訪問リハビリ1と2の違いは?ケアマネ向け利用票作成と事業所選び

「サービス利用票を作ろうとしたら、訪問リハビリ1と訪問リハビリ2があって、どちらを選べばいいかわからない」——ケアマネジャーが訪問リハビリをケアプランに位置づけるとき、一度は迷うポイントです。
結論からいうと、訪問リハビリ1と2の違いは、リハビリの内容ではなく、サービスを提供する事業所の種類です。1は病院・診療所、2は介護老人保健施設が提供する訪問リハビリを指し、3は介護医療院が提供するものです。この記事では、区分の制度的な背景は別の記事に譲り、ケアマネジャーが利用票を作るときの確認手順と、病院系・老健系の事業所を選ぶときの視点に絞って解説します。
- 訪問リハビリ1・2・3の違い(ケアマネジャー向けの要点)
- サービス利用票・提供票を作るときの確認手順
- 選び間違いを防ぐためのチェックポイント
- 病院系・老健系の訪問リハビリ事業所の特徴と選び方
- 利用者・家族への説明のしかた
訪問リハビリ1と2の違いはケアマネジャーにとって何か
| 区分 | 提供する事業所 | 基本報酬(20分以上1回) |
|---|---|---|
| 訪問リハビリ1 | 病院・診療所 | 308単位(介護予防は298単位) |
| 訪問リハビリ2 | 介護老人保健施設 | 308単位(介護予防は298単位) |
| 訪問リハビリ3 | 介護医療院 | 308単位(介護予防は298単位) |
基本報酬は1・2・3で同じです。ケアマネジャーにとって大切なのは、「依頼する事業所がどの種類か」に合ったサービス種類を、利用票・提供票で正しく選ぶことです。利用者の自己負担額も、区分によって変わるわけではありません。

単位が同じなら、どっちを選んでも同じじゃないんですか?

金額は同じでも、事業所の種類に合わない区分で給付管理をすると、事業所の請求と合わずに返戻の原因になるんだ。利用者さんの請求にも影響するから、依頼する事業所の種類を必ず確認しよう。
サービス利用票・提供票を作るときの確認手順
- 依頼する事業所の種類を確認する事業所に、病院・診療所、介護老人保健施設、介護医療院のどれが提供する訪問リハビリかを確認します。重要事項説明書や、厚生労働省の介護サービス情報公表システムでも確認できます。
- 要介護か要支援かを確認する要支援の利用者は介護予防訪問リハビリとして位置づけます。
- 算定する加算・減算を確認するリハビリテーションマネジメント加算、短期集中リハビリテーション実施加算、同一建物減算など、事業所が算定する予定の加算・減算を事前に聞いておきます。
- 回数を20分単位で計算する1回40分なら2回、60分なら3回として数えます。週6回(退院・退所から3月以内は医師の指示で週12回)の上限も確認します。
- 月末に実績と照合する事業所から届く実績と、利用票・提供票の内容が一致しているかを確認します。違いがあれば、その月のうちに事業所と調整します。
新しい事業所に依頼するときは、初回の依頼の段階で「事業所の種類」「算定予定の加算」「1回の時間」をまとめて確認しておくと、利用票の作成と月末の照合がスムーズです。
選び間違いを防ぐためのチェックポイント
- 同じ法人でも、病院からの訪問リハビリと老健からの訪問リハビリがある場合は、どちらの事業所かを確認する
- 事業所の種類や指定の状況が変わった場合(施設の転換など)は、事業所からの連絡に注意する
- 介護予防の利用者は、要支援になった月から介護予防のサービス種類に切り替える
- 報酬改定のあとは、サービスコード表と請求ソフトのマスタが最新か確認する
- 区分支給限度基準額の計算に含まれない加算(特別地域加算、サービス提供体制強化加算、処遇改善加算など)の扱いを確認する
利用票作成でよくあるミスと対策
| よくあるミス | 対策 |
|---|---|
| 事業所の種類と違う区分を選んでしまう | 初回依頼時に事業所の種類を確認し、事業所台帳などに記録しておく |
| 40分の訪問を「1回」で計上してしまう | 20分を1回として数えることを確認し、回数で計上する |
| 加算の計上漏れ・二重計上 | 事業所から算定予定の加算の一覧をもらい、月末に実績と照合する |
| 要支援・要介護の切り替え月の誤り | 認定の有効期間と変更日を確認し、切り替え月の区分を事業所と共有する |
| 同一建物減算の反映漏れ | サ高住や住宅型有料老人ホームの入居者は、減算の対象かを事業所に確認する |
ほかのサービスとの調整のポイント
訪問リハビリをケアプランに位置づけるときは、ほかのサービスとの組み合わせも確認しましょう。
- 通所リハビリとの併用:目的を分け、訪問では自宅での動作や環境調整を担ってもらう
- 訪問看護のリハ職の訪問との併用:内容が重ならないよう、役割分担を確認する
- 同一時間帯の利用:訪問介護と訪問リハビリは、必要と認められる場合に限り同一時間帯の利用が可能
- 短期入所中:ショートステイの利用中は、訪問リハビリ費を算定できない
訪問リハビリ事業所からの情報提供(利用者の能力、自立のための支援方法、日常生活上の留意点など)は、ケアプランのほかのサービスの内容を見直す材料にもなります。
病院系・老健系の訪問リハビリ事業所の特徴と選び方
報酬は同じでも、母体の施設の種類によって、事業所の強みや連携のしやすさに違いが出ることがあります(事業所ごとの差も大きいため、あくまで傾向として参考にしてください)。
| 母体 | 期待できる強みの例 | 確認したいこと |
|---|---|---|
| 病院・診療所(訪問リハビリ1) | 外来・入院からの継続した関わり、医師の診療との連携、医療的な管理が必要な利用者への対応 | 事業所の医師の診療の方法、急性増悪時の医療保険との切り替えの対応 |
| 介護老人保健施設(訪問リハビリ2) | 在宅復帰の支援、通所リハビリやショートステイとの組み合わせ、施設での入所時からの継続 | 施設の医師の関わり方、通所リハビリとの役割分担 |
| 介護医療院(訪問リハビリ3) | 医療ニーズの高い利用者の在宅療養の支援 | 訪問できるエリアや提供体制 |
事業所を選ぶときに確認したいこと
- 訪問できるエリアと、依頼から開始までにかかる日数
- 事業所の医師の診療の方法(診療未実施減算の算定の有無)
- リハビリテーション会議の開催や、ケアマネジャーへの情報提供の方法
- 利用者の疾患や目標に合ったリハ職(PT・OT・ST)がいるか
- 急な休みのときの代行や、振替の調整の方法と連絡の流れ
利用者・家族への説明のしかた【実践編】
利用者や家族から「訪問リハビリ1と2で何が違うの?」と聞かれた場合は、次のように説明するとわかりやすいでしょう。
| 質問 | 説明の例 |
|---|---|
| 「1と2で料金は違うの?」 | 「どちらも同じ料金です。リハビリを担当する事業所が、病院なのか老健なのかの違いです」 |
| 「リハビリの内容は違うの?」 | 「内容は同じ訪問リハビリです。担当の先生がご自宅に伺って、生活に合わせたリハビリをします」 |
| 「どちらがいいの?」 | 「通っている病院との連携を重視するか、デイケアやショートステイとの組み合わせを重視するかで選び方が変わります。一緒に考えましょう」 |
よくある質問
訪問リハビリ1と2の事業所を同時に利用できますか?
ケアマネジメントの結果、必要性があれば複数の訪問リハビリ事業所を利用することも考えられますが、目的や内容が重複しないよう整理が必要です。事業所どうしの役割分担と、区分支給限度基準額の範囲を確認しましょう。
訪問看護ステーションのリハ職の訪問は、訪問リハビリ1・2のどれですか?
どれにもあたりません。訪問看護ステーションからのリハ職の訪問は、訪問看護(いわゆる訪問看護Ⅰ5)として位置づけます。サービス種類が異なるため、利用票の作成でも区別が必要です。
サービスコードの番号はどこで確認できますか?
厚生労働省が示す介護給付費単位数等サービスコード表で確認できます。報酬改定のたびに更新されるため、最新版を使い、請求ソフトのマスタも更新されているかを確認しましょう。
事業所の種類を間違えて給付管理をした場合はどうなりますか?
事業所の請求内容と給付管理票が合わず、返戻になることがあります。気づいた時点で事業所と内容を確認し、国保連への請求の手順に沿って修正しましょう。
介護予防訪問リハビリにも1・2・3の区分はありますか?
あります。介護予防訪問リハビリも、提供する事業所の種類によって1・2・3に分かれ、基本報酬は同じです。要支援の利用者は、介護予防の区分で利用票を作成します。
訪問リハビリ事業所を探すにはどうすればよいですか?
厚生労働省の介護サービス情報公表システムで、地域の訪問リハビリ事業所を検索できます。事業所の種類、サービス内容、職員の体制なども確認できるため、比較の参考になります。
まとめ|訪問リハビリ1・2は「事業所の種類」で選ぶ
訪問リハビリ1と2の違いは、提供する事業所が病院・診療所か介護老人保健施設かという点で、リハビリの内容や基本報酬は同じです。ケアマネジャーは、依頼する事業所の種類、要介護か要支援か、算定予定の加算・減算、1回の時間を確認して、利用票・提供票を正しく作成しましょう。事業所を選ぶときは、母体の強みや医師の関わり方、連携のしやすさも参考になります。区分の違いを正しく理解しておくことで、事業所との連携も、利用者・家族への説明もスムーズになります。
- 訪問リハビリ1は病院・診療所、2は介護老人保健施設、3は介護医療院が提供
- 基本報酬と自己負担は1・2・3で同じ
- 利用票は事業所の種類に合った区分で作成し、月末に実績と照合する
- 初回依頼時に、事業所の種類・加算・1回の時間をまとめて確認する
- 事業所選びでは、母体の強み、医師の関わり方、連携のしやすさも見る
- 区分の誤り・回数の数え方・加算の計上漏れは月末の照合で防ぐ
- 厚生労働省 社会保障審議会介護給付費分科会(第259回)資料4「訪問リハビリテーション」
- 厚生労働省 介護保険最新情報Vol.1213(令和6年度介護報酬改定に伴う留意事項通知の改正)
- 厚生労働省 介護サービス情報公表システム
※2026年10月時点で確認した情報です。制度は改定されるため、算定・運用の際は最新の通知・Q&Aと指定権者(都道府県・市町村)の案内をご確認ください。

