保険(訪問リハビリ事業所または訪問看護ステーション)が基本です。認定がなければ医療保険、または認定の申請を検討します。
- 地域の事業所を確認する近くに訪問リハビリ事業所があるか、訪問看護ステーションにリハ職がいるかを、ケアマネジャーに確認します。
- 医療的な管理の必要性を考える看護師による病状の観察や医療処置も必要な人は、訪問看護ステーションのほうが一体的に支援を受けやすい場合があります。
- 足りない部分は自費で補う保険の範囲で足りない場合や、特別な目標がある場合は、自費サービスの併用も選択肢になります。
よくある質問
訪問リハビリ事業所と訪問看護ステーションのリハビリを両方使えますか?
ケアプランに位置づければ、同じ月に両方を利用することは制度上可能です。ただし、目的や内容が重複しないよう、事業所同士で役割分担を整理し、区分支給限度基準額の範囲で計画する必要があります。
どの種類でも、リハビリの内容は同じですか?
PT・OT・STが行うリハビリの内容そのものに大きな違いはありませんが、指示を出す医師や連携の仕組み、算定できる加算が異なります。たとえば、リハビリテーションマネジメント加算は訪問リハビリ事業所のみが算定できます。
介護保険の訪問リハビリと自費のリハビリを同じ日に受けられますか?
保険のサービスと保険外のサービスを明確に区分していれば、同じ日に受けることは考えられます。時間帯を分け、料金や内容を明確にしたうえで、ケアマネジャーにも共有しておきましょう。
退院直後はどの種類を選ぶのがよいですか?
要介護認定を受けている人であれば、介護保険の訪問リハビリが基本です。退院・退所から3月以内は週12回まで算定でき、入院先の医療機関から情報提供を受けている場合は、退院後1か月以内の診療未実施減算も適用されません。入院中から退院支援の担当者やケアマネジャーに相談しておくとスムーズです。
まとめ|訪問リハビリの種類は「保険」と「事業所」で選ぶ
自宅でリハ職のリハビリを受ける方法は、介護保険の訪問リハビリ、訪問看護ステーションからのリハ職の訪問、医療保険の訪問リハビリ、自費の訪問リハビリの4種類です。要介護認定の有無、地域の事業所、医療的な管理の必要性、目標によって、合う方法は変わります。
- 訪問リハビリは介護保険・訪問看護・医療保険・自費の4種類
- 介護保険の訪問リハビリは事業所の医師の指示で、308単位/回
- 訪問看護ステーションのリハ職の訪問は主治医の指示書で、294単位/回
- 要介護認定者は原則介護保険。医療保険は急性増悪時など限られた場合のみ
- 自費は回数・内容を自由に決められるが、事業者選びは慎重に
どの種類が合うか迷ったら、ケアマネジャーや主治医に相談しましょう。
- 厚生労働省 社会保障審議会介護給付費分科会(第259回)資料4「訪問リハビリテーション」
- 厚生労働省 社会保障審議会介護給付費分科会(第259回)資料3「訪問看護」
- 厚生労働省「医療保険と介護保険の給付調整に関する留意事項及び医療保険と介護保険の相互に関連する事項等について」の一部改正(令和8年3月27日)
- 厚生労働省 介護保険最新情報Vol.1213(令和6年度介護報酬改定に伴う留意事項通知の改正)
※2026年10月時点で確認した情報です。制度は改定されるため、算定・運用の際は最新の通知・Q&Aと指定権者(都道府県・市町村)の案内をご確認ください。

